屋外ではよく日傘を差している姿を見られる、黒髪黒目の少女。
名家の生まれだがレネゲイドウイルスの感染が判明したため、
現在はUGNの管理下に入り、チルドレンとして活動している。
物腰は穏やかであり、所作にも育ちの良さを感じさせ、基本的に声を荒げるようなこともない。

…それは、能力を解放して狼人のような姿になっても。
完全獣化した際の穂乃花は身長２ｍを超える二足歩行の狼型となるが、声も態度もほとんど変化がない。
つまりは敵からすると、二足歩行の猛獣がお淑やかに礼儀正しく襲って来ると言う、よくわからない状況になるのだ。
日頃の容姿とのギャップと、獣化してからのギャップ。双方ともに大きいため、初めて見る者は大概、頭上に『！？』マークが飛ぶことになるだろう。敵も味方も。

オーヴァードとしての能力は、獣化の身体能力による身のこなしと、温度操作による攻撃。
咆哮に力を乗せて局所的に極低温を引き起こすことを得意としており、
範囲はそこまで広くないながらも複数人を相手取ることが可能。
身も凍るような、と言うのは恐怖に付く冠詞だが、穂乃花の場合はそれを物理的に起こすのである。

とは言え、何もない時であれば、良家のお嬢様といった感じの風情であり
"レディハウンド"の片鱗はどこにも見えないだろう。

散歩と言うのは、目的があって行っても良いし、目的がなくとも良いものだ。
厄介事を拾うかも知れない、なんて言う確率の低めな事象を気にしながら散歩をするようなことは、まずないだろう。
だから、ソレを見掛けた時点で日常からはちょっとだけ外れていたのだ。

…自分の見た目でソレに介入したとして、言葉でなんとかなるものなのか、実力行使かなんて考えつつ…
秩序の側としては、専門外であろうと見捨ててはおけなかっただけ。
何に繋がっているかなんていうのは、後から判明することだから。