開始日：2021/11/3

神社の息子。
高校3年生。

神社に祀られていた『御神体』と呼ばれる鉱物が実は賢者の石だった。
1年前のある夜、それを盗みに入った不審者と遭遇。追い払おうとした際、偶発的に『御神体』を体内に取り込んでしまい、覚醒。

賢者の石の位置は胸部。外側からは見えない。
不審者との遭遇時に負傷した胸の傷を塞ぐかのように埋まってしまっている。
コードネームはそんな彼の状況を「蠍座の心臓」こと一等星アンタレスになぞらえて名付けられた。

賢者の石の侵食とブラム＝ストーカー系統の能力の影響で身体的に制御が効かない時がある。
周囲には「神社での事件の後遺症もあってちょっと病気を抱えている」という事にしている。

体重が安定しない。
普通の人間としての生活に加えて、再生や血液操作の能力で一時的に変動している事が多いため。
（覚醒前の）元々の体重が70kg程なので、その近辺が基準値。

中1の弟が一人居るが自分がオーヴァードだという事は隠している。
自分の問題に巻き込みたくないからである。

★時系列
レネゲイドウイルスに感染（無症状の潜伏期間）
→不審者（正体不明）神社に来る
→御神体を物色中に掃除に来た秋斗と遭遇
→対峙中あるきっかけで賢者の石が秋斗の体内に
→不審者を返り討ちにするが覚醒と賢者の石の反動で秋斗も倒れる
→物音を聞きつけて駆けつけた弟が通報
→警察と病院からのタレコミでUGNと接触
→オーヴァードとしての活動を「事件の後遺症で通院治療を受けている」という事にする

【後日談：本人への聞き取り調査】

Q:例の事件以降何が変わった?

「全体的には気楽になりました。
遙斗にオーヴァードとしての事情を隠す必要が無くなりましたから。
今回の件では、『遙斗には記憶処理をしない方が俺の負荷が減る』と判断されたみたいです」


Q:身体の調子は？

「賢者の石特有の影響は無くなりましたね。
それでも、一般的なオーヴァードの範疇の侵蝕は残っていますが。

それと……身体の調子、という訳ではないですが、
伊吹と意識を共有していた名残で、あいつ自身が持っていた記憶や感情も覚えています。
お陰で、浅海井先生の昔の話もよく分かるようになってしまいましたね。

……もちろん、覚えていても、俺はもう、それに囚われたりしません。

……そういえば、伊吹が消えてから、何故か血の扱いというか……動き？が良くなってしまったんですよね。
血の量は変わらないはずなのに、威力が増しているというか。
……やっぱり、あいつに喰われてた影響が残ってるのかな……？」


Q:生活への影響は？

「当面は体調面の経過観察も兼ねて、監視が付くそうです。
監視と言っても、『また一人で抱え込まないように相談相手を増やす』という理由で、支部の皆さんが持ち回りで家に来てくださるという話なんですが。

……あれだけの事を起こしてしまった以上、当然ですね」

と、彼は少し嬉しさが混じったような苦笑いを浮かべる。


Q:空き時間は何してる？

「相変わらず料理の作り置き……でしょうか？
遙斗も学校の事で忙しかったりしますし、俺もUGNの任務自体は今でも受けていますから、煮物とか揚げ物を用意していた方がお互い助かるんです。

後は……そうだ、遊びに出かける頻度は増えましたね。
この3年間は、余計なトラブルに巻き込まないように色々と控えてましたから」


Q:今後の予定は？

「大学3年ですし、そろそろ就職の事も本気で考えないといけなくて。
元々負担の少ないUGN系列の企業を探していたんですが、今回の件をきっかけに、『UGN内部で講師をしないか』という話が来たんです。
俺のこの経験は貴重なデータだから、って事みたいですね」