ライフパスと同様。

家族が巻き込まれた事件は、爆破による死傷者だけではない。
紛れ込んだFHエージェントは、自身も負傷者のふりをして、
救助しようと近づいてきた善意の人物すら、不意打ちして直接αトランスを吸わせて覚醒を促そうとした。

両親は、自らが怪我をしながらも、空と妹を背負って出口を目指した、
しかもそんなFHエージェントを本気で助けようとして、騙されてジャーム化した。

両親の優しく誇り高い姿を、僕は忘れない。
だからUGNとして世界を守ることを僕は決めた。
…騙された方が悪いと言わんばかりのこの世界で、嘘をつく人間だけは、許さない。

優しく素直な性格。（たぶん）
PC①【兆橋陸】と、クラスメイトと、高校生らしい毎日を楽しんでいる。

理想（『星屑の願い』における「願い事」）は、
「オーヴァードにも法の庇護と裁きを」
「この大切な人たちとの毎日が、ずっと続けばいいのに」

PC①【兆橋陸】と、いい感じの魔剣(枝)やマジックアイテム(鉱石)を探索するのが日課。
UGNとしてレネゲイド関連の調査も兼ねて…ということは、全然なく、
かけがえのないこの時間をただただ楽しんでいる。

実際、この街でよく出土する遺産や、芸術性を感じる遺跡などが好きで、散策は楽しい。
空想と仮説で、自由な解釈を膨らませてくれる、【兆橋陸】と見て回って話し合うこの時間は、何よりも得がたい幸せだ。

僕も中2病だと言われるけど、
彼と過ごす日々の中で、形成されていった僕の穏やかな人格が、この「中2病」という在り方だ。
もったいぶった言い回しとか、振る舞いとか、それらは自分を演出するための道具ではない。
奇跡のような、幸福な毎日の象徴だ。

こんな特別な時間が終わってしまわないよう、ほかに願いたいことなんてないだろう。

「F地区支部」では先輩オーヴァード。
情報に疎い空に対して、「最新のボディアーマー出たよ！」とか色々世話を焼いてくれる。
平凡な日常ためにUGNの任務を少なくしている空にとって、
「UGNと高校生活の両立」ができている結目は眩しい存在だ。

去年の文化祭の終わりにキャンプファイアーで一緒に踊った。
経緯は覚えてないけど、誘われたからだった気もする。
結目の顔も赤かった気がする。

難聴系でかっこいいRPができるわけはないのでこの辺はこれ以上掘り下げないことにする　─終─

彼は僕に対して嘘をつかなかった。
誰も傷つけることのない、「中2病」という優しい嘘だけ。

だけど、僕は彼に嘘をつき続けていた。
裏側から世界を守るなんて題目で、一番大切な人を裏切ってきた。
このことを知ったら、ずっと真実を知らないでいた【兆橋陸】は、さぞ自分の裏切り者っぷりを軽蔑するだろう。

居場所が雲に翳るように暗くなるのを見ながら、僕はそんなことを思っていた。

両親が殺害された事件の後、妹・白とは別々のUGN施設に引き取られた。
空は妹の行方を探していたが、UGN機密情報としての扱いを受け、真相に迫れなかった。
この機密をかいくぐり、上層部を説得して空と妹・白とを引き合わせてくれたのが「鳶一理三」である。

彼と出会った事件は20××”サンアルク船上監獄奪還事件”。
レネゲイドがらみの大犯罪者たちを収容する、太平洋を周回する船上牢獄”サンアルク”。
ここにFHマスターエージェントが忍び込み、囚人たちを自らの手下として従え、
逆に洋上の無敵要塞と化した武装船からUGNに宣戦布告、ハワイ島への大規模ミサイル攻撃を仕掛けようとした事件である。

UGN”本部”エージェントとして現場指揮に当たった鳶一と、日本支部からの尖兵として送り込まれた空。
初めこそ任務態度の違いから溝があったものの、戦いの先を読む目、豊富な経験則、そして仲間を想う作戦指揮に感服。
彼の立てた逆転の単独作戦を命からがら全うし、FHマスターエジェントを退けた。

この後、折に触れて鳶一からの個人的な任務依頼も受けるようになる。
また、その見返りとして鳶一からも尽力を受ける。
UGN日本支部から白の情報を渡され、会いに行けるという。権利や所属のゴタゴタもやり込んだという。

白と再会したその日、妹は真っ白な制服で、仏頂面で待っていた。
しばらく口を聞いてくれなかったが、アイスを奢ったり大きなぬいぐるみを選んだりするうちに機嫌が良くなったのか、
最近なにしてたんだ？と世間話が始まったとかなんとか。

これについて鳶一に感謝の手紙を送ったら、後日返信されてきたのは、リゾートで買える綺麗な絵葉書だったとか。

普段はペンダント。
彼はその場で自身の血から剣を作るのではなく、血の結晶を砕いて剣を作成する。
日に七回まで使用可能。
毎夜、自身の血とレネゲイドを注ぎ込んでいる。
それは誓うように、願うように。