容姿・経歴・その他メモ

概要

　かつてはＵＧＮに所属していたが、現在はフリーランスのオーヴァード。
　普段は高校生として生活している。何でも屋でアルバイトをしており、モルフェウスシンドロームの能力で電化製品の修理等を主にしている。
　また、サイコメトリーのような物品の記憶を読み取る能力でＵＧＮの捜査に協力してもいる。

　「祈りの造花」という遺産と契約している。
　以前は妹である紅祢 杷琉（アカネ ハル）が契約していたが、彼女が死亡して造花に取り込まれた際に次の契約者に選ばれた。
　祈りの造花は契約者に絶望に立ち向かい戦い続ける事を誓約させる。“妹を喪った”という深い絶望に抗うために造花は伊慶から杷琉の記憶を奪った。
　
　伊慶はサイコメトリーで造花の記憶を読み取ることでしか実の妹である杷琉の事を思い出すことができない。

　現在はＮ市にある実家に住んでいる。妹と両親を亡くして一人暮らしをしているため部屋数が大量に余っている。

性格

　飄々とした態度でニヒルを気取る少年。根は面倒見が良く優しい性格。
　自身の利益のためにのみ能力を行使すると嘯いているが、困っている人を放っておけずお節介を焼いてしまうこともしばしば。
　性格が捻くれたのは妹と死別してから。以前は素直に他者に手を差し伸べていた。

一人称：僕
二人称：君、お前
好きなもの：サンマ、紅茶
嫌いなもの：生クリーム、辛いもの
趣味：散歩

ライフパス

出自：兄妹

　伊慶には杷琉（ハル）という2つ年下の妹がいた。
　天真爛漫で好奇心旺盛、悪気はないが何かとトラブルを引き起こしてしまう子だった。
　伊慶はそんな杷琉の面倒をよく見ていた。

　Ｎ市にある紅祢の家では家宝として遺産「祈りの造花」を受け継いでいたが契約することができる者はいなかった。
　幼少期は幸せな生活を送っており、伊慶も杷琉も世界の裏側など知る由もなかった。
　しかし、3年前、当時12歳だった杷琉が祈りの造花と契約してオーヴァードに覚醒してしまう。杷琉は覚醒の際に衝動に飲まれてしまう。暴走した杷琉は両親を殺害した。そしてその行動を止めようとした伊慶のことも手に掛けてしまう。
　確かに一度死亡した伊慶だったがオーヴァードに覚醒することで一命をとりとめた。

　その後、駆け付けたＵＧＮによって二人は保護される。
　杷琉の記憶から両親を殺害したことは消去されており、伊慶もわざわざ思い出させてショックを与えるべきではないと真実は告げなかった。
　祈りの造花と契約した杷琉の力は強大であり、遺産管理の事も合わせてＵＧＮ日本支部の所属となる。
　杷琉と違い伊慶は特別強い能力を有しているわけではなかった。それでも伊慶が日本支部の所属に固執していたのは偏に杷琉のためだった。妹を一人で戦わせるわけにはいかない、その一心で戦いに赴いていた。

　しかし、非力な伊慶ではまたしても眼前の悲劇を止める事が出来なかった。
　凶悪なジャームとの戦闘の末に侵蝕率が限界を超えてしまった杷琉は造花に取り込まれてその一部となってしまう。
　彼女は恨み言一つ口にせず、ただ満足そうな笑みを浮かべて造花の花弁の一片となった。

経験：記憶喪失

　伊慶は杷琉が取り込まれた造花を縋るような想いで手に取った。
　すると造花は次の契約者として伊慶を選んだ。
　強力な遺産「祈りの造花」と契約した伊慶だったが、彼の心を支配していたのは妹を失った深い絶望だった。
　造花は契約者に絶望を許さない。
　杷琉の死を受け入れる事ができない伊慶を再び立ち上がらせるために、造花は伊慶から杷琉の記憶を消去した。

　事態が収拾した後、伊慶はＵＧＮを辞めた。杷琉の事を忘れた伊慶の胸に残ったのは言い表せない喪失感だけだった。
　現在の伊慶は｜サイコメトリー《巨匠の記憶》を祈りの造花に使用することでしか杷琉を思い出すことができない。それも自身の体験としての記憶ではなく、まるで映画でも見ているかのような、どこか他人事のように感じられてしまう朧げばものだ。

武器・能力

｜伽藍の錆《カランコエ》

　遺産、「祈りの造花」である赤い花弁を模した鍔が付いた刀。
　刃は祈りの造花から放たれるレネゲイドで形成されているため、鞘に納刀することで刃こぼれを回復できる。

セッション履歴