ごく普通の成人女性。成績が悪い訳でもなく良い訳でもなく、部活もやるが成績が残るほどではなく、大学生となるまで本当に何事もなく生きてきた。人生で一番他人に注目されたのは小学生の頃に同級生に名前を反対から読まれ「｜来世《らいせ》　｜疎いな《うといな》」と言われた時だろうか。それも大して面白い反応をできなかったのですぐに飽きられたほどである。

　活動歴1年未満のVtuberであり一般人。喋りもゲームもうまくないので数に埋もれてあまり売れていない。Vのモデルはイブに似ている。歌配信などもしており、少しイブと歌声が似ているかもしれない。色々な出来事を配信に活用しようとしたり頑張っている。まだ19歳の時に行われた成人式にもあまり行く気はなかったが、ちょうどその時期に配信活動をすることに決めたのでこれは試しと行ってみた事がきっかけと言えるだろうか。ちなみに成人式は粛々と執り行われて久しぶりに同級生の顔を見て帰っただけなので配信で話されることはなかった。というか中身の年齢が割れるので言えなかった。

　1年ほど前に星羅の日常に異物が混じり込んできた。お風呂で歌っている時、気づけば横にそれは立っていたのだ。びっくりしてお湯をかけたら風呂場が真っ赤に染まり、恐怖で失神した。目を覚ますと部屋にいた。覚えがないのに服も着ている。夢だったのかと首を傾げようとする前に視界の中に”赤”が入り込んできた。「もう一度歌って」と言われた（といっても当時は覚えていない。後で聞いてみて確認したことだ）が、声が出るはずもない。なんとか声を絞り出した歌声は今までで一番ひどかったと言って間違いないだろう。そんな歌声を聞くとその赤は落胆した（らしい）。わざわざ色を変え形を変え、人の顔を模って泣いてみせる。生首なので怖かった。しかし、風呂で溺れかけた私を助けたと恩着せがましく言われて少し怒りに変わった。落胆する中にいい歌声だったのにとの感想が入っていたことは私の自己顕示欲を刺激した。恐怖以外の感情をのせた次の歌は多少ましにはなっただろう。

　その後、人に求められることが少なかった星羅はおだてられ、あれよあれよという間にVデビューしたのでした。勢いって怖いね。赤スパちゃんについては出会った当初は戸惑いもあったが現在はV活動の便利ツール程度に思って共存している。褒めてくれるし。
　プラネットラダーに行く日は赤スパちゃんの要望によって髪を銀に染めて三つ編みにしている。なんだかんだ髪を染める機会はなかったし、珍しい色に染めたことも配信の話のタネになればいいかくらいに思うところまで来た。

　赤スパの概念にレネゲイドが侵蝕して生まれたレネビ。イヴが死んでから新たに憑りついた一般人と共存している。憑りついたと言っても特に何もすることはなく、囲いを増やしたり、ポジティブな書き込みをしたり、時に自演と言われたりしている。
　基本的に人の形を取ることが出来るが、不定形であり、赤色の従者や人間の中に潜んでいることが多い。従者の立ち絵は赤髪海賊団。歌う時はウタちゃんになったりもする。

　イブが買った電子機器にレネゲイドの因子として眠っていたことから始まる。イブのレネゲイドに刺激を受けたことで自我を獲得し、配信の際に贈られた赤スパを概念として形を得た。配信の内容は星空を映し出すように上に向けたカメラと本人はほとんど映らずに聞こえてくる歌というもの。イブが最後にちらっと手を振りに上から覗き込むくらいはあるかもしれない。

　イブと会った時に命名されたのが赤スパからブラッディ銭湯。そこからふんわりとアシスタントとして配信にいるそれをブラッディ銭湯と呼んだら視聴者に馬鹿にされ、なんやかんやあって赤めのアシスタントという視聴者側のふんわり情報から葦ちゃんになった。