容姿・経歴・その他メモ

　どうやら私は名家の生まれだったらしい。もっとも私にその記憶はないし、こんな環境じゃ出自なんて些細な事なのだけれど。

　幼いころに私の住んでいたところがジャームによって破壊された。それ自体は珍しくもないことかもしれない。だけれど、そのジャームが厄介なウィルスに罹っていたみたいで、それに当てられた私も起源種なんて仰々しい区分がされてしまった。私を助けてくれて、チルドレンとして面倒を見てくれたUGNに感謝はしているけれど、私の力は少し浮いてしまっていて、それがどうにも居心地を悪くしていた。
　そんな時にN市支部への異動命令が出された。最初は体のいい厄介払いかと思ったのだけれど、聞くところによるとそこの支部長も大概に浮いている能力らしい。誰が気を回したのか、なぜ私の気持ちがわかったのか、それはとても不思議なことなのだけれど、悪い気はしない。利益でも同情でも憐憫があったとしても、素敵な決定をしてくれた組織に私は忠誠を誓うのだ。

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