UGN日本支部教育部門　御中
■市教育部門教官　[編集済み]

拝啓　秋冷の候、貴職におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、昨年の■月に保護されました被害者少女、鮎川千真（あゆかわ・ちま／7歳）について、現在の経過をご報告いたします。

当該児童は事件発生時に両親を喪失しており、その後、親族への引き取りを打診いたしました。しかし母方姓から推測される家庭内の婚姻時の軋轢（恐らく被差別部落関連の問題を背景とするもの）により、いずれの親族からも受け入れを拒否される結果となりました。そのため、現在は当支部においてUGNチルドレンとして保護し、教育を行っております。

教育内容は、レネゲイドコントロールに基づく基礎的な能力制御の訓練と、通常の児童教育課程に準じた一般教養教育を並行して実施中です。鮎川千真は年齢に比して理解力が高く、指導に対する順応も良好で、特に適合した遺産との親和性からか、既に一定のエフェクト制御を行える段階に達しております。その資質は将来的に極めて有望と見込まれます。

一方で、適合遺産の副次的影響として「窃盗行為への衝動」が断続的に発現していることを確認しております。現在は日常生活における管理体制を整備し、周囲のチルドレンや職員への影響を最小化しておりますが、この特性を抱えたまま一般社会で生活することは、少なくとも二次性徴を終え心身の制御が成熟するまでは困難であると判断せざるを得ません。

本人は比較的安定した情緒を保っておりますが、喪失体験に基づく不安感や孤立感を抱える様子も見られるため、心理面でのフォローも引き続き必要と考えます。加えて、衝動の制御が難しい局面では、本人が強い飢餓感を示すこともあり、長期的な精神的ケアが不可欠です。

以上を踏まえ、鮎川千真の今後については、引き続き支部管理下での教育と訓練を継続しつつ、成長に応じてより安定した制御法を確立させることが最適と判断いたします。本部におかれましては、引き続き必要資源の配分をご検討いただけますようお願い申し上げます。

敬具