容姿・経歴・その他メモ

芸亭の頃から続く口伝の成れの果て
書物を集め、教えを集め、伝えていく最中に一人が狂った。
記憶や経験も伝えていけないだろうか…と
そこから子供に己の人生を伝えるようになった。
最初は親から子供へと…
でもすぐに伝えるための時間が足りないことに気が付いた。
だから分けることにした。
複数の子供に自分自身を分けて伝えれば集まれば自身が得たものは伝わっていると信じて。
そうして伝えた。
親から子供へ、そして孫へと…
ネズミ算式に子供は増え続け最初のものの思想など薄まり、読み取れなくなった頃…多くのものは夢から覚めた。
こんな劣化の多い方法は意味がないと。
戦乱で人が死ねば記録は失われる。
覚え損ねはそのまま損失へと繋がると
そして何より伝える時間が新たな知識を得る時間より多くては知識を探求できないということに…気が付いてしまった。
そうして一人が役目を止めると…後は転がる石のように、決壊したダムから水が溢れるように人は居なくなった。
喪われた記憶、方式、財産…あらゆるものが不足するようになった。
だからこそ自分達を守り続ける為に組織に属した
そうして組織の事を伝える装置となり自分達を続けていった。
ある時、一個体が記憶を仮想現実として追体験できる力に目覚めた
あらゆる問題が解決した。
知識や知見だけでなく体験として引き継いでいける
分割をしたあと統合することが出きる
全員が同じ体験をして同じ知見を持てる
全員がオリジナルであり、全員がバックアップとなった
珍しい経験を追体験し奪い去り己のものにできた
文字通り全てを経験できるようになった
そこからは記憶上は同一の複数個体が活動し、10年に一度あつまり互いの経験を共有するようになった
死にそうになれば新たな私達に死にそうな個体を上書きし記憶を続けていけるようになった
私達は、我々は、終わり無き知識や経験を蓄えられるようになった
こえして「始まりから終わりまで」全てを記録可能な装置である我々は阿吽から、そして始まりから名前をとり「いのうえ　うん」と名乗るようになった。

この個体は一族の娘の一人。
親の意識を塗りつぶし、自分の意識を上書きした…してしまった。
そうして……老獪さがなくなったことから別の阿に奪われ…奪われた先で…一目ぼれした
そうして彼女は狂い続ける。
死の恐怖から逃れるために

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