ロックと自由を愛する高校生UGNチルドレン。
最低限の社交性はあるが、時折、会話が一方通行になってしまうことがある。
それは好きなものの話をするときで、

「おまえ、ロックは好きか？」

など、初対面であっても唐突な質問をしたり、会話の流れが急に変わったりする。

だが、レネゲイドが活性化していないときは基本的に普通に生活ができているようなので
このくらいのことは大目に見たほうが良いかも知れない。
その他にもロックな振舞いを心掛けていたりとロックが彼の人生の中心になっていることは明らかである。

破壊衝動も彼のロックというスタイルから来ているのだろうか。
覚醒時、暴走時などあらゆるデータには、彼が暴れまわっている記録が残されている。

間違いなく衝動は破壊、なのだが彼はあまりそれを認めようとしない。
どうやら過去の事件にトラウマがあり、破壊行為をした後はいつも寂しそうな顔をしているようだ。
彼の日常からは破壊衝動のようなものは見られないが、ライブ中など興奮すると…といったところである。

彼の善性を祈るばかりだ。

彼は自らの演奏を魂に響くステージと語る。
彼のオーヴァードとしての能力もその言葉を体現するかのようなものとなっている。

電撃でも振動でも音とも言い難いが、彼のエフェクトは外部ではなく、内部から初めにダメージが届く。
相手からしたら内臓をひっくり返されるような、脳を揺さぶられるようなそのような衝撃がくる。

これは独り言だが、直接響く、とは最も神髄たる破壊ではないかと考えられる。
彼は壁も耐性もあるなしに関わらず、細胞を直接攻撃することができるようなものだ。
その衝撃は魂に直接入っているといっても過言ではないほどのものが来るだろう。

彼にとってのロックとはすべてを破壊する貫通の一撃であるかのように思える。

また、魂を活性化という意味合いを持って仲間に使用することもある。
彼は電撃、振動による脳内伝達力を一時的に覚醒させるためにロックを奏でている。
オーヴァードの活性化だけではなく、ダイレクトに反応を引き起こすことも可能であると考えられる。

彼は自らを語らない。ロックではないと本人がいうからだ。

なのでこうして記録を取るときも外部から見ただけのことしか分からない。
彼は私たちに対してどのような気持ちを持っていたとしても表面上のことしか分からない。

以前、彼の演奏を聞きに行ったことがあった。
彼は自分の演奏が一番自分のことを伝えてくれると語ったからだ。

そこで得られたものは何とも言い難い。
荒れているようでもあれば、悲哀に満ちているような。
こういう感情を何て表現すればいいのか。

強い反骨精神と満たされない心。

これ以上のことを書くのはやめにしようと思う。