ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

天美命 或朱孔 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

Dr.Phoenix(ドクター・フェニックス)天美命 或朱孔(そらみこと あすく)

プレイヤー:暖ゴロ

自由登録 基本ステージ

……気持ちは分からないでもないが、そう怯えないでくれ。これでも僕は医者だ」

年齢
26
性別
星座
蠍座
身長
198cm
体重
74kg
血液型
A型
ワークス
医者
カヴァー
UGNイリーガル/医師
ブリード
クロスブリード
シンドローム
サラマンダー
キュマイラ
HP最大値
33
常備化ポイント
6
財産ポイント
4
行動値
+3=10
戦闘移動
15
全力移動
30

経験点

消費
+64
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 何より大切な、最愛の妹。
姉妹
経験 全てを失った。
喪失
邂逅 別に出会った時から医者と患者だったわけでもないんだよな。だからこう言うしかない
馬鹿
覚醒 侵蝕値 FHの実験によりオーヴァード化した。
素体 16
衝動 侵蝕値 無意識下で孤独を恐れている。
恐怖 17
その他の修正5実験体
侵蝕率基本値38

能力値

肉体6 感覚3 精神1 社会3
シンドローム2+3 シンドローム0+0 シンドローム1+0 シンドローム1+1
ワークス ワークス ワークス ワークス1
成長 成長 成長 成長
その他修正1 その他修正3 その他修正 その他修正
白兵4 射撃 RC1 交渉
回避 知覚 意志1 調達
知識:医療4 情報:学問1
知識:レネゲイド2

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 実験体(ロストナンバー) 能力値+4。侵蝕率基本値+5。
天美命 朔蘭(そらみこと さくら) 庇護 悔悟 昏睡した妹を助けるためにFHの実験台となった過去がある。
患者 梅村 朝(うめむら あさ) 純愛 憤懣 単に主治医と患者というにはいささか奇妙で複雑な関係がある。

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(LV)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
コンセントレイト:サラマンダー 2 メジャーアクション シンドローム 対決 2
組み合わせた判定のC値を-LV(下限値7)。
破壊の爪 5 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3
素手変化。
炎の回廊 1 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 1
《氷の回廊》相当。飛行状態で移動距離を+[LV×2]mした戦闘移動を行う。
炎神の怒り 2 メジャーアクション
リアクション
【肉体】 3
組み合わせた判定のダイス+[LV+1]個。HP3点消費。
炎の刃 1 メジャーアクション 〈白兵〉〈射撃〉 対決 武器 2
組み合わせた攻撃の攻撃力+[LV×2]。
フェニックスの翼 3 クリンナッププロセス 自動成功 自身 至近 4
自身のHPを[LV×5]点回復する。戦闘中でない場合、1シーンに1回まで使用可能。
火の鳥の加護 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 4 リミット
前提:《フェニックスの翼》。前提エフェクトの使用直前に宣言。その対象を[範囲:選択]に変更。1シナリオにLV回使用可能。
極大消滅波 4 イニシアチブ 自動成功 範囲(選択) 視界 4D10 120%
他エフェクトと組み合わせ不可。対象に[LV+2]D点のHPダメージを与える。命中判定はなく、リアクション不可。1シナリオに1回のみ使用可。
自動体温 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
自身の体温を調整し、作業や休憩の効率を高める。疲労しにくくなる。
変貌の果て 1 常時 自動成功 自身 至近
オーヴァード化以前とは外見に大きな変化がある。

コンボ

火喰禽(ヒクイドリ)

組み合わせ
《C:サラマンダー》+《炎の刃》+《炎神の怒り》
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
至近
侵蝕値
7
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
6+3+侵蝕B
8
4
20
100%以上
6+4+侵蝕B
7
4
24

白兵攻撃。HP3点消費。
《破壊の爪》前提。

不死鳥の聖火

組み合わせ
《フェニックスの翼》+《火の鳥の加護》
タイミング
クリンナッププロセス
技能
難易度
自動成功
対象
範囲(選択)
射程
至近
侵蝕値
8
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
回復力→
15
100%以上
20

聖域炎上

組み合わせ
《極大消滅波》
タイミング
イニシアチブ
技能
難易度
自動成功
対象
範囲(選択)
射程
視界
侵蝕値
4D10
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
120%~
7D10

命中判定はなく、リアクション不可。1シナリオに1回のみ使用可。

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
不死鳥炎趾(フェニックスダクティリー) 白兵 〈白兵〉 0 18(20) 1 至近 《破壊の爪》による素手変化。侵蝕率100以上の場合攻撃力は()内の数値になる。
一般アイテム常備化経験点種別技能解説
デリバリー 5 エンブレム/一般 自身の行動値+3。
思い出の一品 2 一般 意志判定の達成値+1。妹から貰った、大切なピンズ。

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
0 10 179 5 0 194 0/194
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

工事中です

超ざっくり言うと

シスコン不死鳥医者。

サンプルセリフ

「僕にあまり構うな。怪我や病気の時に都合よく思い出すだけでいい」

「何度言ったら分かる?入院は必要だからしているんだ。常時安静にさせるために通院じゃなく入院にしてるんだぞ。それをホイホイホイホイ抜け出して……ウチのような小さい病院に《ディメンジョンゲート》だの《壁抜け》だの《猫の道》だのの対策を全ての病室に仕込めというのか?」

「……僕は医者だ。医者の手は人を救う手であり、人を傷つける手ではない。……脚はどうだか知らないがな」

「朔蘭……大丈夫だよ。僕は必ず、お前を取り戻す」

「……もし、将来……朔蘭が目覚めたとして。こんな化け物になった僕を、朔蘭は兄だと思うだろうか。もし、その日が来たとしても……僕は朔蘭が目を開く前に、何処かへ飛び去ってしまうべきなのかもしれない」

「梅村、正座。」

人物

一人称:僕
二人称:あなた(目上相手)/君(デフォルト)/お前(心を許した相手)
好きなもの:朔蘭、綺麗な歌
嫌いなもの:言うことを聞かず怪我を増やす患者、脚の多い虫、FH
好物:甘いもの全般(特に麦チョコ)、カフェラテ
苦手な食べ物:虫
趣味:読書、家事
誕生日:11/14

オーヴァード専門病院「空桜医院」の院長。UGN所属ではないが、UGNの支援を受けているフリーのオーヴァード。
かつてFHと関わりのあるカルト教団により不死鳥と呼ばれるレネゲイドビーイングの因子を埋め込まれ、肉体が不可逆に変質している。
或朱孔自身の容姿もあって一般患者を受け入れておらず、完全にオーヴァードやレネゲイドビーイングの患者のみを担当している。
ただし一般医療の知識もちゃんと持ち合わせている。というか、オーヴァードであっても基本は人間の体なので、基礎の医療知識がなければどうしようもない。それに加え、シンドロームや変異による固有の特徴や身体構造に関する知識も有しているというだけである。
UGN医療班"ホワイトハンド"とも連携しているが、所属はしていない。また、朔蘭を救う手段を求め"アールラボ"とも接触しており、レネゲイドビーイングとの不完全な融合体という特殊な症例である自分のデータを提供している。たまに実験動物扱いされているが、「だいたいは不謹慎な冗談に過ぎない。実際には人間扱いされるし、FH時代は比べるまでもない」らしい。
実は医師免許を持っておらず、一般患者を受け入れていないのもそのため。そもそも表向きの最終学歴は大学中退である。
UGNから特別にレネゲイド関係者のみを対象とした医療行為の許可が出ており、それによって空桜医院を運営している。
なので変装中に一般人の怪我人、病人と遭遇した場合、「医療知識のある一般人」として振舞い応急処置の域を超えた医療行為は行わず、適切な医療機関に通報することにしている。無論、緊急事態は除く。

容姿

肩甲骨くらいまで伸ばした銀髪。医師としての活動時には結んでいることも多い。暗い橙色の目をしており、目つきも悪い。
顔立ちそのものは整っているが、顰め面をしていることが多いのと羽毛のためにあまりそうと言われることはない。ごく稀に見せる笑顔は、普段の印象とは違い少年のよう。
そして最大の特徴は、身体の一部が鳥の特徴を持っていること。レネゲイドビーイングの特徴を部分的に有すが、ヒューマンズネイバーが使用できないことによる不可逆の変化である。両頬に朱色の羽毛が生えており、両脚は完全に鳥のそれとなっている。そのせいで幅広のズボンしか穿くことができず、普通の靴は履けない。服の下の見えないところも部分的に羽毛が生えている。
筋肉はあまりないが、季節を問わず黒いコートを纏っており体格はあまり見えない。そのコートには厳つい印象に不釣り合いなかわいらしい桜のピンズがつけられている。
コートの下は大抵グレーのスーツ。先述の通り、ズボンは幅広のもの。外に出る際はマスクと特注の靴を履いて鳥の特徴を隠している。しかしレネゲイド関係の案件ではこれらを着用しない。マスクはともかく、靴は特殊な構造ゆえに着脱が極めて煩雑であり、戦闘時に邪魔になるため。この関係で、裸足の時に建物を出入りする場合などのために足を拭くウェットティッシュを常備している。
高身長に黒コートの目つきの悪い男なので、初対面の印象は大抵あまりよくない。

性格

少々口が悪いが、冷静で常識的。医者の矜持を強く持っており、受け持った患者のことは絶対に諦めない。なので、言うことを聞かず病院を抜け出したり無茶をしたりする患者たちに辟易しており都度説教をかましている。或朱孔の説教はとてつもなく長いらしい。
常に妹のことや愚患者のことで心労が絶えないので愛想が悪いが、本来はもう少し表情豊か。未だ目を覚まさない妹の前でだけは、かつてのような柔和な笑顔を見せることがある。あと受け持つ患者の中でもトップクラスの問題児に対してもなぜか心を許している。
嘘をつくことが極度に下手。下手な嘘を言うというよりは、まず思いつかない。なので、都合が悪くなると「うるさい」のごり押しでどうにかすることがある。

戦闘

足を猛禽類のような凶悪な形状に変化させ、炎をまとった蹴りを放つ。本職が医者なので戦闘は不得手……かと思いきや意外と強い。埋め込まれたレネゲイドビーイングの因子のせいらしい。
背中から炎の翼を形成して飛行する能力も持つ。
また、炎状のオーラを放つことで自身や周囲を回復することも出来る。
かつて自分の人生をめちゃくちゃにした宗教組織を焼き滅ぼす際に使った業炎も、感情が昂った際のみ使用できる。
とはいえあの時程異常な火力は出ない。あれほどの怒りを抱くことはもうないだろうし、あの規模での使用が二度目になればジャーム化する可能性が非常に高いからだ。

コードネーム:Dr.Phoenix(ドクター・フェニックス)

見たまんま。或朱孔はあんまりこの名前で呼ばれることを好んでいない。呼ばれたら文句を言わず返事はするが、若干愛想が悪くなる。元々あんまり愛想ないのに。

空桜医院

或朱孔の職場であり、居住地。オーヴァード専門病院。都市郊外に位置する小ぶりな病院だが、医療設備は最新鋭のもの。
患者であり腐れ縁の梅村朝が或朱孔に何が欲しいかと聞いた時、或朱孔が「こいつは金を持て余しているせいで買えるものならマジで買ってしまうし、かといって朔蘭の起きる未来とか言っても空気を重くするだけだろう」と考えて「病院」と答えたのだが、なんかマジで建てられてしまったもの。敗因は梅村が或朱孔の思っている以上に或朱孔のためなら気軽に金を使えてしまう男だったこと。
設備がいいのも、梅村が「おれには医療とかよくわからないし、とりあえず一番高いの買っておけば間違いないよね」というノリで買ったから。
結果として、所属支部の医療施設では治療のための設備が足りないUGNエージェントが来ることもある。
イリーガルが経営しているとはいえ、UGNからは切り離された独自のレネゲイド組織でもある。なのでUGN以外のオーヴァードやレネゲイドビーイングでも治療するし、時と場合によってはFHの患者すら受け入れる。
この病院の職員は皆、どこかしらに鳥のような異形を持っている。彼らは或朱孔と同じ宗教の被害者であり、半端に不死鳥化したもの達。彼らもまた非オーヴァードの社会には二度と出られないため、オーヴァード専門病院である空桜医院を拠り所としている。

ロイス対象について

天美命朔蘭(さくら)

妹。今の或朱孔にとっては唯一の肉親。しかし現在はFHの実験の影響で昏睡状態にあり、空桜医院の特別治療室で眠っている。
特別治療室には梅村が導入した最新鋭の医療ポッドが備えられている。UGN日本支部にもあまり多く導入されてないのに。
実年齢は19歳だが、昏睡状態になった14歳の頃から身体が成長していない。
或朱孔は朔蘭をこの世の何よりも大事にしており、ほぼ常に彼女から誕生日に貰った桜のピンズを身につけている。
というかありていに言ってシスコン。
朔蘭を目覚めさせる方法を探し、あらゆる医療系のオーヴァードにコンタクトを取ったりEXレネゲイドの研究に手を出したりもしている。

梅村朝

FH実験体時代に出会った青年。一人称はおれで、或朱孔のことをあすくんと呼ぶ。女性と見紛う美青年だが、実際のところ或朱孔より若干年上。
オーヴァードだが戦闘能力はほとんどなく、知覚能力に優れている。特に物事の本質を見抜く"審美眼"がずば抜けている。
その能力全てを芸術につぎ込んだ紛れもない天才芸術家であり、絵画彫刻作曲歌唱などあらゆる芸術に精通する。芸術家としての名義は「アーサー・バイソン」で、ボカロなどサブカルでの活動時は「ぐっどもーにんぐP」を名乗る。なお芸術の才能自体はレネゲイド無関係の素であり、知覚の拡張はその才能をさらに発揮するためのツールのようなものに過ぎない。
一方で極度の自由人でもあり、無邪気に周囲に迷惑をかけ散らかす。なのでしょっちゅう或朱孔がキレている。
"不死鳥聖教会"には宗教芸術家兼資金源として囚われており、命じられるままに不死鳥の絵や彫刻を制作していた。その合間に歌っていたところ、歌声に惹かれてやってきた或朱孔に出会う。セルから出られない身の二人は交流を重ね、いつしか腐れ縁めいた奇妙な関係を築くことになる。
後から思えば、あの梅村が出るなと言われたところで大人しくしてるわけがないからきっとなんらかのエフェクトで催眠をかけられていたんだろう、あいつは妙なところが素直なせいで精神干渉に弱いんだ、とは或朱孔の弁。
ただし、人格に影響を与えると芸術の才を損なう恐れがあったためか軟禁以上の催眠はかけられていなかったらしい。
絵を描かせるため比較的快適な環境を用意されていた梅村と違い或朱孔は実験動物めいた扱いを受けていたこともあり、或朱孔にとっての拠り所となる。
そして或朱孔がセルに反乱し脱走する時、朔蘭たちと共に連れ出した。
以後は二人してUGNに保護されていたが、梅村はその間も絵を描いたり教会時代から書き溜めていた曲をネット上で公開したり(成果物そのものはレネゲイド無関係なのでUGNにも許可された)と活動していた。
この辺りになると或朱孔のメンタルが安定してきたので、フリーダムな梅村に対して説教したりキレたり頭を抱える羽目になる。
しばらくして、或朱孔がぽろっと言った「自分の病院とか欲しいな……」を思いっきり真に受けた梅村は、それまで稼いだ金を使って建てた。
まるで欲しがっていた玩具をサプライズプレゼントするような気軽さで、病院を建てた。
或朱孔は当然面食らったしけっこう引いたが、建っちゃったもんはしょうがないので院長になることにした。それが空桜医院である。ちなみに医院にしれっと梅村の部屋もある。
ちなみに関係性を聞かれると「主治医と患者」と答えるが、これは梅村が外に出ると大抵変な怪我(例:酒場で揉めて頭をビンで殴られ、破片が体内に残ったままリザレクトしたなど)をしてくるので、それをキレながら逐一治しているため。あと詳細な関係を語ると非常に面倒なので。

不死鳥聖教会では、単に芸術家の仕事だけではなく他にも仕事があったという。普段より強い洗脳を受けて行ったため記憶は曖昧だが……人の本質を見る審美眼でもって、不死鳥適格者を探していた可能性が高い。
…………梅村朝が病院を建てるなどときおり過剰に或朱孔に施すのは、朔蘭と或朱孔を巻き込んだ遠因のひとつだと思っているが故の罪滅ぼしなのかもしれない。
梅村は決してそうとは言わないし、或朱孔もそれを察しながら何も言わないが。
あとどうせあいつは罪滅ぼしの意図とか無かろうと病院は建てる。そのくらいはする。何?

何故シナリオに登場しないくせにこんな濃いのがいるのかというと、或朱孔自体が別創作からのコンバートであり、元の方でもはや梅村の存在が或朱孔と不可分レベルだからである。梅村の作者の許可はもらってます。
しっかりよその子なので多分卓では出さない。存在だけがある

経歴(長いです)

両親ともに医師の家で育つ。しかし少年の頃は、両親も医者という職業も好きではなかった。二人ともそれなりに優秀だったゆえに忙しく、あまり家に帰ってこなかったから。朔蘭が小学校に入り手がかからなくなってからはその傾向がさらに強まり、ちょうどそのころ思春期だった或朱孔には親と医者という職への憎悪がたぎっていた。
或朱孔にとって家族は朔蘭だけで、その分朔蘭へは愛情深かった。朔蘭にもあまり親との思い出がなく、物心ついてからは或朱孔を親代わりに育った。
思春期も終われば客観的に医師という職業の必要性を理解し、明確に親を憎む気もなくなっていた。だが、自分が医者になるとは考えてもいなかった。そのため、大学も特に医大ではなかった。
事件が起きたのは或朱孔21歳、朔蘭14歳の頃。修学旅行に行った朔蘭は、その後半年帰ってこなかった。
同級生も教師も、帰ってくるまで途中で朔蘭がいなくなったことに気づかなかったという。点呼を欠かしてもいなかったはずなのに。友人らも、いつどこで朔蘭がいなくなったのかわからないし、なぜいないことに気づけなかったのかと自分を責めていた。あまりにも奇妙な失踪だった。
修学旅行先(京都)から自宅周辺までのあらゆる道を何度も捜索したが見つからず。捜索隊の規模がどんどん小さくなっていく中、唐突に自宅近くの路地裏に捨てられているところを発見された。当然何度も捜索した場所だった。
見つかった朔蘭は昏睡状態に陥っていた。身体的には完全な健康……どころか、軽いアレルギーを含めたあらゆる不調が回復した状態になっていたにも拘らず、意識だけが無かった。呼吸はある。脳に損傷はない。薬物の痕跡もない。
この時点でレネゲイド知識のある人物が診ていたなら、通常医療での治療が不可能であることくらいはわかったかもしれない。
しかしこの時点では誰もそれを知る由はない。あらゆる手段が検討あるいは実行されたが、全て効果が無かった。
娘が失踪したと聞いた両親はすぐに飛んできて、できる限りの方法を講じた。そこでやっと、或朱孔は親の愛というものを感じた。
或朱孔自身、大学の勉強を続ける傍ら朔蘭を助ける手段を探した。親の持っていた医術書も読み漁った。それらを読みつくした両親が頭を抱えている以上意味はあまりないとわかっていたが、何もせずにはいられなかった。
何をしても朔蘭が目覚めず、或朱孔も心をすり減らしつつあったころ。唐突に、両親が亡くなった。ほとんど同時に倒れたという。
彼らは朔蘭のために時間を割きながら、それまで受け持っていた患者たちも抱え続けた。それが体と心を蝕みすぎたのだろう。
こうなるから、父も母も苦心した果てに自分たちに構う時間を削っていたのだと或朱孔は知った。何もかもが遅かった。
良心亡き後も朔蘭を助ける手段を探してこそいたが、もはやただの大学生にできることは尽きつつあった。焦燥感だけが募る。心身共に最大に弱っていた時、悪魔が囁いた。
"不死鳥聖教会"なる宗教団体が或朱孔に接触してきたのだ。キミの妹を助けられるかもしれない、なんていかにも甘い言葉を携えて。
聞いたこともない宗教だったし、或朱孔は本来現代日本人としては一般的な程度に神秘の実在を疑う人物だった。つまり、いかにも怪しいその言葉に乗るはずもなかった。……よほど弱っていなければ。
或朱孔はその申し出を受けてしまった。
一応、その宗教団体は実際に病院を運営していたから、朔蘭の移送までは法的に問題のない形で行われた。しかし、そこまでだった。天美命兄妹は、この時点で一般社会から失踪した。
或朱孔と朔蘭が連れてこられたのは、訳の分からない施設……この時の或朱孔には知る由もないが、FHの施設だった。
不死鳥聖教会は伝説の不死鳥、フェニックスを信仰しており、その再誕を目指し活動している宗教団体。彼らは不死鳥が無限の癒しの力を持ち、今は灰となり眠っているがいつか目覚めて自分たちを究極の医療……不老不死へと導いてくれると信じていた。
教会はその灰を聖遺物として信仰していた。それだけならよかったのだが、そこに目を付けたのがFHだった。
彼らが信仰する不死鳥とは、かつて存在した強大な古代種レネゲイドビーイングであるとされる。その灰は特殊なレネゲイドを宿す。
FHはその力を利用しようとした。不死鳥再誕のためには灰の力を利用する必要があると吹き込んだ。
騙し、殺し、洗脳し、段々と教会を乗っ取っていき、そのうち教会はFHセルとなった。
そうして変質した教会は、表向きかつてと変わらない顔をしながら、聖遺物を用いて新しい手段で不死鳥を再誕させようと目論んだ。不死鳥の灰を人体に埋め込み、「新しい不死鳥になってもらう」儀式。つまりは灰に残留したレネゲイドを用いて人間をオーヴァード化させる、ということだ。
キミが不死鳥になれば何物にも敵わない究極の医療を手に入れることができる、それで君の妹を助けられるはずだ……と、或朱孔を連れてきた男は言った。
施設に来た時点で怪しさは感じていたが、今更引き返せるはずもなく或朱孔はそれを了承した。
手術台に寝かされ、麻酔を打たれ……目が覚めた時に真っ先に感じたのは、脚の違和感。
不死鳥の因子を埋め込まれたことによって、或朱孔の肉体は半端に不死鳥へと変質してしまった。
治癒の能力も獲得はしたが、朔蘭には効果がないもの。不死鳥化は不完全だった、ということだ。
それでも、「今までの」候補よりは出来がいい、と喜ばれた。因子の発現が不完全なだけで、もしかしたら完全な不死鳥として覚醒する余地があるかもしれないと言われた。
それから、或朱孔は不死鳥因子を引き出すための訓練を行わされた。一応は彼らの信仰対象になりうる存在として恭しく接されていたが、建前でしかなかった。ほとんど自由な時間はなかったし、訓練自体も苦痛だった。
最も辛かったのは食事。鳥に近い生活によって因子を引き出すためとして、謎のキューブだけを与えられた。加工段階で人間用の栄養も含まれているから安心するといい、と施設の人間は言うが、とても人間の食べるものではなかった。
何より、野生の鳥の主食が何かと、時折キューブからはみ出す節足を見る限り、材料は聞かずとも予想がついた。吐きたかったが、他の食事はない。無理やり飲み込むしかなかった。
そんな生活が2年続き、頬や脇腹など複数個所に羽毛が生えてきた頃。訓練の密度が比較的落ち着いて、施設内ならある程度出歩けるようになった。とはいえ見るところもなく彷徨っているうち、歌を聞いた。
そこに、一人の男がいた。少女と見紛うほどの美しさを持ち、歌を歌いながら絵を描く男。
彼は宗教芸術家として雇われたのだといい、梅村朝と名乗った。
雇われたと言っても、月に数度不死鳥の絵を描いたり彫刻を作ればあとは自由で、しかしここから出てはいけないから気ままに過ごしているのだという。
それから或朱孔は梅村と交流を持つようになった。梅村は「その比類なき芸術性を損なわないため」としてよほど教会に不都合なものでもない限りは望めば与えられる立場にあり、或朱孔はそれをおすそ分けされる形で久しぶりに人間の食べるものを口にした。
また、会話を重ねるうちに或朱孔は久しく失っていた心を取り戻し、自分が人間だったことを思い出した。
梅村としても、"ひよこちゃん"と喋るのは楽しかったらしい。梅村の審美眼を通して見た時、当時の或朱孔は羽ばたく術を知らないまま囚われた小さな鳥に見えた。だから、そう呼んでいた。
奇妙な交流はしばらく続いた。それが終わりを告げたのは、ある日の夜。梅村のもとから帰る或朱孔は、教会の人間の会話を聞いてしまった。
「最近あの不死鳥候補が芸術家とつるんでいるようだが、大丈夫か」
「彼は最も我らが救い主に近い存在です。順調に訓練の成果も出ていますし、少しは自由をやらないと逃げられますよ」
「その心配はあるまい。あの失敗作が首枷になっている」
……それが自分の話だとはすぐにわかった。そして、失敗作と呼ばれているものが何かも。
つまるところ。彼らは、不死鳥候補を拉致して無理やり実験していたのだ。朔蘭はその被害者だった。
朔蘭の体には不死鳥の権能の一部が不老の形で現れたが、それ以外は一切発現せず身体の変化も起きなかった。おまけに意識が眠り続けるというエラーも発生した、教会の言う失敗作だった。
教会は朔蘭を廃棄した。FHの工作員の力を借り、自身の犯行であると割れないように。修学旅行先で拉致したにもかかわらず自宅近くに捨てたのは、最低限の情だったのかもしれない。そんなものはないも同然だが。
それから少しして、念のため廃棄後の朔蘭の様子を見に行った教会員があることに気づく。朔蘭に埋め込んだ不死鳥の灰が、ごくわずかながら或朱孔に反応していることを。これは、或朱孔に高い不死鳥適性があることを示していた。
だから、教会は或朱孔を勧誘した。両親の死後精神が弱っているところを狙い、朔蘭の昏睡が自分たちのせいであることを隠して。
もしかしたら両親の死にも、彼らは関わっていたのかもしれない。それはもはや誰も知らないことだ。
真相を知った或朱孔は、教会に入るなと言われた部屋へと押し入った。そこには、朔蘭と他の不死鳥候補たちが閉じ込められていた。
最優の候補である或朱孔が生まれた時点で、他の候補者らは「いずれ不死鳥が再臨したら治してもらえる」と言われて閉じ込められたのだという。その不死鳥の一部を埋め込んでおいて、失敗作のそれを教会は病のように疎んだ。
右腕だけが翼になったもの、口が嘴になり発話が不可能になったもの、消化器官だけが鳥のそれになり人間の食事ができなくなったものなど、わずかな治癒の力と引き換えに人間として生きる術を奪われた者たちが7人。
それでも彼らは皆善良だった。あるいは、善良であることが不死鳥候補の条件だったのかもしれないが。異形と化してなお、自棄になることなく助け合って生きてきた。
朔蘭に対しても、目覚めない彼女を心配しなんとか起こそうとしていたのだという。或朱孔の身の上を聞いた彼らは皆義憤を抱いてくれた。或朱孔のせいで閉じ込められたとも言える彼らだったが、誰もそうは思っていなかった。
その時、教会員に或朱孔の侵入がバレてしまう。教会員……というよりFHエージェントであったその男は或朱孔を殺そうとした。
しかし候補のひとりから「教会の言う不死鳥は癒しの力だけではなく滅びの炎も扱える」と言う話を聞いていた或朱孔は、土壇場で炎を発現し抵抗。
そのままなだれ込むように大規模な戦闘に発展した。ほとんど教会対或朱孔の多対一だったが、自分の家族をはじめとした多くの人間の人生を使い潰した教会への凄まじい怒りが炎をさらに燃え上がらせ、いちオーヴァードとしては異常な火力に至る。
或朱孔は教会を焼き尽くしていた。人も、物も、建物も。ただし、梅村の描いた宗教画や彫刻はできる限り燃やさないよう努めたし、梅村のアトリエだけはまるまる一室無傷のまま残した。
梅村は何が起きたかわからなかったが、術者が死んだことで催眠は解けた。そして、その日以来或朱孔のことをもうひよこちゃんと呼ぶことはなかった。炎の翼を広げ、羽ばたいたから。
この際に上がった激しい火柱がUGNの目に留まり、或朱孔と朔蘭、梅村、不死鳥候補者たちはUGNに保護されることになった。
しばらくは全員検査を受け、オーヴァードとして生きていく研修を受けた。ちなみに梅村は生まれつきのオーヴァードだったが知覚能力以外の面が常人だったので、この時までレネゲイドの存在すら知らなかったらしい。審美眼によって無意識に他人のレネゲイド特性を見ることはあったようだが。
朔蘭の昏睡については、UGNでも対処ができなかった。或朱孔が怒りのままに焼き尽くしたせいで不死鳥化儀式の資料が焼失したこともあるが、そもそも他の不死鳥候補がそうであったように不死鳥化の影響がどのように出るかはおそらく教会にも把握できていない。下手な手段を打てば朔蘭の死亡、あるいは覚醒したとしても自我の崩壊やジャーム化の可能性があった。
それでも、或朱孔は今までいた教会よりUGNの人間の方が信頼できると思った。むしろ、不安定な手段を取らない誠実さを好ましく思った。それは両親の持っていた医者の矜持にも似ていたし、怪しい宗教に縋った己の罪でもあったから。
以来或朱孔はUGNイリーガルとして活動している。軽口を真に受けた梅村が建てやがった病院の院長としてオーヴァードの患者を受け入れる一方で、独自に朔蘭の覚醒手段を探るため医療系オーヴァードや遺産を探して回っている。

余談

梅村朝との関係は本当に色々あるのだが、地雷への配慮やシナリオに出てこない奴の話を延々するのも違うだろという理由で割愛している。コンバート元の時空での話でもあるし。

 

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 64

チャットパレット