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ライフパス

出自		33。ブランはとある資産家に雇われるメイドである。メイドと言いながらも、業務内容はボディガードや暗殺者のそれであるが……しかし本人も周囲もメイドと主張するからにはそうなのだろう。現在は仕えている主が失踪したため、ブランは彼を探している。一説では死亡したとのうわさもあるが、そんな戯言、信じるに値しない。あの主がのうのうと死ぬ姿など想像できないのだから。
資産家/旧き記憶
経験		26。ブランはある少年によってその純血を失い、後天的なクロスブリード(混ざり者)となった。本人にその記憶はないだろうが、彼は間違いなく――現実改変に対する、絶大な適性を見せていた。クラスⅧの境地すらあり得る。それほどまでに絶対で、それらとは全く無関係に敬意の持てる人間である。彼と巡り合い、彼のことを知れたのであれば、純血の喪失など惜しくはなかった。
喪失(裏社会)
邂逅		26。自分自身でさえ忘れている何か。そんな秘密をブランは抱えている。そもそもなぜ死んでいたのか、何故殺され、何故記憶がないのか。何故こうも殺すことに長け、何故こうも血に飢え、何故こうも――寂しいのか。答えなど見つからず、けれどそれでもいいと思っている。ブラン(渡り鳥)に檻は要らず、首輪もなく、ただ求める主だけがいればいいのだから。
秘密
覚醒	侵蝕値	9。“赤い、月――？”ブランには6歳以前の記憶がない。というより、正確には主に拾われた年を6歳と定義し、それより正常人間と同様に成長したために6歳以前としているだけで、実際記憶を失う前は不老不死の吸血種であった可能性もなくはない。だが、まぁ。そんなことはどうでもいい。過去などブランの前には白紙同然で、ただ主に添う現在と輝かしい未来だけがあればいいのだから。
忘却	17
衝動	侵蝕値	2。血に飢えている。飢え乾いている。肉を貪るよりもなお、血に飢えている。水よりも欲して、けれど無差別に喰らわないのは、主のそれ以外に美味を感じられないから。心より認めたただ一人の主だけに、その首は垂れられる。ブランにとっての吸血とは、無防備に自身を曝け出す求愛行動に近いのだろう。首筋に口付ける度に高鳴り、朱に染まり、ぼぅっとなる自分が、どうにも嫌いになれず、“悪くない”と思っていた。
吸血	17
侵蝕率基本値	34