“か弱き凶牙”桜庭 真優
プレイヤー:かんらん
- 年齢
- 16
- 性別
- 女
- 星座
- 牡羊座(3/28)
- 身長
- 150cm
- 体重
- 40kg
- 血液型
- A型
- ワークス
- 歌手
- カヴァー
- 高校生
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- モルフェウス
- サラマンダー
- HP最大値
- 27
- 常備化ポイント
- 6
- 財産ポイント
- 2
- 行動値
- 15
- 戦闘移動
- 20
- 全力移動
- 40
経験点
- 消費
- +145
- 未使用
- 1
ライフパス
出自 | もともと出来が悪く、母親から疎まれていた。優しい父と妹がいたが、彼らが自分の代わりに交通事故で死んでから母親からのあたりが一層強くなった。 | |
---|---|---|
疎まれた子 | ||
経験 | 父と実の妹を事故で失った。__否。自分が、彼らを殺したのだ。 | |
喪失 | ||
邂逅/欲望 | 8年前の事故の時にその場を担当していた警察官。混乱する真優を保護し、優しく接してくれた人。 | |
いいひと | ||
覚醒 | 侵蝕値 | 自分を犠牲にしてでも舞奈を守りたかった。衝撃を感じ、気が付いたら身体は炎に包まれていた。 |
死 | 18 | |
衝動 | 侵蝕値 | 高揚に回る頭は理解する。期待に応えられない役立たずなど、人に恐れられる化け物など。いなくなってしまえばいいのだと。 |
自傷 | 16 | |
侵蝕率基本値 | 34 |
能力値
肉体 | 3 | 感覚 | 7 | 精神 | 1 | 社会 | 2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シンドローム | 1+2 | シンドローム | 2+0 | シンドローム | 0+1 | シンドローム | 1+1 |
ワークス | ワークス | 1 | ワークス | ワークス | |||
成長 | 0 | 成長 | 4 | 成長 | 成長 | ||
その他修正 | その他修正 | その他修正 | その他修正 | ||||
白兵 | 射撃 | 5 | RC | 交渉 | 2 | ||
回避 | 知覚 | 意志 | 2 | 調達 | 1 | ||
芸術:歌唱 | 2 | 知識:心理 | 1 | 情報:ウェブ | 1 | ||
知識:音楽 | 2 |
ロイス
関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
つながり | 家族 | 幸福感 | / | 不安 | ようやく手に入れた幸せ。守り続けたいもの。愛されていいと知ったから、私だって愛したい。 | ||
妹 | 杜千尋 | 懐旧 | / | 悔悟 | だいすきな妹。わたしが救えなかった人。どれだけわたしが変わっても、悔いるのは変わらない。悔いも幸せも、全部抱えて生きていくよ。 | ||
此花さん | 尊敬 | / | 劣等感 | 一番憧れている人。感情をぶつけて、きちんと裏切りに制裁をして、それでも冷酷になることはなくて。強くて優しいあなたは、最初からずっと私の先輩であり憧れです。 | |||
藤さん | 信頼 | / | 恐怖 | 一番怒りを持っている人。止めてしまったことを後悔しているし、申し訳ないと思っています。決して同意はできないけれど、その誇り高さに敬意を。 | |||
なずなさん | 尊敬 | / | 不安 | 一番お世話になった人。一番怖く思っている人。「裏切ってほしくない」と望んだのは事実で、戻って来てくれてうれしいと感じたのも事実。それでも、簡単に裏切りを演じてしまえるあなたが怖いと思いました。きっと、「大人になる」「成長する」ためにはそれを身につけなければならないんですよね。 | |||
五百雀巳波 | 親近感 | / | 隔意 | 一番同じ状況にいると思っている人。私と同じように、妹を失った経験も、彼女を取り戻したい気持ちもある人。これはきっと一方的な共感なのだろうけれど、それでも私と同じで私より強いあなたの存在は勇気をくれる。 | |||
今出エリカ | 信頼 | / | 隔意 | 一番不思議な人。願いを求める姿はどんな子供より純粋で、それでいて行動は合理的、そんな人。 |
エフェクト
種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
ギガンティックモード | 1 | メジャーアクション | 〈射撃〉 | 対決 | 範囲(選択) | 武器 | 3 | ― | |
射程を範囲(選択)に変更。判定後に武器すべて破壊。 | |||||||||
ハンドレッドガンズ | 5 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ― | |
攻撃力+[LV*3+4]、射程30mの射撃武器を作る。 | |||||||||
炎の刃 | 2 | メジャーアクション | 〈白兵〉〈射撃〉 | 対決 | ― | 武器 | 2 | ― | |
攻撃+[Lv*2] | |||||||||
クロスバースト | 3 | メジャーアクション | シンドローム | 対決 | ― | ― | 4 | 80% | |
攻撃+[Lv*4]。判定ダイス-2。 | |||||||||
コンセントレイト:サラマンダー | 3 | メジャーアクション | シンドローム | ― | ― | ― | 2 | ― | |
C値-Lv | |||||||||
氷神の悲しみ | 3 | メジャーアクション リアクション | 【感覚】 | ― | ― | ― | 3 | ― | |
ダイス+[Lv+1]。3HP消費。 | |||||||||
砂の加護 | 3 | オートアクション | ― | 自動成功 | 単体 | 視界 | 3 | ― | |
判定の直前に使用。ダイス+[Lv+1]。1ラウンド1回。 | |||||||||
灼熱の砦 | 3 | メジャーアクション | シンドローム | 対決 | ― | ― | 3 | ― | |
攻撃力+[Lv*3]。戦闘移動・全力移動・離脱を行っていた場合は不可。 | |||||||||
魔弾の悪魔 | 2 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 4 | リミット | |
ハンドレッドガンズ使用時、射撃攻撃判定+10。シナリオLv回。 | |||||||||
無上厨師 | 1 | ||||||||
コンボ
打ち火
- 組み合わせ
- ハンドレッドガンズ
- タイミング
- マイナーアクション
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 3
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
溢れ火
- 組み合わせ
- ギガンティックモード+炎の刃+コンセントレイト+氷神の悲しみ+灼熱の砦
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 射撃
- 難易度
- 対決
- 対象
- 範囲(選択)
- 射程
- 30m
- 侵蝕値
- 10
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 7+4
- 7
- 5
- 32
- 100%以上
- 7+5
- 7
- 5
- 40
- 160%以上
- 7+6
- 7
- 5
- 48
- 7+4
熾し火
- 組み合わせ
- ギガンティックモード+炎の刃+クロスバースト+コンセントレイト+氷神の悲しみ+灼熱の砦
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 射撃
- 難易度
- 対決
- 対象
- 範囲(選択)
- 射程
- 30m
- 侵蝕値
- 14
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 80%以上
- 7+-2+4
- 7
- 5
- 44
- 100%以上
- 7+-2+5
- 7
- 5
- 56
- 160%以上
- 7
- 5
- 68
- 7+-2+4
3HP消費
送り火
- 組み合わせ
- 炎の刃+クロスバースト+コンセントレイト+氷神の悲しみ+灼熱の砦
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 射撃
- 難易度
- 対決
- 対象
- 単体
- 射程
- 30m
- 侵蝕値
- 11
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 7+-2+4
- 7
- 5
- 44
- 100%以上
- 7+-2+5
- 7
- 5
- 56
- 160%以上
- 7
- 5
- 68
- 7+-2+4
迎え火
- 組み合わせ
- 砂の加護
- タイミング
- 常時
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 単体
- 射程
- 視界
- 侵蝕値
- 3
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
怪し火
- 組み合わせ
- 魔弾の悪魔
- タイミング
- オートアクション
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 4
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|
思い出の品 | 2 | 意思判定+1。オルゴール。ひとつめの曲はレクイエム・エテルナム。モーツァルトが最期に書いた鎮魂歌。ソプラノ独唱で、真優が一番歌っていた曲。 | |||
思い出の品 | 2 | 意思判定+1。ふたつめの曲は白いトウシューズ、あの子の好きだったうた。 |
経験点計算
能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用/合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
40 | 17 | 217 | 0 | 0 | 274 | 1/275 |
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿・経歴・その他メモ
▼人物▼
▶表の顔(他のPCが知っていてもよい情報)
・教室の隅でいつも本を読んでいるような大人しい少女。
・平穏を好み、クラスで争いごとがあった時には居心地が悪そうにしている。
・大きな声が苦手。声の大きな先生が叱ったりしていると身を縮こまらせる。
・どんくさくてあまり勉強もできない。いじめられることはないが時折馬鹿にされている。
▶裏の顔(他のPCたちが知らない情報)
・母親から「役立たず」「穀潰し」「死んでしまえ」と日常的に言われている。
・自己肯定感が低く、自分には何もできないと思い込んでいる。
・過去に"自分より優秀な"妹と父を事故で失っており、その時のことを「お前のせいだ」と母にいつも責められている。
・再婚前の苗字は「杜(もり)」。
・歌が好きだが、最近はあまり歌っていないようだ。
▶小ネタ
・誕生日:3/28
・血液型:A
・好きな食べ物:オムライス(言い出せてないかつ母親は嫌い。なので食卓には出ない)
・嫌いな食べ物:海老(言い出せないかつ母親は好き。なので(略))
・趣味:アルバムを眺めること、音楽を聞くこと、(歌うこと)
・恋愛対象:大きな声を出さない人
・癖:人と目が合わせられない。怖いときに服の袖をぎゅっと握る。
・身長:150cm
・イメージカラー:桃、緑
▶過去
・玉の輿な母と医者の父の間に生まれた。母からは優秀を期待されていたが何にも足して才能はなかった。
・母からは疎まれ、父と妹からは愛されて成長。
・12歳の誕生日、父と妹にお祝いとして水族館に連れて行ってもらった帰りに事故に遭う。父と妹は真優をかばって死亡。
・以降、母親から「どうしてお前だけ」「お前が死ねばよかったのに」と言われ続ける。
・数年後、母親が再婚。優秀な父と妹ができる。
・妹がトラックに轢かれかけるところに遭遇、妹をかばって飛び込む。
(もうちょっと下に詳細あります)
◤家族構成
・桜庭沙織(さくらばさおり)/実母
「真優! なんなのこの点数は? ほんとにあんたは千尋と違って出来が悪いわね…」
「どうして生き残ったのがあんたなの。こんな出来の悪い穀潰しのくせに! あんたなんか二人のかわりに死ねばよかったのよ!」
お金と名誉が欲しいタイプ。医者の玉の輿になった上で、いい会社に入れるような優秀な子供を作ることができれば人生安泰だと思っていた。が、生まれてきた子供は全く優秀ではなく、冷たい目線を向けるようになった。二年後に優秀な妹が生まれてからはそちらに愛情を注ぐようになったが、その後事故で二人が死んでからはさらにあたりがきつくなった。若いころに親の借金で散々な目に遭ってきたため、何が何でも安定した生活を手にいれる生活を求めるような人。愛は多少なりともあるがその後の打算もかなり含まれている。
・杜寛人(もりひろと)/実父
「真優。母さんはああ言うけどな、学校でうまく行かなくたって別にいいんだ。勉強も運動もできなくていい。お前が努力して進みたいと思えるような道に出会えることが、父さんの一番の望みだからな」
「真優も千尋も、どっちも可愛くて賢くて優しい父さんの自慢の娘たちだ」
医者の家系に生まれ、当然のように医者になった人。あまり恋愛経験がなかったため、真優の母親に強くアピールされてつい頷いた。どんなことも柔らかく受け止めるような人で、妻のことも深く愛していたが、娘への態度にだけは改善を求めていたようだ。娘二人のことも妻との愛の具現化であり未来を託す希望の種だと思っているため、できうる限りの愛を注いでいた。5年前に真優を守ってトラックに轢かれ死亡。
・杜千尋(もりちひろ)/実妹
「もー、お母さんったらひどいよね。お姉ちゃんだってがんばってるのにー」
「ね、わたしお姉ちゃんの歌すきだよ!ほんとのアイドルとか歌手みたい。もっとたくさん歌ってよ」
真優の二歳下の妹。姉に比べ勉学も運動も優秀だったが、本人的にはそんなものより父と姉が好きだし母のことはあまり好きではなかった。どちらかといえば天才タイプで、勉強量が人より少なくても効率的に物事を身に着けられる子。なにかと姉についていっては姉の好きなものを知ったり姉のしている勉強を自分の学年からは少し先どって学ぶのが好き。5年前に真優の隣を歩いていてトラックに轢かれ死亡。
▶過去詳細
専業主婦の母と医者の父の間に生まれた。母親は玉の輿として一生を暮らすことを望み、優秀な子に家督をついでもらうことを求めたが、最初に生まれた真優は勉学も運動もすべて中の下の子だった。
習字や水泳を習わせても全く上達せず、塾に通わせても勉強は中の下。歌だけはできたから音楽の成績だけは良かったけれど、それでは良い学歴など望めない。なにもかもができない彼女に、母親のいら立ちは募っていった。虐待、と呼べるほどの暴力や育児放棄はなかったものの、顔を合わせば怒られ、この子はできないからと親の知り合いに紹介されるときも貶められていた。
真優には二歳下の妹がいた。彼女は両親の才能をすべて受け取って生まれてきたような子で、眉目秀麗で文武両道の「神童」と呼ばれるような子だった。母親は当然のように彼女を愛し、ことあるごとに真優と比べては妹を褒めたたえた。できない子。劣った子。その評価が真優に与えられる母親からのすべてだった。
それでも、父親や妹は真優のことを愛していた。父は真優が生まれた時から愛おしい何にも代えがたいわが子として接し、母親の真優に対する態度を諫めては「気にしなくていい、お前は自由に自分のペースで成長すればいい」と真優に伝えていた。妹は自分の言うことなら母親も多少聞いてくれるから、と「おねえちゃんを怒らないで」と母親を説得したりもした。彼らと接するのは真優にとって心の救いであったが、それと同時に優秀で母から愛される彼らがそのような行動をとることに嫌悪や嫉妬も少し感じていた。そして優しい父親や妹にそんな感情を少しでも抱く自分をもっと嫌っていた。
ある年、真優が12歳になったその日、真優は父親と妹と一緒にコンサートに出かけていた。真優がずっと憧れていた歌手のものだった。説得に応じなかった母は来てはくれなかったが、一緒に出掛けることが二人から真優へのプレゼントだった。たくさんのものを見て、たくさんのことを楽しんで、おみやげだってちょっとだけ買って。よかったね、なんて笑いあってコンサートホール前の道路に出た瞬間のことだった。
危ない、と叫び声が聞こえた。妹とつないでいた手が離れた。背中を突き飛ばされて前に転んだ。
大きな何かが柔らかい何かにぶつかった音がして、振り返ればそこには__横転したトラックと、そこから伸びる血まみれの見慣れた腕があった。
随分と長くその場で呆然としていた気がした。実際には十数分だったのだろうけれど。そのまま駆け付けた警察に保護され、暖かなココアを出されながら話を聞かれた。そしてしばらく経って母親が迎えに来たタイミングで、二人が死んだことを知らされた。手をつないで歩いていた真優と妹のもとに暴走トラックが突っ込んできて、咄嗟に庇おうとした父は真優だけを突き飛ばすことができたのだという。そして二人は真優の代わりに死んでしまったのだ。
数日間茫洋としていた母親は、三日目を過ぎたあたりで爆発した。それは優秀な夫と妹を失った悲しみと絶望。凡庸な姉だけが残ったことへの怒り。すべてを失った彼女にとって、激情を向ける先は一つしかなかった。
どうしてお前だけが。出来損ないのお前が残っても穀潰しになるだけだ。…お前が死ねばよかったのに。
耳もふさげずに堪えていれば、嵐はほどなくして一旦は収まった。けれど、次の日もその次の日も、顔を合わせるたびに母親は顔をしかめ、以前とは比べ物にならないほどの罵倒を吐いた。そして、その嵐はいつも「お前が死ねばよかったのに」の一言で終わっていた。
それでも、真優はあきらめなかった。自分が少しでも優秀になれば、少しでも父や妹の埋め合わせになれば。そうすれば母はほんの少しだけでも笑ってくれるのではないかと、これまで以上に死に物狂いですべてに打ち込んだ。けれどこれまでできなかったことが今更できるようになるはずもなく、母親からの視線は冷たいままだった。
それから数年。ある日、母親は珍しく上機嫌で真優に告げた。再婚が決まったと。やってきた再婚相手に対して、真優はいつも通り「役立たず」として紹介されたが、今更どうでもいいことだった。その会話では、新しい"父親"がかつての"お父さん"と同じく医者であること、妹が非常に学業優秀であること、それを受けて母親が非常に機嫌がいいことが伺えた。
長らく見ていない母親の笑顔だった。自分がすべてを捧げても得られなかったそれは、出会ったばかりの二人によって引き出された。自分の努力など無駄だったのだと、頭を殴られたような衝撃を受けた。
そこでどのような受け答えをしたかは覚えていない。気が付いたら二人は結婚して、気が付いたら家が変わっていた。
母親は妹や父親と楽しそうに笑いあい、真優を見れば顔を歪ませる。まるで以前の生活が戻ってきたみたいだった。本当の父と妹の存在も、真優のこれまでの苦労も全部なかったみたいに。
そんなある日。新しい妹とともに登校するそのさなか、とある交差点で。前を歩いていた妹に、トラックが突っ込んでいくのが見えた。
ああ、あの日あの時父はこんな景色を見ていたのか。そんな悠長なことが頭をよぎったのは一瞬。
気付けば、体が前に出ていた。妹の背中が手に触れる。
「お前が死ねばよかったのに」。暗転する視界の中で、聞きなれた文言が幾重にも響いていた。
【あったらいいな】
・5年前のあの日、お昼ご飯はオムライスだった。お母さんはオムライス嫌いだけど真優は好きだもんね、と二人に連れられて、街の美味しくて少し高級な専門店に連れて行ってもらった。その味は絶対に忘れない、幸せな思い出。
・教室ではいじめられもしないほどに地味だけど、時折陰口を叩かれる。「桜庭さんっていつも本読んでるけど頭いいの?」「全然。こないだも補習参加してたし。なんか見掛け倒しだよね」そんな声が聞こえて、そのたびに本の端を少し強く握りしめている。
・歌うことは好き。母は「そんなことしてる暇があったら勉強しなさい」と言っていたけれど、父や妹は褒めてくれたのが嬉しかった。彼らが死んでからは耳障りだと母に突っかかられて歌うこともしなくなったけれど。
・実父が真優の歌を録音したファイルが実父の遺品として残っているが、真優を含め誰も気づいていない。実妹や実父が真優と一緒に歌っているファイルもあったりして、あの頃を思い出すものだといいな。
・義妹に関しては比較的好意を抱いている。どこか妹の姿を重ね見て、仲良くしたいとは思っているのだ。けれど、自分が近づいたら母親も嫌な顔をするし、仲良くしすぎたらあの時みたいに死んでしまうのではないかと恐怖を抱いている。
履歴
第一話
「ダメなお姉ちゃんでごめんね、なんてもう言わない。お姉ちゃんでいさせてくれて、ありがとう」
真優の願いは、舞奈が幸せであること。「幸せであるべきは舞奈」「あなたが犠牲になれば」そんな言葉を受けるうちに、「舞奈はこの家族の中で穏便に暮らせば幸せである」刷り込まれていました。
けれど、真優は母親に反抗することを覚えました。きっとそれは新しい力を手に入れたから。あの一日で、初めて学校をサボったから。謝らなくていいといわれたから。母親に内緒で、二人でコンサートに行ったから。そして、舞奈のあの苦しそうな顔を見たから。思ったのです。「本当に、母親の言う幸せが舞奈の幸せなのか」と。
父親が死にました。舞奈が事故の原因であると知りました。舞奈を殺さなければ、いけないと知りました。心が揺れ動いたからこそ、その中で芯を持っているものに気が付きました。
「舞奈に、幸せであってほしい」。それは、きっと千尋にだって抱いていた思い。ただただ、自分の大切な妹に幸せであってほしかったのです。それが刷り込みなのか本心なのかはわからなかったけれど、確かにそう思ったのです。強く、強く。
だから、彼女の行動方針は「母親の言う幸せ」ではなく「舞奈の願う幸せ」になりました。すくなくとも舞奈は死ぬことは望んでいなかった。それはわかっていたから、舞奈が死ぬことを嫌がりました。きっとたぶん、まだ真優には自分の「やりたい」を主張することが難しくて。だから、「舞奈が死んでほしくない」じゃなくて、「舞奈の願いが叶えばいい」だったと思います。
あのとき、「愛されたい」という舞奈の願いを聞けて、真優はひどくうれしかったのです。心の奥、芽生え始めた自分の欲が「舞奈を殺したくない」と叫んでいても。
ああ、けれど。結局あの場で「殺さないで」と舞奈に言われていても、彼女は引き金を引いた気がします。それを考えると、父の言葉にも強く影響されていたのかもしれませんね。「舞奈を頼んだ」って、きっと真優にとってはとても重い言葉だったので。
本来はずっと「まいなちゃん」と呼ばせて、最後だけ、ちゃんと彼女のことを妹だと思えたら「まいな」って呼ぶつもりでした。できていなかったのはご愛敬…もしくは、舞奈ちゃんを妹として認識したいという気持ちが表層に出始めていたのかもしれませんね。意識的に「まいな」を使ったのは最初の事故現場と最後の舞奈と戦うところです。ちゃんとお姉ちゃんとして、守りたくて必死な時に出ているイメージ。
母親のことはどうしようかな、と思っています。あれだけの仕打ちをされて、確かに苦しんだけれど。真優に恨む気持ちはあまりない気がします。「恨むな」って父親の言葉が、たとえそれがPCたちに向けての感情だけを示していたとしても、彼女はきっとほかの「苦しいことをしてきただれか」に対しても「恨んではいけない」と思います。それくらいに父親の言葉は大きく響きました。初めて父親の言葉に嫌悪や抵抗を覚えた瞬間であり、それでもなぜだか納得できてしまったからかな。それに、かんがえてみたら母親にも感謝しているんですよね。たとえ惰性だとしても、確かにここまで育ててくれたのは母親だから。だから、母親にまっすぐ立ち向かう方向に進むのはあるけど、離れることは案外しないのかも。UGN支部も入らないかもしれない。「おかあさん、わたし、できそこないじゃないよ。役立たず、じゃないから。絶対に役に立って見せるから。見ていて」と言って共生を始めてもいいな。うまくできるかわかんないけどな~~~~… 少なくともここで母親を一人にするのもあまりいい選択肢ではない気がするのです。
桜庭沙織/慕情/〇疎外感/おかあさん。役立たずの子供でごめんなさい。
くろいわさん/〇安心感/不安/あの事故の時そばにいて優しくしてくれた人。
杜千尋/〇庇護/隔意/わたしが守れなかったの。ごめんなさい。
此花 最実/〇信頼/不安/混乱している私に手を差し伸べてくれた人。でも普通の人じゃないみたいで、ちょっとだけ、こわい。
桜庭舞奈/〇庇護/隔意/守らなきゃ。役立たずのわたしが。…少しだけ、普通の姉妹のようにいきたいと願うのはだめかな。
藤 友紀/憧憬/隔意/憧れ。いつも冷静。
コードネーム:コヨーテ/〇誇り/悔悟/わたしの、なまえ。こちら側に来た証。
第二話
「わたしたちの成すことは、本当に、正義…?」
きっと役に立ってみせる、って大口たたいて家を出て。最初に成した任務は、大切な師の弟を壊すことでした。
感謝を伝えたい相手はどこを探してもいなくって。前回必死に止めた相手は、自分の成せなかったことが原因で無謀に動いて。なにも、なにも、できませんでした。「新参者だからわからない」とそんな言い訳でできないを覆って。いつもまとめ役の藤さんがなんだか様子がおかしくて、それでも彼女はそれを追求しませんでした。きっと此花さんに意識を奪われていたから。仲間の中の不和やすれ違いに気が付かなくて。ただ五日雀さんを追いかけて、成り行きのままにリーダーのようなものをして、見なきゃいけないもの、手を出さなきゃいけないものの多さに翻弄されて。
結局、あれだけ寄り添ってもらったのに。彼女は誰にも寄り添えませんでした。
五日雀さんに一方的に「あなたに共感した、手を貸したい」と要望を投げつけ。
此花さんに一方的な「まだるぜさんは助かる」を押し付けて苦しませ。
藤さんに関しては触れることもできずに、衝撃ににぽろぽろと泣くことしかできず。
結局誰も救えずに、ただ、ただ、皆を傷つけたままで。「助けたい」と話を聞くことと、それを解決に導けない自らの無力さに板挟みになって、結局相手に諦めを振りまいて自己嫌悪に陥るだけでした。これがUGNの在り方だとしたら、その正義すらもわからなくなってしまいました。
きっと彼女は、此花さんから向けられる激情を甘んじて受け入れるのでしょう。此花さんの気持ちが少しでも軽くなるならと、それが幸福なことであると信じて疑わず。真優はきっと「寄り添わなかったくせに今更」ということは(言われるまで)思わないので、藤さんに何らかの声をかけるかもしれません。沖名さんの抱えているものに気づかないまま助けを求め寄りかかることはしそうです。五日雀さんには勝手に憧憬を抱いているようですが、その後をかけられるほどに妹を想っていたその姿を見て、どこか自分の妹に対する愛情の弱さを指摘されているように思っていたのかもしれません。今出さんが苦しみ始めたらきっと性懲りもなく手を伸ばすのでしょうが、それすらもすり抜けたら彼女は壊れてしまうかもしれませんね。こんなにも未来は想像できるのに、このパーティすごい、破滅しか見えない。
とにかくとてもとても悔しかったです。手を伸ばした先ですり抜けていくものを呆然と見るのって、自分が苦しむよりもずっとずっと苦しいんだなぁ...
此花さんから怒りを向けられることについては、彼女は肯定的です。理由は2つ。
大きな表立っての理由は、るぜくんのことで此花さんが持つ怒りの受け皿になれたこと。もちろん、だからといって此花さんが自らの八つ当たりに自己嫌悪してどんどん深みに嵌っていることは分かっています。それでも、ほんの少し、彼女が壊れてしまうのを止められているのではないかと。こちらに責任を押し付けることで少しだけでも彼女の気持ちを軽くできていないかと。そう思っているからです。そう思いたいからです。
そして、裏に潜むもう一つの理由。これに関しては、彼女は気づいていないか、気づいていても見ないようにしています。それは、「誰かに(見方によれば)理不尽な怒りを向けられていることを、心のどこかで求めているから」。真優はこれまで、母親から理不尽な怒りを受けて生きてきました。けれど、覚醒してオーヴァードになったことでUGNのメンバーのそばで暮らすようになり、理不尽な怒りや人の言うことに従った行動をしなくて良いようになりました。これまであった大きな重圧から開放されること。それは、彼女にとって大きな成長への足がけになると同時に、大きな不安をもたらすものでした。これまで心の多くを占めていたものがなくなるのは、たとえそれが悪影響を及ぼすものであっても足場がなくなるような感覚を覚えるものです。だから彼女はどこか、自分を傷つける言葉を探していて―――そこに、運良く合致したのが此花さんだったのです。
もしもこの先此花さんが何らかの形で回復して、八つ当たりも自己嫌悪もないもとの状態になったとしたら。真優に与えられる怒りや傷はなくなってしまいます。そして、その際に彼女が心の痛みのないその状況に不安を覚えたら、その不安は別の痛みを求め始めるでしょう。そのまま彼女が自らの不安と衝動に駆られたら。それは、自傷という形で自らの身に振り下ろされるのかもしれません。
血のつながり/桜庭沙織/慕情/〇疎外感/おかあさん。きっとね、いつか役立たずじゃなくなってみせるから。
いいひと/くろいわさん/〇安心感/不安/あの事故の時そばにいて優しくしてくれた人。
妹/杜千尋/〇懐旧/悔悟/だいすきな妹。わたしが救えなかった人。どれだけわたしが変わっても、悔いるのは変わらない。けれどいまだけはただ、懐かしさも感じさせて。
妹/桜庭舞奈/〇遺志/悔悟/だいすきな妹。わたしが救えなかった人。大丈夫、わたしはあなたを愛し続けるよ。ずっと、ずっと。
先輩/此花最実/〇尊敬/不安/わたし、まだあなたにお礼を言ってないんです。どうか、またもう一度会わせてください。
一方的な共感/五百雀巳波/〇誠意/悔悟/私と同じ人。でも、復讐という形で喪失を表現できる強い人。どうか、成功してほしい。
敵/いばそういち/憧憬/〇敵愾心/倒すべき人。
ミドルレイド
成長:
終末の炎(Lv3)消去
ハンドレッドガンズのアイテムアーカイブデータ適用&Lv2アップ
セッション履歴
No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
---|---|---|---|---|---|
フルスクラッチ作成 | 20 | ||||
1 | EVERYONE IS ALONE | 25 | 若竹 | かんらん/よしとも/先/ろんりー/あるぅと/omni(敬称略) | |
2 | YOUR FRIENDS STAND BY YOU | 25 | 若竹 | かんらん/よしとも/先/ろんりー/あるぅと/omni(敬称略) | |
3 | ミドルレイド | 29 | 若竹 | かんらん/よしとも/先/ろんりー/あるぅと/まち/アルビス/つちの/トミー/Shin/理/睦月/⊕Φω/brom/toras/matsu/てんとう虫/りちょう/某N/エイブ(敬称略) | |
4 | RESIST AN IMPULSE, BUT... | 23 | 若竹 | かんらん/よしとも/先/ろんりー/あるぅと/omni(敬称略) | |
5 | RESIST AN IMPULSE, BUT... | 23 | 若竹 | かんらん/よしとも/先/ろんりー/あるぅと/omni(敬称略) |