12区支部に所属していたエージェントの一人。現在は11区支部に所属。
特殊な能力を込めた鳥のような炎を纏い、それを自在に操る能力を持つ。防御と支援に特化した戦闘スタイルの持ち主。
レネゲイドに目覚めた時の抗争で命を落としており、それから一ヵ月ほど後に蘇生してUGNに所属した経歴を持つ。
《……あの時は、お母さんも、お父さんも、友達も、皆がバケモノを見るような目で見てたっけなぁ》
UGNの支援で生活に不自由はないが、色んなアルバイトを掛け持ちしたり、ボランティア活動に精を出したりと忙しくしている。
そのせいか街の色々なところに顔が利き、装備品などをどこからか調達してくる謎の伝手がある。
ミッションにはあまり気真面目に取り組んではいないが、エージェントしての力量と任務成功率は高く、自身の身を挺して他人を助けるような真似をしばしば行う。

彼女の肉体は極めて高い環境適応能力を持つ。
実験では-50℃以下～300℃以上の環境にも即座に適応し、問題なく行動できることを確認済み。
また、食事や睡眠をほぼ必要とせず、生存に必要な最小の水とエネルギーを補給する限りにおいて活動を続けることができる。
その影響からか、彼女の味覚は極めて大幅に退化しており、睡眠も夢などを見ることはなく、体感でほぼ一瞬で目覚めているらしい。
そのことは彼女の精神に大変なストレスをかけており、食事や睡眠への強い忌避感が見られる。
現状では老化も確認されていないが、今後の経過観察が必要とされる。

記憶を失った彼女と、人として過去を失った自分。
共にかつての自分を失くしたもの同士、そしてどこか似た"人ならざる"気配に惹かれ、言わば自分の精神安定のために面倒を見ていた。
不安定な藍理には、誰かが近くに居た方が良いという言い訳をして。

記憶を取り戻した大那に確固たる自分を感じたことで、その言い訳を使うこともできなくなり、こんな自分とは距離を置くべきだという思いを強めるようになった。