以前は非常に裕福な家庭だったのだが、父親の事業が上手くいかなくなりそのままあれよあれよと倒産。一気に借金を抱えるまでになってしまった。
それにより現在は両親と小さな弟、まだ赤子の妹の5人で小さなアパートで身を寄せ合って暮らしている。今の家に越してきた最初の夜に母親が「家族が揃っているんだから、幸せだね」と言ったことをずっと覚えている。家族のことは好き。その気持ちに嘘はないが、小さな家で少ない食事を分け合い残りのお金を数える毎日は、正直幸せだと思えない。
生まれてからずっと恵まれていた分傲慢で強欲なところがあるが、円満に生きていくために聞き分けの良い無害な女として振舞っている。

覚醒したのは二十歳になった頃。昔父親の秘書をやっていた人物が事業に成功したという話を耳にした際、堰き止めていたものが崩壊した気がした。何故自分はこんなにも惨めなのに、少し前まで近くにいた人物は成功しているのか。本当なら今頃、自分こそが満たされているべきはずなのに！
覚醒時、幸運にも近くにUGNエージェントがおり、一旦保護。UGNに務めることも考えたが多忙になると家族に会えなくなりそうで嫌だったため、保護してくれたエージェントの紹介でフリーランスのオーヴァードが経営するケーキ屋で何でも屋として身を置くことになった。ケーキ屋の収入はそこそこだが、何でも屋としての仕事が発生するといつもより儲かるので助かっている。

レーヴ=夢
ヴェール=覆い、幕など
捲らないで、暴かないで、夢が覚めちゃう。