容姿・経歴・その他メモ

【経歴】

市女笠を被った、唐笠お化けならぬ市女笠妖怪。
元は病に伏せたために稼ぐことができなくなり、遊郭から追い出され野垂れ死んだ遊女の怨念が、遊女の被っていた市女笠に宿り動き出した存在。

起源としては怨霊に分類される存在ではあるものの、元より長く使われていた市女笠には付喪神としての性質が混ざっており、結果として両方の性質を混ぜ合わせた善でも悪でもない中庸な妖怪としての気質を持っている。

江戸時代、堺にて生まれた彼女だが、日本全国の様々な場所を彷徨い歩き、結果辿り着いた妖の隠里に現在定住している。

付喪神としての性質とその能力から隠里の土地神を守る巫女妖怪という立場についており、もう一つの役割である里の自警団をこなしながらもよく社の掃除をしている様子が見受けられる。


【人柄】

外見は片目を隠した短髪の少女。大きな市女笠と顔の前に垂らしたお札、その奥に覗く見開いた目が特徴。一人称は「あちし」。
その印象とは異なり性格は基本的に明朗。廓言葉で話すその言葉遣いも落ち着いており、気配りもそれなりにできる土地神の巫女らしいもの。

里の中でも古参の妖怪であり行動もしっかりとした考え方に基づいているが、外見通りの子供らしさも持ち合わせており、それ故に古参妖怪とも新参者や小さな付喪神とも仲が良い。

しかし遊女の怨念を宿した妖怪という性質からか非常に嫉妬、執念深く、相手に抱いた恨みは長く覚えており数倍にして悪戯し返さないと気が済まないという一面も持つ。

市女笠は外せるものの身体の一部らしく、常に大事にしておりまた市女笠そのものを独立して動かすこともできる。
本人曰く「たとえば首無さまは身体と首が分かれた妖怪でありんすが、どちらも大事な身体の一部でござりんしょう？それと同じでありんす」とのこと。


【能力】

市女笠が持つ日除け、虫除けという本来の性質がそのまま妖怪としての能力となっており、垂衣のような防護結界を張り巡らせて自身や周囲を守ることを得意とする。
防護結界は定点の防御においては強力な代物である反面、攻撃には応用が効かず機動性にも乏しく、単体での戦闘能力は低い。

それ故に他者に対しても悪戯以上の事はできず、人間に対して脅威となれるほどの力は持ち合わせていない。

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