容姿・経歴・その他メモ

経歴

聖叶依(ひじり・かなえ)は彼女は生まれながらにオーヴァードとして覚醒していた。
両親の存在も不明であり、どこの誰であるのか、現在も生存しているのか、何も分からない。
それはつまり彼女にとって完全な他人であり、興味の対象にもなり得なかった。

彼女はFHの施設で育った。
厳しい訓練の中でオーヴァードの能力を扱う戦士として成長してきた。
しかし、彼女には絆を持つ人はいなかった。
訓練に耐え切れず衰弱死してしまう者や、制御を失いジャームが暴走する者もいた中で、彼女はただ生き延びることに必死だった。
だからこそ、彼女は他者とのつながりに、――“家族”というものに憧れを抱いた。

11歳の頃、彼女は訓練施設を出て“庭園管理者(グリーン・サム)”常盤実蔓(ときわ・みつる)のセルに配属された。
そして初めての作戦行動中に、とある一家が惨殺される事件の現場に遭遇し、そこで宮川飛鳥(みやかわ・あすか)とその兄、宮川翔馬(みやかわ・しょうま)と出会った。
その時、叶依(かなえ)彼女は自分の欲望を満たすために、この二人を利用できないかと思いつく。

それはすなわち、叶依(かなえ)にとって憧れの対象であった存在――“家族”というものを手に入れることであった。
両親を失いオーヴァードとして覚醒していたこの兄妹をFHに引き入れ、家族のような関係を築くことができないかと思いついたのだ。
そして、彼女は自分の所属するセルに飛鳥(あすか)と翔馬(しょうま)を引き入れ、家族のような関係を築くことに至った。
共に、その手を血と罪で染めながら――……

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しかしその出会いから7年が経過した頃に発生した他セルとの抗争によって、飛鳥(あすか)の兄、翔馬(しょうま)は昏睡状態に陥った。
そしてそれから1年が経過した今になっても、彼は未だ目を覚まさない。

大切な“家族”という関係を守るため、
なんとか……、なんとかしなければいけない……。

性格

物腰柔らかな性格で、いつも穏やかな微笑みをたたえている。
しかし、それは彼女が望んだ“家族”という“欲望”を叶え、その中に身をおいているからである。
本質としての彼女は己の欲望にひたすらに忠実で、それを守るためなら他者の犠牲も顧みない傲慢さと残酷さを秘めている。

技能

特技は料理で、その腕をよく飛鳥(あすか)やセルメンバーに披露している。
キュマイラシンドロームに属するオーヴァードの中でも特に強い膂力を持っている彼女は、元来道具の扱いが不得意であるという一面持っているが長年の努力により普段はそれを上手く制御している。
しかし、不意に気が抜けたときや、感情が揺るいだ時などにおいてはその限りではない。

戦闘スタイル

腕を獣のように変化させ、強靭な膂力を以て敵を叩き潰す。
全力を出した際は、黒い炎を全身に纏いそれを以てして敵を焼き尽くす。この際の姿が、コードネームの“ブラックドレス”の所以である。

名前

彼女に名前は無かった。
親からつけられた名前は知らず、そもそも付けられたのかすらわからない。
そして訓練施設内では、識別番号(コード)さえ名前は必要なかった。

聖叶依(ひじり・かなえ)という名前は、セルに配属された際に、叶依(かなえ)自身がつけた名前である。
幼い彼女はその名前に、望む姿と願いを込めた。

“罪纏う少女(ブラックドレス・ベティ)”というコードネームもまた、彼女の嘆願によるものである。
本来彼女に与えられたコードネームは、“黒炎纏う獣(ブラックドレス・ビースト)”であった。
しかし、“獣(ビースト)”と呼ばれることに忌避感を覚えた彼女は、もっと人間を思わせる呼び名を求めた。
そして、“Beast(ビースト)”にそのまま愛称を付けるように、“Betty(ベティ)”とその名を変えたのだ。

家族

宮川飛鳥(みやかわ・あすか)とその兄、宮川翔馬(みやかわ・しょうま)との関係は良好。
飛鳥(あすか)のことは実の妹のように可愛がり、
同年齢である翔馬(しょうま)とも深い関係を持つに至った。
また、オーヴァードとしての先輩としても、2人のことを助けてきた。
そう――、“家族”なのだから、助け合うのは当たり前だ。

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