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△NPC

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光の力を収束させ弾丸として射出。光はまるで糸のように軌道を描いて飛び交う。威力に耐え切れず霧散した銃と弾丸の破片はその軌道の糸をたどり彼の周囲に張り巡らされる。
舞台は整った。風の力を操り糸を震わせ細やかな音を奏でる。ふわりと宙に浮くように飛び上がり、弦を弾くように糸を蹴り上げる。
戦闘中であろうとも彼の日常は変わらない。音楽の世界を作り上げる。自らの音を奏でる。奏でた音が見えない斬撃の音波となって敵を襲う。

カノン：バッヘルベルのカノンから。父親につけらてた
追葬曲：追走曲(カノン)より。名前で呼ばれないと反応できなかったため、名前をそのままコードネームにした。

『いちょう』/遊助
『アンコール』/YOASOBI

生まれながらのオーヴァード。しかしながら目立った覚醒の証拠は見つからなかった系男子。
ピアニストの父と作曲家の母の元生まれる。
幼い頃からピアニストに育てようという父の方針により虐待に近い教育を受ける。カノン自身音楽の才能はあったのか、幼い子供にしては十分な演奏を奏でられるようになるが、父の満足には至らなかった。
3歳の頃、父の友人のヴァイオリニストが家に挨拶に来た。虐待の痛々しい痕が残るカノンに同乗した友人は、カノンの目の前でヴァイオリンを奏でてくれた。その1回。
カノンは自分も引きたいと友人に練習用のヴァイオリンを借りた。見様見真似だった。けれどどこにどう触れればどんな音が奏でられるのかなんとなくわかってしまった。
奏でられたカノンの演奏に友人は感動し、父に彼にはヴァイオリンをやらせるべきだと熱弁する。父も仕事仲間である友人の言葉を無碍にできず、納得のいかないまま承諾した。

そこからは早かった。あらゆる評論家が彼は神童だ！天才だ！と持て囃す。納得がいかなかった父も悪い気はしなくなる。
幼稚園から小学生に上がるころにはテレビやら雑誌やらなにやらの仕事の方が増えていった。

音楽一家と名が売れるのを良しとした父はこの流れをつかむことを望んだ
だが、ピアニストである父は海外に出張することも多く、家には母とカノン。
作曲家の母は一人、家で仕事をしながらカノンの面倒を見ていた。仕事のマネジメントも。
次第に母の余力がなくなっていく。思うように曲が書けない。彼女の仕事にカノンは邪魔な存在だった。
家庭内の空気は険悪なものになっていく。電話で怒鳴り合う声を毎日聞くようになる。
「わたしばかりにあの子の面倒を見させないで！」「たまには帰ってきてよ！」「貴方が望んだことでしょう！？」
母の甲高い声が耳に響く。
家に居るときは泣きながら防音室にこもり、ヴァイオリンを奏でるのが日常になった。
離婚には至らなかった。皮肉なことにカノンは金を産める卵、親権の争いでもめているところも見た。

ある日母を喜ばせたかったカノンはお母さんのための曲を作った。
お母さんのことを考えて作ったんだ。そう無邪気な笑顔で差し出す手から母は楽譜を奪い取る。
一目見ただけで母は分かった。今の自分よりもこの子の曲は素晴らしいと。
楽譜を丸め投げつける。
「こんなものを持ってこないで」「お前なんか産まなければよかった！」

この日の母の憎悪のこもった眼差しは忘れられない。
だからいい子になろうと思った。母が怒らないように、俺は俺の好きなヴァイオリンを弾いていたらいい。笑顔で、面倒を起こさない、無駄な手間をかけさせない。


UGNに来られて幸せだよ！
ヴァイオリンの賞はたくさんもらってる！