羽間　穂（はざま　みのり）

一度死に、その中でオーヴァードとして覚醒し、気が付けば道場に立っていたのは彼女一人だった。
以来、羽間剣術場は閉鎖、UGNの助力を受けながら祈がイリーガルとして活動し、最近何とか道場を再開するに至った。
だが、門下生が集まらず、経営難に陥っている。
現在、変わらず祈が活動して何とか体裁を保つことはできているが、再び閉鎖されるのもそう遠くはない。

容姿

赤髪の長髪。
髪を一つにまとめている方が本来の穂（日常の代行者）。
まとめていない方が祈である。

剣術家でありながら、刀を持たないのは、彼女たちにとって刀とは生き様であり、守る力であるためだ。
そのため、祈が武器として使うのは、白熱で強化された手刀のみである。

白熱：剣

右手を超高熱で強化した手刀。
これをブラム＝ストーカーの能力で血を操り形状を変えている。
本来なら蒸発するような超高温をまとった血はあらゆるものを焼き尽くしながら、触れる者の血を奪う。

両価性の剣（アンビバレンスソ―ド）

表向きは祈(いのり)という名の姉となっている。
しかし、基本的に表に出ることはないため、祈と呼ぶのは穂くらいなものである。
正式にエージェントとして活動を始めたところ、剣道場を支部として支部長に就任させられた。
彼女たちが住む周辺に支部がなく、いつも遠出していたため、ここが新しい拠点となる。
なお、現在部下は一人もいない。

二人の関係

元々の人格は穂だが、彼女はほとんどの記憶を封印し、自分はただの一般人だと思い込んでいる。
兄である祈の名前を借り、姉として生きている本来の肉体に宿るもう一つの人格が祈。
祈は穂の負の感情をほとんど一身に受け生まれた新たな人格であり、化け物の身体を押し付けられた被害者。
そして、彼女自身はそのことすら忘れ、妹として過ごしている。
祈はそのことを恨むことはせず、ただただ自分の中に芽生えた化け物としての感情が、彼女を苦しい現実から逃避させたことの方が気にかかっているようだ。

二人の性格の違いとして、穂は明るく笑顔の似合う女性で、祈は目つきが悪く粗暴。

対抗種

祈という存在そのものが対抗種たりえている。
穂は自分たちを殺した犯人を殺す。その目的を達するために覚醒と同時に備わったレネゲイド殺しの能力。
彼女の血の炎はレネゲイドウィルスを直接焼き、己の血のレネゲイドすらも焼く。
互いを焼きながらも、彼女が戦い続けられるのは、血を奪う能力にある。

焔（ほむら）

《炎神の怒り》により、身体能力を向上させた状態。
対抗種と合わさり、身体への負担は大きいが、戦闘を迅速に済ませるためにもこの能力は祈の戦闘スタイルをより尖らせることとなる。
この力を習得するにあたり、彼女はオーヴァードである自分と真剣に向き合うことを決める。
オーヴァードであることと向き合うことで、穂を守ることに繋がるのだと気付いたためだ。

焔磨（えんま）

クロガネの戦闘後、自身の足りない部分を補うために身に着けた技。
《熱感知感覚》により相手の動きを先読みし回避能力を飛躍的に向上させ、攻撃の制度に近い回避能力を得る。
死と紙一重に戦う彼女は、一つ、また一つと強さの高みを目指す。
データ的には《R：サラマンダー》である。

小話

少し前に、初対面の3人のUGNエージェントに因縁をつけられ、人違いだと追い払った。
その後、正体不明の相手から電話がかかり、お詫びとして仕事を斡旋してくれる相手を紹介された…。

小話　その2

穂が門下生だと思っている人たちは、祈が裸の王様で生み出した下僕。
彼らの支払いは、祈が働いた稼ぎをうまく管理して、誤魔化している。
日常の代行者が裸の王様に剣術を教えている様は、見る者が見ればよくできた一人遊びだ…。
本物の門下生が来てくれることを、祈は常に願っている。

小話　その3

うらべ　みやこ、クロガネとの奇妙な繋がりができ、みやことはたまに例のバーで会うことがある。
クロガネの決闘の話やクロガネのお歳暮の話、林吾が中々仕事を持ってこなくて退屈しているなどの話をしている。
一度交わした約束を律儀に守り通そうとする。
そこに彼女たちが道場で育んだ刀という生き様なのかもしれない。
そのため、今回苦渋の決断の末、UGNとの約束を守りこの街を守る仕事を優先した。
それはそれとして、クロガネの誘いがもっと早ければFHエージェントになっていたのは言うまでもない。

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