容姿・経歴・その他メモ

「私欲を満たすだけで満足するだけの小物が『強欲の化身』を騙るのは、いやあ全く嘆かわしいよ。
私が君に『強欲』とは何たるかを教えてあげよう。
――私こそは、この星に棲まう底なしの欲望を孕む人類、その全てが心の底から満足することを望む強欲の化身、数字の書かれた紙切れを、人々の無限の可能性に錬成する『黄金要塞（キャッシュキャッスル）』、鐘津巳満腹であるッ！」



UGN中枢評議員の一人。錬金術と経済力によって叩き上げで現在の地位までこぎつけた実力者。
立場としては改革派と穏健派の中立。

貧しい家庭の出身で、それ故に苦しい子供時代を過ごした彼は、特に若い頃は金銭に執着していた。多少は頭が回るが大学進学は出来ず、就職もうまくいかなかったのでアルバイトを複数掛け持ちして使う宛の思いつかないまま貯金をしていた。
オーヴァードに目覚めたのは、その中で受けた治験のアルバイトで、その実態は装ったFHの人体実験だった。
UGNの介入で命を救われた彼だったが、人体実験の結果モルフェウスとノイマンのシンドロームに目覚める。
彼はその実力を存分に発揮して、瞬く間に巨万の富を築き間もなく億万長者の仲間入りを果たした。
『溜まった』金の使い道に困った彼が真っ先に思い至ったのは、彼を女手ひとつで育て上げた実母への恩返しだった。
しかし久方ぶりに実家に帰ったちょうどその日に母が他界。
間に合わなかった親孝行を深く後悔した彼は、長らく渇望していたはずの際限ない財産の使い道がわからなくなってしまう。
その時期にFHによるオーヴァード犯罪が急増。そのために兵器のように仕立て上げられるUGNチルドレンの犠牲に心を痛め、彼らがせめて円滑に作戦を遂行し、犠牲者を減らせるようUGNの設備や装備開発に多額の投資を行う。
結果として組織への多大な貢献が認められ、評議会のメンバーとして迎え入れられた。

彼の投資によって間接的に命や心を救われたエージェントやチルドレンは数しれず、また彼が個人的に設けたオーヴァード犯罪の被害者家族の救済基金や両親を失った子どもの児童養護施設運営などで助けられた一般人も多く、それが多数の支持者を獲得にいたり、評議員の座に導いたといえる。
その一方で穏健派にも改革派にもどっちつかずな日和見の姿勢を快く思わない者も多く、特に改革派の一部からは『成金狸』という蔑称で疎まれている。
彼がそのような姿勢を取るのは、どちらに傾倒しても結局は現場に必要以上の負担を掛けて疲弊させるだけであるという見解による。
だが一部の改革派の血統や実力を過剰に重視する姿勢を心底嫌っているので、実情は穏健派の助力、改革派の妨害を担うことが多い。

彼はやがてレネゲイドウィルスの存在が暴かれる時代が来ることを確信しているが、そうなったとしてもオーヴァードの是非を問わず万人が自らの欲望を満たせる幸福な世界を心から欲している。
そのためにまず犯罪がもたらす不幸により人の幸せが理不尽に奪われない土台作りを目指し活動しており、そのための投資や寄付には躊躇がない。「お金で買えない、代えられない物を守るためにお金を使う」ことが信条。

もともとコードネームは今と違うものを使っていたが、当時のものでは評議員として面目が立たないということで『黄金要塞』に改名した経緯がある。
情報収集に長けている一方、戦闘は苦手。評議員になってから前線に出ることはまずなくなったが、必要が生じた場合は装備によりその不足を補っている。彼が使う武装は技術開発のテスターを兼ねることも多く、年々装着するパワードスーツの重鈍さが増していくらしい。近年では搭載火器も携帯できるPAアーマーの登場により、コードネームに似合った風貌になった。

一般的な家庭で育ったこともあり金銭感覚は一般的。ただ子どもの頃できなかったことを一つ一つ追体験したり、オーヴァードになったことで生じる渇望を埋めるために散財することもあり、それが取り沙汰されて成金狸と揶揄される。
特に食欲と性欲の制御に苦労しているが、ハニートラップだけは頭脳明晰のお陰で辛うじて踏まないでいられる。
老若男女構わないらしい。

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