訓練が終わり、屋敷に帰る前。毎日毎日、しつこく絡んでくる男の子が居た。最初は関わりたく無いという一心だった。ただ、彼にとってはずっと一人で居る私が気になったのか、幾ら遠ざけても私に話しかけるのを止めることはなかった。

話してる内に彼は悪い子ではないということがわかった。寧ろ良い子なのだろう。良く考えてみればわかる事だ。力をうまく制御できず、いつも一人で居る私が、周りからどのように見られているかは知っている。

いつの間にか、彼と一緒に居る時間が私の一部になっていた。もっと話したい、もっと知りたい、もっと遊びたい──。彼と話していると新しい感情が湧き出てくる。

彼とバディを組む事になった。UGNチルドレンは基本的にバディを組んで訓練や任務にあたるらしい。私もようやく教官から認められたのだ。ここまで私が頑張れたのは彼のおかげだ。折角彼とバディを組めたんだし、これからは私が与えられた分を彼にちょっとずつ返していこう。