容姿・経歴・その他メモ

志木　林檎（しき　りんご）
29歳/女性/UGN支部長/占い師

性格：どこかヘラヘラした性格。また、生に執着がない。
　　　無類の可愛いもの好き。
その他：
戦闘で使う武器は大鎌である。戦場で大鎌を振り回す姿からコードネームは"死神"であるが、本人は可愛げがないと"死神ちゃん"と自称している。

以下駄文（怪文書注意）：
「あなたはやっと生まれてきてくれたうちの跡継ぎだもの。」
　私はとある名門家の長女として生を得た。世間一般から見れば望まれて生まれてきたのだろう。そんな私は小さなころからピアノやバレエといった習い事をたくさんやっていた。また、テーブルマナーなどの作法も叩き込まれた。
「なんでこんなこともできないんだ！」
　私が失敗すると父親が毎回のように言っていた言葉だ。いつからだろうか。私は失敗を恐れるようになっていた。そのために、小さな失敗をごまかしたり隠蔽したりするようになった。後から聞いた話だが、このころの父親は私を跡継ぎにするべく必死だったらしい。
「あなたなんか産まなければよかった！」
　母親の言葉だ。そのあと決まって妹の方が優秀だと続ける。そう、私には妹がいる。勉学、才能ともに私よりも優秀な。だからと言って、私は別に妹を恨んでるわけでもない。妹は妹、私は私なのだから。

————果たして、私は本当に望まれて生まれてきたのだろうか。

　いつからかそんな考えが頭をよぎるようになっていた。17歳の頃、大学受験のための勉強の毎日。そんな生活に嫌気がさしてきたある日、私は自ら自分の命を落とすことを決意した。どうせなら最期に思いっきり家族に迷惑をかけてやろうと線路に身投げをすることにした。
　当日、N市駅の比較的人が多い時間帯。やると決めたからにはもう後戻りはできない。意を決して通過する電車に飛び込んだ。周りからは驚きの声や悲鳴が聞こえてくる。走馬灯というやつであろうか。時間がゆっくりと進んでいるように感じる。近づいてくる電車、混乱する駅のホーム。

————あぁ、私はもうすぐ電車に轢かれて死ぬんだな。

　電車がぶつかる感覚が腕に伝わる。しかし、不思議と痛みは感じない。一瞬の出来事故に痛みを感じにくいのだと思っていた。しかし、いつまでたっても痛みを感じ取れない。それどころかどんどん意識もはっきりしていく。おかしいと思い起き上がり周りを見渡すと、そこには先ほどの喧騒は一切なく、人々が皆眠ったように倒れているのが見て取れた。

　ここから先のことは混乱していたせいかあまり覚えてはいない。なにやらオーヴァードだのUGNだの言われた記憶はあるが、詳しくは何とも。

　気が付いたときには、UGNという組織に保護されていた。どうやら、私は表向きには死んだことになったらしい。これを機に、私は志木林檎と改名した。不意に得てしまった2度目の生。行く当てもなくこの先どうするか悩んでいたところ、UGNのエージェントとして働かないかと提案を受けた。新たな死に場所を探すのにはちょうどいいと思った私はその提案を受けることにした。この体で死ぬことは難しい。しかし、私が死ぬのにふさわしい場所がどこかにあると信じて。

　しばらくたって、私はUGNの支部長に任命されることになった。部下も増えた。立場上死ぬことがさらに難しくなってしまったが、私はしかるべき場所を探し続ける。

————————「とある少女の最期」より

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