容姿・経歴・その他メモ
「やぁ後輩、今日はいいモノを持ってきたぞ」
「買い出しに出かけた時にだな、似合いそうだと思って買ってきたのだ」
「っと……つまり、要らないということ…か?……そうか。済まない」
「余計なお節介だったか……以後気を付けるようにしよう……」
「……なんだやっぱり受け取ってくれるんじゃないか!」
「うん、やはり後輩によく似合う。また何か見つけたら買ってくるとも」
過去
父親の仕事の都合で6~14までの間をアメリカで過ごした、所謂帰国子女
更に向こうの国では単位をいくつも飛び級しており、アメリカから離れる14才の時点で高等学校の教育課程を終え大学へと進学を進めていた
このまま順調に過ごして行くはずだった百華だったが、再び父親の事情で日本へ帰国しなければいけなくなってしまった
一時はそれを拒否し、このままアメリカで過ごして行く予定だったが、如何せん勉強ばかりしていたせいか生活力というものが欠如しており。母親に自立できるかのテストをしてもらったもののあえなく完敗(炊事洗濯掃除全部まともにできず)、半ば強制的に親と共に帰国することとなった
アメリカで出来た友人らと別れるのは寂しかったものの、親と離れ離れになるのはやはりネックだったからか大人しく飛行機へと乗り、長い長い空の旅路を行っていた中……事件は起きた
覚醒
飛行機には1つの遺産が輸送されており、それを狙ったFHがハイジャックを行ったのだ。当然飛行機内は大パニック、当然ながら百華自身もどうしたらいいのかもわからず頭が真っ白に。
少しした後、それに立ち向かいだした人たちの姿を見送り飛行機内での戦いが始まったが、狭すぎるそんな場で戦いだせば流れ弾は雨あられの如くに降り注ぐ。
結果的に周囲の人間たちは阿鼻叫喚の渦で満ち溢れ、この世の地獄のような光景が繰り広げられることに。無限に続くかと思った悪夢。しかしそれは更なる最悪に寄って打ち消されることに
流れ弾の1つが、飛行機の片翼に致命的な傷を与えたのである
突如として傾きだした飛行機。もはや墜落を回避する術はなく、もはや、死ぬだけ
一周回ってしまったのか、落ち着きを取り戻した百華の足元に1つの指輪が転がってくる。見たこともないデザインの黄金の指輪だったが、死化粧には丁度いいなと自身の右の薬指へとはめて瞼を閉じる
……暗闇から晴れた頃、百華の眼に映ったのは一生忘れられない、それから毎夜毎夜に夢と見ることとなる光景
金属片に貫かれていたり、押しつぶされていたり、爆発によって体が吹き飛んでいたり、元の姿がわからない程に焼き焦げていたり。そんな多種多様な死に様を果たした他の乗客たち
そして、自分を守ろうとしたのだろうか。覆いかぶさるように凍り付き死んでいる父親の姿
その後、惨状に駆けつけたUGNによって百華は保護されることとなる。自分がこの事故でオーヴァードに覚醒したこと、取れなくなった遺産がこの事件の根幹であり、この事故の原因になったこと。…生存者が、自分だけであること
話を終えた後、独りで幼少期住んでいた日本の自分の家の中へと入る。凍り付いたかのように動かなくなってしまった心だったが、リビングに飾られていた幼い自分と両親の写真を見つけ、全てが決壊したように、泣きじゃくった
現在
それから一年、大量の両親の保険金や遺産の受け取り手続きや心身の療養を終え、日本の高校へと進学する。UGNに所属しないかと誘われはしたものの、飛行機の原因を作ったのはUGN側の人間が無茶な戦闘を仕掛けたというのもあり、不信感がぬぐえずそれは辞退
既に学び終えたことであるため内容であったため学校の授業は楽なものだったが、今の脆い精神を落ち着けるのには丁度よく、なんだかんだ穏やかな日常を過ごして行けることとなる
が、1つだけ問題があった。海外生活が長すぎて日本語を半ば忘れてしまっていたのだ
扱えないわけではないが長く話すことが出来ず、そのため素っ気ない態度ばかりをクラスメイトに取るようになってしまい、高嶺の花として周りから接されることに
元から人と関わるのが好きだったところに家族がいない寂しさが拍車をかけており、コミュニケーションに飢えている
しかしちゃんと喋れるようになった頃にはもう手遅れという不幸を背負いながら3年へと進級を果たしてしまう
唯一話せる相手がいた天文同好会も、今や自分以外誰もいないという有様。我ながら酷い星の元に産まれたなと自嘲気味に笑っていた中、その扉が開かれる