井之上 弾太(イノウエ　ハジケタ)は戦国時代の武将・真田信繁が擁する真田十勇士の一角、筧十蔵の一番弟子であり、真田軍鉄砲衆の百人長を務めていた。生まれは享禄二年(1527年)、まごう事なき武家出身の侍であり、現代まで尚生き続けた時の旅人である。

勿論、単純な寿命の長さで生き永らえているわけではない。井之上 弾太はかの大戦「大阪夏の陣」にて真田隊と越前・松平隊との合戦に従軍し、疲弊した真田隊の撤退時に殿を務めた。彼の最期は松平隊の多くを道連れに、大量の爆薬を使い自爆。死に華を咲かせ真田家栄華の礎となる……はずだった。
彼は自爆の際、オーヴァードに覚醒する。レネゲイドウィルス作用による超回復と「自爆をする度、寿命が１年増える」特異体質を得て復活した。当然、当時の戦国時代にはオーヴァードの知識など存在せず。殿を務めたにも関わらず戦場から生きて戻ったこと、何度死亡しても死なないオーヴァードの異能、極めつけは主上・真田信繫の討ち死になどの要素が重なり、井之上 弾太は真田家を追放、世捨て人となる。

自らが死の華を咲かせるに相応しい戦場を探し、傭兵紛いの事をしながら戦場を転々とする内……戦国の時代は終わり、日本は泰平の時代を迎える。しかし、天下統一が果たされたとはいえ、この世から争いを根絶することは不可能に近い。井之上 弾太は小さな争いの火種を嗅ぎつけては参戦し、勝手に奮戦したのち勝手に自爆することを繰り返していた。(世界大戦が勃発してからは時たま出国し海外の戦場にも足を運んだ)
そうして自爆と延命を延々と繰り返し……気が付くと、町の明かりは提灯から発光ダイオードに、駕籠屋は失せ数万の鉄の箱が走る、令和の時代となっていた。

UGNが発足してからは、どうせやることも無いに等しい為協力している。支部長の立場には置かれているが、半ばお飾りに近い。事務仕事や人事調整は部下に任せ、(出動が無い時は)自分は日がな毎日のんびり、銭湯のお湯に浸かっている。(自らのUGN支部を表向きは銭湯として営業させている)

任務時は侍だった頃の名残で太刀をぶら下げているが、本人に剣術の心得は全く無い。どちらかというと、真田家鉄砲衆頭目・筧十蔵仕込みの砲術と爆薬の扱いが得意。特に爆薬の扱いの腕は筧十蔵にも迫ると師にも認められ、「筧相違」(筧と相違うこと無し)の性を賜る。また、大阪夏の陣に於いては豊臣全軍撤退の折、追撃を仕掛ける伊達政宗隊をその爆薬で退け、戦場に広がる爆炎が牡丹の花のようだったことから主上・真田信繫より「牡丹」の性を賜る