オーヴァードに覚醒していた姉が所持している遺産に汚染され、オーヴァードとなった
　現在、UGN・H市支部の支部長となっている。

　一人称は俺。二人称はあんた、名前。三人称はあいつ。
　ぶっきらぼうな口調で、大雑把な性格をしている。
　名前やコードネームを覚える事は苦手だが、資料や写真での記憶はよく覚えている。
　煙草が好きだが、UGN・H市支部に煙草を吸うエージェントが少ないため、肩身の狭い思いをしている。

　姉はUGNエージェントだった。
　両親は姉のしている事も、姉の置かれている状況も理解しており、その上で姉を応援していた。
　当時、幼かった彼は姉の持つ特殊な能力に憧れを抱いていた。
　だから、姉が留守にしている間に、姉の持っていた遺産に触れた。
　その瞬間、頭の中に遺産、周囲の状況、姉の戦闘記録や対峙した敵等の膨大な情報が流れ込んできた。
　あまりの情報量に耐えきれず、遺産の力を暴走させた彼を、姉は命と引き換えに止めた。
　姉の決死の救助により、完全に遺産に汚染される事はなく、遺産はその能力を完全に失った。
　それから記憶処理を施され、UGNで保護されたが、あの日の光景を、彼は一度たりとも忘れた事は無い。

　基本的に矢面に立って戦闘する事はなく、汚染された遺産の力によって、姉やその前の所持者の戦闘データを参照し、敵の弱点や行動を予測して味方に伝え、領域の因子でその行動をサポートする事ができる。

　過去の遺産継承者の膨大なデータを内部に蓄積し、それを現在の継承者に与える事で、戦闘能力の向上と、さらなるデータの収集を可能とする遺産。
　ペンダントのような形状をしており、埋め込まれた宝石が赤い光を放っていた。
　現在はその能力を失っており、宝石は黒ずんでいる。