一華は幼い頃に交通事故に遭遇している。
両親は死亡し、一華自身も下半身不随になる大怪我を負った。しかし、救助に駆け付けた救急隊員によると、あれほどの事故であんな小さな子供が生還したのは奇跡だという。
この奇跡の生還の時点で一華にはオーヴァードに覚醒する素養があるとＦＨセル「イグラシア」は目を付けていた。
「イグラシア」は表向きは教会を装っており、身体的な障害を解消するアイテムを開発していると装っている。実際には、身寄りのない障害を抱えた子供を使って強力な秘密兵器“白百合”の開発を行っている。
一華もそこへと預けられた。

教会には自分と同じような身体に障害を抱えた子供達が沢山いた。
そんな子供達の視線を一身に集めていたのが“姉さま”であった。
姉さまは子供達の情愛と尊敬の対象であり、一華も例外ではなかった。まだ幼かった一華に数度だけではあるが優しさをくれた。
歳を重ねるごとに姉さまへの愛と尊敬は深くなっていった。

教会では健康診断や様々な身体的ハンディキャップを克服するアイテムのテストと称して秘密兵器の試作に利用されていた。一華は高い適合率を有した優秀な個体であった。

そんな幸せな日々も突如として終わりを告げる。
姉さまが突如として“白百合”の剣を用いて教会を破壊したのだ。その騒ぎに乗じてＵＧＮが襲撃を仕掛けた。
一華は“白百合”に適合することによってオーヴァードに覚醒し逃走する。
逃走後はＦＨマーセナリーとして居なくなってしまった姉さまを探している。

一華は姉さまに心酔している。
たとえ彼女が自分個人を覚えていなくても、あの教会で過ごした時間は変わらないものだと思っていた。
それ故に、姉さまが居なくなってしまったことが一華にとって衝撃的だった。

物の記憶を探り、それを引き出す力。
戦闘では武装に宿ったかつての使い手の記憶を引き出すことで高い戦闘技術を得ている。
一華自身には戦闘に関しての技術は一切ない。

戦闘用に開発されたＥＸレネゲイドに感染した特殊な武装。
一華は盾と鎧を所持している。
脚部は義足となっており、車輪による高機動性を実現している。
《テクスチャーチェンジ》で普段は車椅子に、戦闘時も秘密兵器であることは偽装している。
本来は攻撃用の剣もあったのだが、姉さまが持ち出したことで失っている。

“白百合”を使っていることは姉さまには知られたくない。