筋金入りのマッドサイエンティスト。好奇心旺盛とも言うが、レネゲイド関連の他に興味を持ったものはそれほどない。珍しいものに興味を示す傾向があり、賢者の石に代表されるレアな現象を常々探して回っている。新たなシンドロームもかなり気になっている様子。好奇心がある一方で、人としての道徳や常識が著しく欠如しており、ありとあらゆるオーヴァードは単なるサンプルとしか見ていない。平気で動物実験を行うことがあるが、支部員からストップがかかることは日常茶飯事。但し、人を殺してはいけないなど最低限の善悪は UGN から叩き込まれている。
　関係や感情といった、人とのつながりに関連するありとあらゆるものに疎い。感情の起伏が少ない上に共感力もなく、人の感情を理解できない。来る者を拒まず去る者を追わずといった具合に、人間関係には殆ど無頓着。情報収集力や戦闘力が高いことも相俟って、統率力は低い。支部長を任されていつつも連携プレイは結構苦手。しかし命令には忠実で、UGN から与えられた支部長としての目的に則り、最低限人を導こうとはする。

　ノーリの出自に対する記憶がないのは、とある FH セルで実験体として生み出されたためだ。セルで行われていたのは残虐な人体実験。ノーリの尊厳などはまるで無視されていた。幼い身体に埋め込まれたレネゲイドは日がな酷使されるばかりか、研究員の私利私欲の捌け口となることもザラだった。ノーリに与えられた教育は殆どなく、ゆえに悲しみや苦しみといった感情を知らない。そのためにぞんざいに扱われてもなお、反抗することはなかったのである。
　ある日、ノーリが属していた FH セルは、UGN によって壊滅させられた。その際に UGN は、ジャーム化していなかったことを理由にノーリをチルドレンとして保護し、適切な教育を与えることにした。ノーリは、UGN 支部員としての力の使い方や人との接し方など、様々なことを学んできた。だがどうしても、その教育によってノーリに感情を芽生えさせることはできなかった。ノーリは、感情だけは理解できずにいたままだった。
　保護時点でのプロフィールとしては、ノーリはウロボロスシンドロームの可能性を検証するための被検体として用いられていたようだ。FH の資料によれば、あらゆる属性に不利を取らない権能を与えることができたと記されており、それだけに戦闘力は非常に高かった。チルドレンとして与えられたジャーム掃討任務は幾度となく成功をおさめ、支部の中でも指折りの実力者と称された。現在はその功績を買われて支部長を務めるに至っている……が、いまだにノーリは感情を知らない。支部員たちとの出会いで、果たして初めての感情は芽生えるのだろうか。

　龍のような影を顕現させて攻撃する。その龍は敵に喰らい付いたり炎を吐いたり電気を纏ったりするわけではない。だが、龍がひとたび咆哮を上げるとオーブが複数現れ、敵の前で眩い光を放って炸裂する。その攻撃を受けた暁には、炎とも、氷とも、雷とも喩えの付かない、全身を焼き付けられるような鋭い痛みが全身を迸るのだという。何にも名状し難い眩い光は浴びた者に不快感すら与え、心身ともに蝕んでいく。