双子の姉。幼い頃から仲がよく、何をするにもいつも一緒だった。
幼い頃、二人で正義のヒーローに憧れ、そのまま努力を重ねてやがて二人で警察官になるという夢を叶える。
多少躓くことがあっても片方が補い、二人でいれば何にだって負けない、まさに無敵の二人、だった。
ある日、強盗犯を発見し二人で追おうとしたところ、抵抗する間もなく殺されてしまう。
犯人はオーヴァードであり、追ってきた他の警察官や一般人を殺して逃走した。
事件はUGNによって収束したが、失われた命は戻らない。
被害者は全員死亡のまま、凶悪強盗殺人事件は幕を下ろした

――表向きには。

たった一人だけ……幸か不幸か、瀧本徹はオーヴァードとして覚醒を果たし、事件を生き残ってしまった。
ずっといっしょだった片割れは甦らず、徹だけが。
自分の半身を失った空虚さは、何をしても埋まることはなく、現場に復帰したあとも虚しさはなくならない。
いっそ全て捨ててしまおうかとも思ったが、今や自分と片割れを繋ぐ唯一の物となってしまった「警察官」の仕事だけは、
どうしても捨てることができなかった。
そうして今日も、瀧本徹は警察官として、その責務をまっとうする。
……いなくなってしまった姉の影を追うように。忘れないように。