容姿・経歴・その他メモ

人々の平和を願う概念が形となって、この世界に生まれ落ちたレネゲイドビーイング。

しかし概念があやふや過ぎて明確な形がなく、彼という存在は不安定であった。
故に、彼は平和とはなんなのかという実感を得るため、人間を調査することにした。

その辺りを歩いて調査してみたり。新聞やテレビから情報を探ったり。
時には直接聞き込みをしてみたり。

『あなたにとっての平和ってなんだと思いますか？』

変な奴だと思われた。

ならば方向性を変えよう、そう彼は思い当たる。
何が平和なのではなく、逆に何だと平和ではないのか、ということだ。

調べてみれば、人は不自由や理不尽を感じた時に平和でなくなるようだった。

分かりやすいのは争い、とりわけ暴力だ。
殴る人間はともかく殴られる人間は平和ではないだろう。

ただそんなに単純なものではないようで、例えばスポーツの争いは例外らしい。不思議なものだ。

そして調査を進めると、一度定義した平和も崩れてしまう。
その人にとって平和でも、別の人にとっては違う場合があるからだった。

お前が存在しなければ平和だなんて言われたら、その人は死ぬしかないのでは？みたいな。
極論、人類が皆死ねば平和な状態になるんだろうけど、大前提が間違っているからナシにして。

それらを総括して考えた時、実現するのは無理そうだ、と彼は悟った。
けれども生まれ落ちた意味がなくなってしまうので、彼は平和の落とし所として、ほどほどな実現を目指すことにした。

別に完膚なきまでな平和を目指さなくて良いのだ。
平和が失われてしまった時、その問題を解消すれば再び平和な状態に戻るだろう。

そう考え、彼は警察官を目指すことにした。

「学歴がないので採用試験は受けられませんね」

残念なことに、彼は学歴を持たなかった。
そして、学歴や資格がなくても目指せる探偵になったのである。

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