容姿・経歴・その他メモ

母親は結構詐欺師だった。
父親にも実の息子じゃないと捨てられた。
母親は多額の慰謝料請求に追われ、俺の養育費だけで家庭は回っていた。
俺はスーパーの残飯で腹を満たし、公園の水道と学校の盗んだ石鹸で体を洗い、
仮面の笑顔で仲良くなった近所のおばさんから服を貰い生きてきた。

母親は、そのうち警察に捕まった。
そして、その警察官がオーヴァードというものを研究していた組織だと聞かされた。
確かに俺は教科書を見れば定期テスト何て楽勝だった。
まぁ、そしたら生意気だといじめの対象になったが。

まぁ、そうしていきなりあの毒親に離れることが出来た。
やっとまともな人生を歩めるチャンスが来たと思った。
しかし、どれだけ自分が努力しても、天才・秀才・鬼才には敵わなかった。
生まれつき良い家庭に生まれ、親の理解もあり、上層部へのコネもあり、優秀な能力を手にしている人物には。

だから焦った。こいつに負ければ俺の人生は結局生まれで決まるものだと思ったから。
しかし、焦りが招き寄せたのか、俺についてきてくれたくれた部下を全員失う失態をした。
俺の采配のミスだ。俺が功を焦ったからだ。俺は人の上に立てるような立派な人間ではなかったのだ。

だから裏役として生きていこうと決めた。
しかし、どんな皮肉か、俺がUGN支部長の代理が決まった。
...もう、今更どうでもいい。

こんな何万世紀から続く弱肉強食の、更にそれが世間には認められない社会に身を置いてしまったのだ。
どれだけ社会の為身を粉にしても、俺がヒーローになることはない。
仮の据え置きのUGN支部長となった俺は今日も書類をサッサとかたずけパチンコや、酒、キャバクラに金を突っ込む。

それでもFHに所属しないのは親への反発心なのだろうか。
こんな俺でもまだ社会の為の役に立つのだと証明したいのだろうか。
そんな自己顕示欲だけが膨らみ、それを一時の快楽で忘れる。


「...へぇ？　こんな俺が前線に立たなきゃいけないような事件が起こったのかよ。
　　　んじゃ、無能なりに頑張りますか。」

そういって彼は自分が広めたダストマン（塵となった者）という不名誉を背負って、
死地を探すのだ。

人の人生は遺伝子と生活環境と本人の意思で決まるという。
じゃぁ、どれだけ頑張っても俺は真の正義の味方にはなれねぇんだなぁ。

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