「僕は玩具ではありません。…僕を大事にしてくれた方に失礼ですから」
年月を過ごし、穏やかで大人びた振る舞いをするようになった。
しかし実際は、自分の感情すら悲劇の材料にされたことに酷く憤っており、何一つマエストロのために生きてなるものかと、復讐を誓いつつも隙を見せないように心に防壁を築いている。丁寧語を使い常に振る舞いを一定にしているのはそのため。
そんな彼が心を許せる唯一の場所は終里坂探偵事務所とその関係者のところであり、人間的な感情の揺らぎや慈愛を見せる唯一の相手が、定命者一族である。

元々怒るのが下手なこともあるが、自分が頭に血が昇るとキュマイラシンドロームの破壊力で何を傷つけるかわからない、というのも自分を律している理由である。
どちらかというと慈愛の精神が強く、自分に好意的な相手は無条件で慈しむ性格。逆に、博愛的なその精神からあぶれた悪意的な人間は相当という意味でもある。

永すぎる孤独に精神が摩耗し、記憶も感情もほとんど残っていない。
不死をいいことに何にも執着しておらず、ぼんやりとウミユリのように漂う生き物となっている。自らの苦痛や危険に対しても、「どうせ死ねないのだから過ぎ去るまでされるがままでいよう」といった諦念から抵抗することもほとんどない。
記憶を失っているのは、元々の彼の防御反応。海難事故で生き残った時から、彼は自分の心を守る記憶を手放すように刷り込まれている。
ただ、自分の名前が「トキ」とよばれていたこと、そして大切でたまらない誰かがいたことだけは忘れられず、そのことだけは大切に大切に胸にしまっている。

孤独はさみしいが、大切な誰かが永遠の生に巻き込まれていないことが唯一の心の救い。
自分のことより、他人の幸福を優先する性格は、唯一変わらない。

・沈没船
・鯨
・イッカク
・海の主とその娘(ロマンシング　サ・ガ2)
・ビスマルク(ファイナルファンタジーシリーズ)
・召喚士(ファイナルファンタジーシリーズ)
・祈り子(ファイナルファンタジー10)
・52Hzの鯨

あなたは古代種であり不老不死者だ。
年を取ることも死ぬことも許されないあなたは行く宛もないまま千年間世界を放浪する運命にある。
・ＰＬ補足
このハンドアウトを取得したＰＣの命には限りがない。少なくとも最終話開始時点までのＰＣはどんなことがあっても老いること、死ぬことは許されない。ＰＣ作成時ＰＣの外見や年齢は慎重に決定することを推奨する。
またＤロイス「古代種」の取得を必須とする。ＰＬは基本ルールブックの他、『上級』の所持を推奨する。
一つのキャラクターシートで三話全てに参加してもらう。
ＰＣ設定（特に年齢）や覚醒や衝動、ライフパスなどは三話を通じて固定される。ワークス／カヴァーはシナリオのハンドアウトごとに合わせてもらい、エフェクトなどのリビルドは可能、シンドロームの増加（ピュア→クロス→トライ）はＧＭとの相談の上で可能とする。

ワークス／カヴァー：任意／任意
ロイス：人形晶　推奨感情:Ｐ友情／Ｎ不信感
指定：キャンペーンハンドアウト内容に加え、ワークス／カヴァーにＵＧＮ関係者、ＦＨ関係者、ゼノス関係者は不可
あなたは物心ついた頃から十八番村の孤児院「たんぽぽの家」で過ごしている、あるいは過ごしていた孤児だ。
あなたには少々不思議な能力が宿っている。そのせいで孤児院に捨てられたのかもしれないし、他の理由があったのかもしれない。
とにかくあなたには肉親と呼ばれる存在がいない。代わりに「たんぽぽの家」があなたの家であり孤児たちは家族も同然だ。
そんなある日の朝、あなたは孤児院を共に過ごした友人の人形晶に起こされる。

ワークス／カヴァー：ＵＧＮ関係者（イリーガルでも可）／任意
ロイス：第一章【定命者】　推奨感情:Ｐ懐旧／Ｎ悔悟
指定：キャンペーンハンドアウト内容に加えＤロイスを「古代種：Renne」に書き換える
ＦＨ 関係者およびＵＧＮと敵対関係となるワークスは不可

　あなたは「古代種計画」によって完全なる不老不死となり五十年を生きたオーヴァードだ。
　あなたは一時期育った地を離れ、しばらく世界を放浪していた。
　その中でオーヴァードという存在を知り、レネゲイドコントロールを知り、組織を知り、変わりゆく世界の流れを変わらない肉体で眺めていた。
　そんなある日、知り合いである終里坂浄蓮から終里坂天命誘拐事件の解決協力を依頼され、浄蓮の同業者である仙石段蔵と落ち合うため、
　久方ぶりに十八番町となったかつての故郷へと戻る。
　事件の果てに顔を合わせた相手からはどこか懐かしい気配がした。

ワークス／カヴァー：任意／任意
ロイス：人形晶　推奨感情:Ｐ任意／Ｎ任意
指定：キャンペーンハンドアウト内容

あなたは千年前に不老不死となり、今や終末世界を彷徨う不老不死のオーヴァードだ。
ほぼ全てのオーヴァードと人類が死滅した今となっても死ぬことを許されず、たった一人思い出を抱えながら世界をさまよい歩く。
そんな中、ここ五年の間にあなたの周りをうろつく人物がいる。千年前のかつての友人、人形晶だ。
人形晶は千年前に死んだ。彼女は本物か、それとも都合の良い幻覚か。

ワークス／カヴァー：任意／任意
ロイス：［メドューサ］仙石雪菜　推奨感情：P尽力／N任意
マエストロ打倒から1年2ヶ月が経過した頃、呪いから解放されたあなたは平穏な生活を享受していた。
そんなある日、仙石段蔵とPC①がFHセル「シアター」の残党によって襲撃されたと聞かされる。見舞いのために病院を訪れたあなたを出迎えたのは段蔵の伴侶である仙石雪菜だった。雪菜はあなたに浄蓮奪還の捜査を依頼する。

■ストーリー（PL向け）
物語はPC達がマエストロを打倒したシーンから始まる。
マエストロ打倒から一年と少しが経過した頃、元「REnne第二章」【定命者】であるPC①はマエストロ打倒の協力者であった終里坂浄蓮、仙石段蔵と共に打倒したマエストロの遺体が保管されたRラボに到着する。その時FHセル「シアター」の残党がRラボを襲撃し、仙石段蔵は重傷を負い、終里坂浄蓮は「シアター」の残党にマエストロの遺体共々さらわれてしまう。
一方、段蔵とPC①の見舞いに病院を訪れた元「REnne」【不老不死】であるPC②は段蔵の妻、雪菜から終里坂浄蓮奪還の依頼を受ける。
奪われたPC①と託されたPC②のもとに協力者として現れたのは老年の名探偵、終里坂天命であった。
かつてマエストロが率いたFHセル「シアター」の残党との決着。これは宿敵を倒し物語を終えた者達と、エンディングを否定する者達との再演である。