｢オレのクソったれな半生なんて、ラジオ代わりにもなりはしませんよ。｣
恵まれない家庭環境ながらも努力を続け、カジノでVIP専門のドライバーとして勤務していた。真面目な勤務態度を評価されていたが、ある朝、運転中に突然意識を失い、大事故を起こしてしまう。
上司には居眠り運転と断定され即日解雇、乗せていた客は姿を消しており弁明の余地なし。肩を落として帰宅すると自宅は放火され灰になっていた。
呆然としていると後頭部を殴打され、気がつくと知らない部屋で縛られ、見知らぬ男達に囲まれていた。
男達によると、どうやら事故を起こした際の乗客がマフィアの組長で、しかもそのマフィアは｢ジャーム｣なる兵器で上位組織のボスへの反抗を企てていた最中であり、事故のせいで計画が失敗したという。報復としてホテルに圧力をかけ解雇、自宅への放火、拉致と手の込んだことをされたらしい。
あまりの理不尽と不条理に全てを諦めかけていたが、その時に聞こえてきた、｢今日の夜12時までにコイツらにお仕置きできれば、ワタクシの元で再雇用して差し上げますわ。｣という声によりオーヴァードに覚醒。声に導かれ、目覚めたばかりの力を奮った。
現在では声の主である上位組織のボスこと、｢メアリー＝ドラクレール｣のドライバー兼執事として勤務中。
普段は癖の強いセルメンバーのバランスをとる調整役になっているが、いざと言う時のネジの外れ具合は他のメンバーに勝るとも劣らない。

｢魔法がとけるまで、しばしのドライブと洒落込みましょうか。なァに、お代は間に合ってます。｣
質量保存の法則を無視して際限なく思い浮かべたあらゆるものを無から生成できるという、上位のモルフェウス能力を持つ。しかし、能力で生成したものはその時間に関係なく、その日の夜12時を迎えると灰になって消えてしまう。この灰化は完成にコントロール外で、任意に実行したりは出来ないし、本人が意識を失っていたりしても自動的に行われる。
生成にかかる速度はその物質や生成する距離によって異なるようで、基本的には複雑で大きなものを、遠くに生成するほど時間がかかる。ただし何故か愛車の『レッド＝パンプキン号』と、『カジノコイン』は例外で、瞬間的に大量に生成する事ができる。
また、制限時間が過ぎると元となったモノも灰になってしまうため、物質の変成は基本的に行わない。(と本人は言っているがそもそも苦手なようで、急速分解の際はカジノコインを同座標に生成することで擬似的に分解を行っている。)