コードネーム『三色童子“トライオーガ”』
S市支部長，薬王寺結希と同じく“クイーン・オブ・ブルー”神崎葵の複製体のひとつ。
通称“神崎の娘たち”。
生みの親であるダイナストに関しては，恩はあるものの従うことに忌避感を覚えた。

枯野子という名前だけを持った彼女は実験施設から逃走し，裏社会の中を殺し屋(鉄砲玉)として生きてきた。
最初からオーヴァードとして転がり込んできた彼女を，犯罪組織は重宝される。
が，散々ワーディングを繰り返していればUGNに目を付けられるのも当然。
やがて組織ごとUGNに抑えられ，UGNに確保される。

傍若無人に振舞い，厳しい指導を行う。
チルドレンたちからは鬼“オーガ”と恐れられている。
大人たちの中に入り大人のように振舞っているが，年齢としては16歳。がっつり違法ロリである。

「やかましいぜ。クソガキども」
(上司がしゃべるときは静かに聞いてください)

「てめえらが生きていくための方法を教えてやる。死ぬ気で突っ込め！」
(死なないようにサポートするので最前線で経験値を積んでください)

UGNに確保されてから暫くのカリキュラムを終えたのち，エージェントとして働くこととなった。
戦闘する際は常に暴走している為評判は良くないが，同行したエージェントたちの生還率は高い。
それを評価され，支部長含むエージェントたちが軒並み戦死した支部に派遣される。

泥沼のような混戦を終えてFHに勝利したものの，支部の戦力はガタ落ちである。

「ぎゃーぎゃー騒ぐのがガキどもの特権だがな」
(解決策を探さずに騒ぐのは愚の骨頂です)

「それを黙らせるのが大人の義務だ。そうだろう，ええ？」
(わからなかったら私たちがアドバイスを出しましょう)

与儀という苗字は，カリキュラムを受けるときにチルドレンの教官と親密になった時にもらった苗字だ。
……最もその男は，つい先日裏切ったチルドレンに殺されたらしい。馬鹿な偽善野郎だった。

立ち振る舞いは基本的に偽悪的。
所詮やってることは人殺し。己たちは善ではなく悪である。
生きるために人を殺す悪である。
善人ぶってはいけない。

俺たちが好き勝手に悪を執行し，その結果救われる奴がいるのなら……幸運なことだ。



ちなみにその好き勝手な言動故に苦情も多く，霧谷や経理人事担当から怒られることも多い。
色々と反論や文句はあるが，正論に返す言葉もなくなると「ぐぬあ……」と沈黙する。

相手の攻撃に反応して，三色の鬼を顕現させる。
顕現させるといっても実体化しているわけではない。
迸る光や血が宙を舞う時，鬼の顔のように見えるというだけだ。
「俺を殺すにゃ，それっぽっちじゃ足りねえなあ～！！」

・赤鬼，屍山血河を築く”ドレッド”
指先から飛び出した血が，宙に怒った表情の鬼の顔を映し出す。
その顔をすり抜けようとする攻撃が突如動きを止めた。
宙に固定された血液が攻撃者に絡みついて動きを制限させる。

・黄鬼，雷霆万鈞を築く“ハイエロ”
空中を電流が駆けめぐり，宙に笑った表情の鬼の顔を映しだす。
その顔をすり抜けようとする攻撃が突如動きを止めた。
高速で動く電流が強力な電磁力を生み出し攻撃を反発させる。

・青鬼，堂塔伽藍を築く“ステブル”
足元から結晶が飛び出し，宙に泣いた表情の鬼の顔を映し出す。
その顔をすり抜けようとする攻撃が突如動きを止めた。
単純に硬質な岩が寺院のような城塞となり衝撃を半減させる。

・三鬼重臨，築くは堅城羅生門“トリコロ”
※演出用
赤鬼，青鬼，黄鬼，三体が重なり相手を拘束する。

・無頼傘“ブランク”
常に振り回している金属製の傘。
殴打する武器になり，または展開することで盾となる。

弱くとも理想の為に頑張る人。
死ぬかもしれなくても，誇りの為に牙を剥く人。

そういう人間が大好き。
そういう人の為なら多少融通を利かせるし，甘い対応をする。

あと，UGNに確保された時の恩人や霧谷には頭が上がらない。

「リヴァイアサンよぉ，いつも言うようだが，ガキに甘すぎやしないか？」
「……ま，黙っておいてやるけどよ」

「……あ？　てめー，今俺のことを良い人だと言ったのか？」
「化け物を殺し，人の社会を守っているからか？」
「俺が戦っているのはお前らの為だと思ってんのか？」

「あめェんだよアホが」

「俺ぁ，お前を殺せと言われたらすぐ殺すぜ」
「お前の首一つで俺が生き残れるならすぐ殺す」
「俺が戦うのは俺の為だ」
「今日美味い飯を食う為だ。明日も生きて化け物を殺す為だ」
「俺以外の誰かの為なんざ断じてねえ」

「次，そんな甘ったれたことを言ってみろ」
「一生リザレクトするだけの血肉ジュースサーバーにしてやる」

「あ？　何見てんだてめー」
「別に構いやしねーよ。減るモンじゃねーし」
「うるせーな。さっさとどっかいかねえと殺すぞ？」