ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

ユキ - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

死神(ケール)ユキ

プレイヤー:藍上

……ひとりでいいと、言いましたよね」

年齢
24
性別
喋ればわかる
星座
牡羊座
身長
169
体重
細身
血液型
O型
ワークス
UGNエージェントA
カヴァー
葬儀屋
ブリード
クロスブリード
シンドローム
ブラム=ストーカー
エグザイル
HP最大値
33
常備化ポイント
4
財産ポイント
1
行動値
7
戦闘移動
12
全力移動
24

経験点

消費
+120
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 【Secret】
【Secret】
経験 【Secret】
【Secret】
邂逅/欲望 伊比津美摘、ひいてはUGNに尽力している。
同志
覚醒 侵蝕値 【Secret】
探求 14
衝動 侵蝕値 【Secret】
恐怖 17
侵蝕率基本値31

能力値

肉体6 感覚3 精神1 社会1
シンドローム1+2 シンドローム2+1 シンドローム1+0 シンドローム0+1
ワークス1 ワークス ワークス ワークス
成長2 成長0 成長0 成長0
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵5 射撃 RC1 交渉
回避1 知覚 意志 調達1
運転: 芸術: 知識: 情報:UGN2

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 生還者“リターナー” バックトラックのダイスを増やす
Sロイス 三枝未来 幸福感 悔悟 「幸せ」をありがとう/殺してあげられなかった過去は未だに取り戻せなくても
固定 伊比津美摘 信頼 食傷 いつもお世話になっています/なんというか……大変ですね。
シナリオ 温泉 懐旧 無関心 最後に来たのはミクが生きていた頃。懐かしいな。/自分だけだと「ただ体の洗浄をするだけの場」としか思わない。

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
赫き剣 5 マイナーアクション 自動成功 自身 - 3 -
EAp45 [Lv*2]以下のHP消費/武器作成/ダメージ+[消費HP+8]
破壊の血 3 マイナーアクション 自動成功 自身 - 2 リミット
EAp51 《赫き剣》で作成する武器のダメージ+[Lv*3]とガード値+5/HP消費-2
C:ブラムストーカー 2 メジャーアクション シンドローム - - 2 -
p169 C値[10-Lv]/下限7
鮮血の一撃 4 メジャーアクション 〈白兵〉 対決 - 武器 2 -
EAp47 判定ダイス+[Lv+1]個/HP消費-2
渇きの主 1 メジャーアクション 〈白兵〉 対決 単体 至近 4 -
EAp45 装甲無視/HP回復+[Lv*4]
伸縮腕 3 メジャーアクション 〈白兵〉 対決 - 視界 2 -
EAp67 射程:視界/判定ダイス-[3-Lv]個
ジャイアントグロウス 1 メジャーアクション 〈白兵〉 対決 範囲(選択) 武器 5 100↑
EAp69 範囲(選択)/ダメージダイス+2D10/シナリオLv回
怒涛の大蛇 1 メジャーアクション 〈白兵〉 対決 シーン(選択) 視界 4 リミット
HRp80 《伸縮腕》と使用/シーン(選択)と射程:視界に変更/シナリオ1回
デビルストリング 1 オートアクション 自動成功 単体 視界 6
EAp68 オートアクションのエフェクトを打ち消す/「制限:-」以外のエフェクト&エネミーエフェクトは×/シナリオLv回
デモンズウェブ 2 オートアクション 自動成功 単体 2
EAp69 ダメージを[Lv+1]D10点軽減/ダメージ算出直後に使用宣言
瀉血 1 常時 ブラムストーカー - - - -
EAp55 血液を排出して美しい容姿と健康を保ち続ける。
かしずく歯車 1 メジャーアクション ブラムストーカー - - - -
EAp55 心臓の動きをコントロールし、血液の流れを制御することによって精密な作業を迷うことなくこなす。
ブラッドリーディング 1 メジャーアクション 〈知覚〉 単体 至近 --
EAp55 血や体液から情報を読み取る。性別、年齢、そのとき抱いていた感情などを看破できる。

コンボ

死神の仕事道具

組み合わせ
赫き剣
タイミング
マイナーアクション
技能
難易度
対象
射程
侵蝕値
3
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
8+消費HP

血で鎌を創る。
攻撃を受けていればその傷口を開いて創り出す。
無傷であれば自分で腕の皮膚をナイフで裂いて創り出す。
その光景を見るのはあまりおすすめしない。
Lv1で9~10、Lv2で9~12のダメージ固定値が可能。

「お前を殺す」

組み合わせ
ジャイアントグロウス以外
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
視界
侵蝕値
14
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
79%未満
6+5
8
5
8+消費HP
80~99%
6+5
8
5
8+12+消費HP
100%以上
6+6
7
5
8+16+消費HP

変幻自在の鎌で単体の敵を貫き、そこから、水分を媒介としたエネルギーを吸い上げる。
離れた敵にも届くが、操作精度は落ちる。

「皆殺す」

組み合わせ
全部
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
範囲(選択)
射程
視界
侵蝕値
19
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%以上
6+7
7
5
2D10+16+8+消費HP

変幻自在の鎌を巨大化させることで一網打尽が可能となった。
そこから、水分を媒介としたエネルギーを吸い上げる。
離れた敵にも届くが、操作精度は落ちる。

一般アイテム常備化経験点種別技能解説
コネ:UGN 1 コネ 〈情報:UGN〉 《情報:UGN》判定ダイス+2個
思い出の一品 2 その他 《意志》判定固定値+1

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
20 9 221 0 0 250 0/250
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

色白
誕生花

カタクリ「初恋」「寂しさに耐える」

▼プロフィール

UGN武上支部のエリートエージェント。
黒を基調とした装いに、物静かな佇まい、どこか薄ら寒さを纏う雰囲気から、畏怖の念を抱かれることが多い。
必要以上の協力を求めない姿勢は頼もしくもあり、近寄りがたくもある。
また、個人情報を滅多に口にしないことと、中性的な容姿から、ミステリアスな印象もある。
「あの人すごい優秀だけど怖いんだよね……」
「まぁあんなことがあったから仕方ないとは思うんだけどさ……」
「また死んだのか。可哀想に。“死神”と一緒になったのが運の尽きだよな」「おい」
「なんだよ、ホントのことだろ?」
──最近、死神の周囲には可愛らしい少女と少年がよく居る。

▼オーヴァードとしてのスタイル

戦闘に長けた白兵型オーヴァード。
血で作った鎌を、必要に応じて拡張している。
素手か鎌で触れたところから生命エネルギーを吸い上げることができるため、個の生存能力が並のオーヴァードよりも高い。
ユキとともに任務に出たチームはユキ以外戦死するという噂から“死神”と呼ばれ疎まれているが、高い生存能力の裏返しでもある。
しかし親指の爪を噛みながら、効率の良い殺し方を考え静かに呟く様にはぞっとする寒気を覚える。

▼コードネーム

ケール(古希: Κήρ, Kēr)は、ギリシア神話に登場する女神あるいは悪霊である。
翼を持ち、黒色で、長い歯と爪が長く、死体の血を吸う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%AB_(%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1)


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▼キャラ造詣について

一人称は、少女時代は「俺」。
ミクと日々を過ごし始めてから「私」になるが、取り繕えなくなると「俺」になる。口癖のような感覚。
親指の爪を噛む癖は愛情の代償行為。
ミク(後述)と出会ってからはネイルをつけてもらっていたため、しないよう心掛けていたものの、長年の癖は抜けず、ネイルをしなくなってから少し戻ってきている。やってしまってる自覚はある。
生命力を吸収していたことから死神呼ばわりが始まっているが、元々不運体質な面もある。
ミクと出会ったときにもラッキースケベのような出会い方なのはそのせい。
他にも外を歩いているとたまにボールが死角から飛んできたり避けた矢先に水を被ったりすることがある。
諦観と元の人柄もあり、不運なことが起こったからといって取り乱すことも怒りをぶつけることもなく、至って平静。
周囲に居た誰かが心配して声を掛けると「まあ、私は大丈夫なので」「あなたじゃなくてよかった」と言う。
ユキと長時間一緒にいれば一度はこの不運に遭遇するため、任務をともにして死んだ者たちからのユキへの心証は悪くない。

▼ライフパス&ロイス非公開箇所

名前 三枝幸(サエグサ・ユキ)
性別 女
探求 現実逃避がてら殺し方を考え続けて覚醒。
恐怖 攻撃的な行動に出がちになるが、恐怖に揺らぐ心を隠すためのもの。
疎まれた子 世継ぎ問題のせいで男として育てられた。女に生まれたことを疎まれた。
永劫の別れ ずっと一緒に居てくれたひとを亡くした。初めてのことだった。傷はまだ癒えない。

コバルトプラン
三枝未来 幸せだった。本当に。/殺せていたらよかった。躊躇わなければよかった。
伊比津美摘 いつもお世話になっています。/シナリオ本編が始まったら猜疑心になります。なぜ黙ってた?という。
RHOインディゴ 殺す/殺す殺す殺す殺す殺す殺す絶対に殺す

パーフェクトグレイ
三枝未来 変更なし
伊比津美摘(“和御魂”と“荒御魂”) いつもお世話になっています。/隠し事をする人なんだなという感じで少し信頼は落ちた。
NHO 山田餓狼丸 P同情/N猜疑心 可哀想に。/なんだその首輪。
RHO 日々出晴英 P親近感/N不安 性格は違うが、どことなく似ているものを感じる。/上手くやれるか案じている。

▼人生

▼出自(0〜11歳)
子宝に恵まれなかった片田舎の名家で生まれた女の子。
世継ぎ問題のせいで男として育てられた。戸籍も男。
旧名「高取優貴斗(タカトリ・ユキト)」。
優れていること、貴いことを要求されての名である。
小学校に上がる年まで一歩も外へ出されず、跡取りになるための“教育”を受けた。
事情を知らない親族からは、「嫡男の死」を望まれ続けた。
その一方で、事情を知る者からは「女として生まれたこと」を疎まれ続けた。
そのため性自認は、皮肉にも「女」だった。
女子の中でも背は高い方だったため、小学校でも疑われることはなかった。
しかし第二次性徴期が訪れた11歳のとき。
身体変化にいよいよ誤魔化しが難しくなってきたことで、「あの女が孕めないならお前が孕め」と祖父や実父らから犯されそうになる。
本能的忌避感から全力で抵抗。
その後、何度か屋敷の地下牢に軟禁された。
聞こえてきた噂話によると、嫁入りしてきた母は新たに子を産めなかったことで叱責され続けて精神を病み、単身で家を出たもののストレスで衰弱死したらしい。もうずっと前の話だ。会ったこともない。
助けてくれる人間なんてどこにもいない。
出て行こうとしてもどうしても追いつかれる。
何処にも行けずこのままなのかと辟易した。
身体は服に隠れてアザまみれになった。
心は、呪いに蝕まれた。

▼覚醒(11歳)
(どうやって殺そうか)
(どんなふうに死んでくれたらいいだろう)
頭を占める思考はそれだけだった。
(頸を斬って殺そうか)
軟禁されてからの、現実逃避のひとつだった。
(頸を絞めて殺そうか)
何度も何度も夢想した。
(水に沈めて殺そうか)
死ねばいいのに。
(火をつけて焼き殺そうか)
“わたし”に“おれ”に触れる殴る蹴る奴ら。
(財を命を尊厳を全部奪って殺そうか)
みんなみんな死ねばいいのに!
(殺殺殺殺殺殺殺殺殺)
──追い詰められた末の願望で覚醒に至る。

▼無知の能力(11〜12歳)
嫌いな人間が死んだ。1人、また1人。
そのたび身体の痛みが軽くなるようだった。
食事も治療も最低限だったというのにだ。
……なんとなくわかってきた。
自分に触れた人間が衰弱死していくということ。
そうすると身体が軽くなり、傷も薄くなること。
それはつまり──触れた人間の命を吸って糧にしているということ。
一族の人間にもなんとなく勘付いた人間が居たらしい。
ある時から「死神」と呼ばれるようになった。
勘当された12歳のある日。
金銭と着替えを持ち出して、屋敷中を歩き回り、すべての人間に触れてから家を出た。
後に聞いた風の噂によると、高取家は滅亡したらしい。
全員衰弱死したのだとか、死神の祟りにあてられて争い合ったのだとか。
何にせよ、多くを殺した事実には違い無かった。

▼裏社会へ(12歳~14歳)
知らない場所を目指して歩いた。
そうして街に出たものの、行く宛は無い。
彷徨って裏路地に身を落ち着けていると、妙に横暴な男たちが声を掛けてきた。
所謂ヤクザだが、軟禁されてきたユキには知る由もない。
服を掴まれ、家での実父らが過り、反射で手を掴んだ。
そこから生命力をぐんぐんと吸い上げると、触れた男は悲鳴を上げて気絶した。
男たちは恐れおののき逃げ去った。
近付けば生命力を吸われ、銃で撃たれても死なない。
そんなバケモノは、ここでも「死神」と呼ばれた。
「お前が“死神”か? 頼みたい仕事があるんだが、引き受けちゃあくれないか? 報酬はこのぐらいだ」
どうやらこの場所では、命は金銭と引き換えで、このバケモノは人を殺して生きることができるようだと知った。
そうして得た金で廃墟に居住まいを作り、ひとり暮らしていくことができるようになった。
年端もいかない少女を誰も招き入れなかったのか?
彼女は少年に見えることもあった。
何より──“死神”を招き入れたがる者はいない。

▼転機(14歳)
路地裏に駆け込んできた少女がそのままユキにぶつかり、ユキが下敷きになる形で倒れた。
「いったぁ~い!あっ、大丈夫!?」
「…………、…………」
しばし、目を奪われた。
きらきらしている女の子。初めて見た。
その可愛さに、言葉を失っていた。
思えばこのとき既に──彼女に惚れてしまっていた。
彼女は何者かに追われていたようだったが、追手はユキを見るなり「死神だ」と恐れ慄き逃げていった。
ひとまず匿うために住まいへと案内する。
思えば他人を連れ込んだのは初めてだった。
そのときにも手を繋がれた。初めてだった。
その少女は「ミク」と名乗った。
ミクに名前を聞かれ、自分の名という感覚さえ薄いながらに「ゆきと」と答えたが最後掠れたようで、以降「ユキ」と呼ばれるようになる。
死神と呼ばれていることについて聞かれ「俺といると、死ぬから…?」と答えるとミクは怒った。
「はぁ!?なにそれ!ユキに失礼じゃない!」
初めて言われた言葉にまた言葉を失ってしまった。
「なに?」
「あ、いや……君といると、初めてだらけだ。俺が怖くないの?」
「そりゃ、あたしは“特別”だからね!」
「?」
ミクに裏路地の道案内を頼まれ同行するも、敵の本拠地に確信を持ったミクはひとりで行ってしまう。
なんとなく気になり後を追うと、そこに居たのは銃を向けるも悪戦苦闘しているミク。
守りに行き傷を負う中、彼女を死なせたくない想いから、初めて思いっきり人を殴った。
気が付けば、流れ出た血を拳に纏っていた。
「これは……?」
「ユキ、その能力って……!」
ユキはそのまま敵を殺した。
自分が殺害するつもりで来ていたミクは、無関係だった一般人のユキに、殺めさせてしまったことから謝る。
ユキにはそれがわからなかった。数えることをやめるくらいには人を殺して、生きてきたからだ。
ここが裏社会という世界であることを考えれば、ユキの渇いた生死観に何ら不思議はなかった。
だから一度差し置いて、助けてもらった礼を告げて。
そしてユキの能力がオーヴァードのものであること、レネゲイドについてなど、ミクからユキに説明した。

▼世界を知る(14歳)
死神のくだりでレネゲイドを疑わなかったのは、俄に信じがたいことだからだ。
どう見ても明らかに孤立している子供が、UGNの息のかかってないこの場所で、力の制御も何も教えられずに自分を保てているなど、信じがたかった。
けれど聞けば、一緒にいると死ぬという噂の一端には、触れた者から生命力を吸収して回復できる能力が存在していた。
つまり、ユキは既に立派なオーヴァードだったのだ。
呆れるほどの生存本能だ。
保護またはイリーガル登録を勧めるが、ユキはいずれにも首を横に振った。
ただ生命力を吸収するだけでなく、まわりでは不幸なことが起きていて、“幸せに”“生きる”人間を見たことがなかった。
それは自身が不幸にする、あるいは死をもたらす存在だからなのかもしれなかった。
立証しようもないが反証しようも無い以上、ユキにとってそれは世界の真実だった。
「俺はここでいい」
だから君は幸せに生きて、と。
その幸せが、俺には想像できなかったけど、わからないけど、それはきっと“見たことがないくらい”素晴らしいものだから。

▼勧誘と共闘(14〜15歳)
以降、ミクはたびたびユキの前に姿を現しては任務を手伝わせた。
どんどん強くなる様を見せて、こう言った。
「あたしは死なない」
「一緒に居たって、死んでやらないわよ」
そう言って、躊躇いなく手を繋ぐ。
「だから、幸せがわからないなんて言わないでよ」
「誰だって幸せになれるし、なっていいんだから」
「わからないなら、あたしが幸せにしてあげる」
「あたし、ユキのこと好きよ」
とくん。
自分の心臓の音を、初めて聞いた気がした。
「だから、遠ざけないでよ。一緒に居させてよ。ユキが怖くないように」
死神は、人生で初めての涙を流した。
本当は、ずっと怖かった。
力を使うから怖くなるのか、怖くなるから力を使うのかわからなかった。
ただもうずっとずっと怖がっていた心を、初めて誰かに預けたんだ。


▼改名(15歳)
イリーガル登録のために必要な情報を紙に書く。
「ずっと気になってたんだけど、ユキって男の子?女の子?」
「…………」
「あ、どっちでもいいのよあたしは。あたしはユキのことが好きなんだから、どっちでも変わらないと思う」
「……そう」
「でもさ、ほら、初めて会った時にぶつかったじゃない?格好と雰囲気は男の子みたいだったけど、胸のとこ……ちょっと柔らかかったから……女の子かな……とも思ったんだけど……」
「ああ……、女だよ。ちn」
「こらこらこらこらっ!つ、ついてないってことでいいのよね!?」
「ついてない……ね」
「わ、わかった。でもじゃあ、なんで男って書いてるの?名前のとこも、『高取優貴斗』って……男の子の名前じゃない?……性転換手術でもしたの?」
「これが俺の名前だよ。性別も、戸籍のまま書くとこうなる。女だといけなかったから、男として生きろって」
ミク激怒。
ユキの響きはそのままに「幸」と改名。
「幸せになるのよ」と言い切るミクに、ユキは笑った。
性別欄にも「女」と記載。
名字はひとまずミクと一緒。
「三枝未来」がミクの名だと、初めて知った。
これからたくさん知っていこうとお互いに笑った。
支部長・伊比津美摘と初めて会ったのもこの時期。

▼学校へ行くミク、死神のユキ(15〜17歳)
ユキは死神のまま仕事を受けながらイリーガルとしてミクを手伝っていた。
鎌での攻撃はミクの発案。
学校への潜入任務を始めたミクが勉強道具を持ち込んで勉強していることが度々あった。
メイクをしてみたり、着飾ってみたり、日々楽しそうな彼女を見れるだけで満たされるものがあった。
爪にネイルを施されて「噛まないようにね」と言われもした。
殺し方を詰めると爪を噛む癖を少し改めた。
しばらくミクが来ないことがあった。
忙しいのだと思い、気にしないようにしたが、後から聞くと命の危機だったらしい。
仕方のないことだがせめて、彼女が危ないときに他の人から真っ先に連絡してもらえるような関係になりたいという想いが生まれた。
「じゃあ結婚する?」
まあ女の子同士だとできないんだけど、と笑う彼女の手を取って「できなくても、一緒にいたい」と告げた。
ユキはすっかりミクに絆されてしまっていた。
ミクも頷いた。恋に結婚にと夢見ていたことをユキが全部叶えてくれたのだと言った。
ミクの高校卒業までを目安に裏稼業から足を洗うことを決めたユキは、自分にもできそうな表の仕事を探した。
「支部長。仕事、探してる……んです、けど。何か、ない……ですか?」
いくつか紹介されたものを見て、葬儀屋勤務を決めた。
生きている人間と長く一緒にいたら不幸にしてしまうかもしれないから、死者相手の方が安心する……そんな拙い理由だった。
葬儀の仕事は精神を削られる仕事だが、死に慣れすぎたユキにとっては皮肉にも天職であり、顔色ひとつ変えずに仕事をこなした。
そしてミクの卒業と同時に新居に一緒に住む。

▼幸も不幸も分かち合う日々(18~21歳)
ミクは器用にいろんな仕事をこなしながら、ユキは葬儀屋で黙々と働きながら、ふたりで暮らしていた。
この頃からレネゲイドビーイングなるものの存在が囁かれてきたが、ふたりに出された任務は対人間が主だった。
任務のために人を殺し、他者から幸福を奪うこともあった。
そのときはすべてユキが手を掛けて、そのたびミクが謝った。
「気にしなくていい」と言っても「ううん、一緒だよ」と握った手は震えていた。
「あたしたち、いつか裁かれるかもしれないね」
それでもずっと一緒だよ、と手を握るミク。
おかしなことを言うと思った。
裁かれるのは私だろうに、と。
葬儀屋をしていて思うこともあった。
生前の綺麗さを保つ遺体は存外に少なく、……ならば、自分が死んだときはどうなるだろう。
想像はできないけど、少なくともまともな死に様にはならないだろう。
ミクもいつか死ぬのだろうか、ともぼんやり考えたけど、想像できなかった。
ただ、綺麗だったらいいなと思った、けれど……できれば私より後に死んでいてほしいと思ったから、それ以上は考えなかった。
帰る場所があって、帰ってくることができるということ。
それだけで、幸福だった。
幸福も不幸も分かち合って生きていけることが、何よりの喜びだった。

▼幸せが壊れた日(21歳)
ある任務でレネゲイドビーイング“インディゴ”を殺した、はずだった。
だがどういうわけか、あの蒼い眼が。
(なぜ生きている?確かに殺したはずなのに。殺せていなかった?いや、それよりも、それよりも!)
あの蒼い眼が──ミクに取り憑いた。
蒼い眼に取り憑かれた者は誰一人として逃れることなく、もがき苦しみ、死に至る。
だからすぐ殺らなければ、ならなかった、のに。
「ユキ……、……ころ……して……」
──いやだよと、応えたくて。
一瞬、躊躇ってしまった。助ける方法があるんじゃないかと縋りたくて仕方なかった。
そんなものはないのだと迷いを振り払い、殺らなければと鎌を握ったそのとき。
ミクが、銃口を自身に向けていた。
「……ごめんね、ユキ。ずっと好きよ」
「や────」
銃声が響く。一、二、三……。復活する余地が無いほどに撃ち続けて、そして彼女は血の海に倒れた。
「ミク!!! ミク!!!!!」
「わはは!いい顔だぜ、その顔が見たかったんだよなァ~?」
ミクから逃げ出した“インディゴ”が嘲笑う。
「冷血無慈悲な“死神”も弱みを突けばこの通りってなァ~~ハッハ!人間ってのは弱くて愚かだよな!」
そのまま消えゆく“インディゴ”に、理性ではなく死神の本能から無意識にこう云った。
「殺す、殺す殺すお前を殺す切り刻んで殺す突き穿って殺すそれじゃ足りない絶対お前を殺す方法を突き止めて殺す殺す殺す殺す殺す後悔するほど殺し尽す」
「“次”は“絶対殺す”」
死神の吐息は虚空を漂うのみ。
あとに遺った愛しき亡骸を抱き締めて、死神は人生で二度目の涙を流した。

▼ミク死亡後(21歳)
………………………………………
どうして「ごめんね」なんて言ったの?
ミクが謝ることなんて無いのに。
私が、殺るべきだったのに。
………………………………………
まったく立ち直れない中、それでもミクの死化粧をした。
せめて自分の手で彼女を綺麗にしたかった。
普通に憧れた彼女を普通に弔うために、簡単になるが葬儀を開き、墓を用意した。
それらがすべて済んでから、UGNエージェントに志願。
「ごめんなさい」
「私がかわりに頑張ります」
「……なれないかもしれないけど」
「私のせいで、ごめんなさい」
優秀なエージェントだったミクを亡くしてしまったUGNへの償いとして。
そうでもしなければ、自分がいま生きている意義を見出だせなかった。
あの日を繰り返さないため、誓いを立てた。
▽忌々しいレネゲイドビーイングなどと二度と関わらない(関わりたくもない)
レネゲイドビーイングなんていう、生態も殺し方もわからないものなんか、まともに相手していられるか。
関わるときはきっと、殺す時だ。(なお本編)
▽馴れ合わない
ミクにあんなことをさせてしまった。
自分が殺れば苦しめずに済んで、“インディゴ”も今度こそ殺せたかもしれないのに。
だから、次は絶対殺す。
一瞬を逃さないために、迷わないためには。
・どれだけ強い相手でも殺せるように強くなる
・どれだけ大事な相手でも殺す
・心を誰にも預けない

▼現在(24歳)
UGNでも「死神」と呼ばれた。
必要時以外は同伴者を断り、必要時も最低限しか関わらないようにした。
──私のせいで死ぬ必要など、どこにもないのだから。
ミクが居た場所に独りで立ち、思い出と喪失で今日もミクを思い出す。
私もだいすきだよ、ミク。




▼Dロイス“生還者”
破壊力を上げるたび、レネゲイドに蝕まれる感覚がする。
何度も死の淵に立った。
そのたび、ミクとの出会いが、繋いでくれた手が、いつも“私”を“俺”を繋いで、離してくれない。
──そうだ、まだ遂げてないことがある。
こうしてユキは生還する。……たとえ周りが全滅しても。

▼ミクへの恋心と性自認について
性自認は良くも悪くも女。
ただ性愛対象はガバガバ。
実家に居た間、男も女も関係無く疎み疎まれた反動で、好きになるのに男も女も関係無かった。
思春期の年齢で、初めて会ったミクが今まで見たことないくらい愛らしくて輝いていたので、一目惚れしてしまった。
それまで自分含めて誰が生きて誰が死んでもそこまで関心は無かったが、ミクが死ぬかもしれないと思ったとき初めて「なんかいやだ」と思った。
死神の謂れや生い立ちを聞いて普通に怒り変わらず接してくれるミクのまっすぐさと明るさに、更に好きになってしまっていた。
遠ざけようとしたのは、初めて「幸せでいてほしい」と願ったから。自分といたら不幸になってしまう。
そうしたらミクが強くなってきて「死なないからあたしと一緒にいて」「幸せにしてあげる」と言われたのでもうこんなのむりです。

あの日会った君があまりにも普通の女の子だったから、“俺”は“私”は救われたんだ。
ミクが手を繋いでくれたところから、ひとのかたちになった気がした。

▼好きなもの
ミク

▼嫌いなもの
幽霊、レネゲイドビーイング(生態も殺し方も不明瞭だから)

.

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 30
1 6/27 コバルトプラン 28 薫さん
2 7/3 パーフェクトグレイ 32 薫さん
3 8/3 アウトサイダーアクシズ 30 薫さん
4 1/26 湯煙デイズ 16 薫さん

チャットパレット