容姿・経歴・その他メモ

強い女だった。
争いを嫌い、平和を愛する女だった。
弱者を助け強者に立ち向かう女だった。
慈しみを忘れず万人に微笑む女だった。
己の弱さを認め、律する心を持つ女だった。

十万億土の果ての果て、たどり着くには遠過ぎる。

だから俺は決めたのだ。
せめて安寧を君に送ろう。
君がいつまでも笑っていられるように。

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「イフリートの腕」の遺産継承者サムイル・ソロモフはオーヴァードになる前から傭兵である。

高額な報酬を目的に仕事を選ばず行う人物であり、オーヴァードに覚醒した契機は遺産接触時、
遺物回収の仕事で来た遺跡にてイフリートの腕に接触し、感染し、そして所有者となった。

オーヴァードとなった彼の元には以前の数倍にもなる仕事が舞い込むようになった。
これよしと力を振るい、大きな富を得た。

彼はそのすべてを妻につぎ込んだ。
不治の病といわれ、延命治療をしながら最新の薬や機械を使い回復を願った。
多くを求めない妻ではあったが喜びそうなことは惜しみなく行った。

しかし妻は亡くなった。差し伸べられたのは救いでなく、死神の手であった。
仕方がなかった、死んでしまったらそれまでだ。

そう思った、いや思えてしまったのだ。

遺産の継承者は代償を求められる。
イフリートの腕は〈哀しみの感情を次第に失う〉のだ。

彼の人生をかけた願いはただの一言に収まった。


彼は現在は激戦区などの危険度の高い仕事を金額に関わらず請け負っている。
キュマイラ/モルフェウスの彼の戦い方はシンプルな暴力だ。
燃え盛る腕は彼の形貌を際立たせ、戦場では目立ちすぎる。
当然敵側は排除しようと集まる、がそれでいいのだ。

妻は戦争が嫌いだった。
そんな戦争に参加する奴らが天国に行ったらその顔が曇ってしまうだろう。
それは許せない、この世界で報われなかった妻にはずっと笑顔でいてほしい、そうだろう？

お前らが行くのは俺と同じ地獄だ。
「この｜地獄の門《オレ》と対峙するなら一切の希望を捨てろ」

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