家族で、楽しくドライブをしていた。ただそれだけの、昨日から、明日へ、ただただ続いていくのだと思っていた日常。
それは、ただ一匹の吸血鬼、その戯れに、悪戯に、遊戯によって壊された。
突如車の前に現れ、それを避けようとした父親はスリップを起こし、当然の如く事故は起きた。
家族は瀕死で、同じく死の淵に居た元骸に対し、奴は笑いながら血を口の中へと流し込んだ。
奴はその後、ゲラゲラと下品に笑いながら元骸の頭を掴み家族の首へと押し付け、無理矢理血を啜らせた。冷たくなっていく家族の体を唇越しに感じた。

覚醒と事故、そして己の行動による家族の喪失。
ショックによって記憶を失うその瞬間。一つの人影が見えた気がしたが、誰かどうかも思い出せない。

FHセル「銀の血脈」。同一の吸血鬼"暇人"に対して復讐を誓った被害者の集まり。
多くの者が奴の気まぐれによってブラムストーカーとしての覚醒者が多い故に[血脈]と表現している。
その上で吸血鬼に対しての殺意を向けているが故に弱点と逸話の多い[銀]。
"暇人"の生み出した眷属共との抗争になったのだが、互いに全滅。
骸しか居ない戦場で、HPを増やし、敵味方問わず血を啜った結果唯一人だけ生き残ったのが荒金である。
セルは壊滅し、味方の死に嫌気がさし、一人だけで目的を果たすという決意と共に、セルの名をCNとして継いだ。

全員、可能な限りEE:血の兄弟で繋がっている。
現在、荒金に盟約の対象はいないが、かつての仲間以上に大切と思う対象でない限り、血を交換する事はない。