概要

短丈に仕立てたブレザーの上から長ランを羽織り、旧時代を象徴するような学生帽を被っている“番長”。
このスタイルは夏でも崩れることがない。
威圧感はないものの服装が服装なので何処に居ても結構目立つ存在である。

男子生徒としては割と小柄であり、身長が伸びないことを密かに気にしている。

経歴

生後数週間の頃に両親に捨てられ、一人の男（通称：おやっさん）が運営する養護施設に引き取られる。
育ての親以外に周囲の誰とも馴染めず孤独な幼少期を過ごした結果、十代前半で札付きの悪童として恐れられる不良になっていた。
ある日何らかの原因でオーヴァードとして覚醒し、荒んだ精神状態から暴走してしまうがジャーム化する寸前でおやっさんの身体を張った説得で踏み止まることができた。その後、UGNエージェントの手引きで学園島・中等部へと送り込まれる。

能力

その能力は「血液を武器に変成させる」という極めてシンプルなもの。
オーヴァードとしては最弱の「Cランク」ながら怪物犇めく番長連の隊長達にタイマン勝負を挑み続け、やがて「番長」の一人に数えられるようになった。
血反吐を吐くような鍛錬の結果、武器を自身の肉体と融合させて遠近自在の形状に変形させながら戦うというスタイルを確立した。
鉄条網のように変形させて遠間の相手を絡め取ったり、引きずり寄せた相手に釘バット状態で殴りかかるなど自在の戦闘を可能にするそれを指して彼は「繋がれざるもの(アンチェインド・ワンズ)」と呼ぶ。
アカデミア安全保障部に組み込まれた後も密かに鍛錬を続けており、「護る為の力」を求めた彼は現在「“繋がれざるもの”を一瞬で編み上げ、鎧として纏う」という応用法の修得に励んでいるらしい。

性格

一言で言い表すなら「絵に描いたような番長」のような少年。弱きを助け強気を挫き、仲間のためなら命を張る。
校則や規則よりも自身と番長連の掟を重視しており、何事においても「番長として相応しい振る舞い」を取ろうとする。

しかし内面はナイーヴであり、自己のアイデンティティを「番長」という役割に依存している節がある。
また自身が（エフェクトだけで見れば）単純な能力で出力の低いCランクに分類されていることもあり、安全保障部のメンバーとして見劣りする存在なのではないかと不安に駆られている。

最も致命的なのは番長連の総番である「夢道ささき」に対する無自覚な心的依存であり、彼が番長たる自分に拘るのは彼女に失望されたくないという心理が大きく影響している。

余談

彼を慕う舎弟達は「紅莉夢尊狂聖奴(クリムゾンクルセイド)」というチームを結成するに至り、主に情報収集でサポートしてくれる。

他メンバーへの所感

「瀬名　栄志」に対しては、出会った頃はボンヤリしたよくわからないヤツだと思っていたものの安全保障部の同期生として活動し、共に戦う仲間として現在は全幅の信頼を置いている。特に戦闘スタイルの相性から「背中を預けられる」味方として認識している。あと男のくせにいい匂いがするな、と思っている。

「天口　令子」に対しては掴みどころのない性格から当初は苦手意識を持っていたが、現在はある程度彼女の行動や言動を理解できるようになり、たまにぞんざいな扱いを受けながらも互いに信頼できる仲間として見ている。ちなみに彼女が他生徒に施しているマーキングの意図を全く理解していない。

「明治・A・ルシア」に対しては生徒会と番長連という互いの立場からライバル意識を抱いているが、彼女の尋常ならざる努力を知っているために一個人としては尊敬しており、できればもっと詳しく話を聞きたいと思っている。でも番長としてのプライドが邪魔して上手く伝えられていない。またカミーユがルシアに話しかけている時は強引に割り込むようにしている。

「時任　墨絵」に対してはその規格外な能力とランクから当初はいけ好かない相手だと思っていたが、彼女なりの苦悩や覚悟を目の当たりにする内に今では彼女も等身大の生徒であると認識しており、同時に実力者として頼りにしている。ただし思ったことをズバズバ言うのでまだちょっとだけ苦手意識がある。

「カミーユ＝マルシェ」に対しては高慢なエリート野郎だと思っていたが、ネガセイバー事件で見せた覚悟やその後の交流を通して彼の気高さや実力を実感しており、自分より遥か高みを往く男として密かにライバル意識を燃やしている。カミーユと雅ヶ音が白兵戦で手合わせすると10本勝負で8-2くらい。

セッション履歴