“屍食鬼”飯降 琥太郎
プレイヤー:ナイ
「お腹すいたぁ…食べていーい?」
- 年齢
- 23
- 性別
- 男
- 星座
- 魚座
- 身長
- 178
- 体重
- 60
- 血液型
- 不明
- ワークス
- FHマーセナリー
- カヴァー
- フリーター
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- キュマイラ
- エグザイル
- HP最大値
- 37
- 常備化ポイント
- 4
- 財産ポイント
- 2
- 行動値
- 3
- 戦闘移動
- 8
- 全力移動
- 16
経験点
- 消費
- +34
- 未使用
- 0
ライフパス
| 出自 | とある集落の長の末息子だった。優しい長兄と明るい次兄、働き者な父と料理上手な母。凄く幸せな暮らしだった。…あの頃の飯は、美味しかったなぁ。 | |
|---|---|---|
| 犯罪者の子 | ||
| 経験 | 目が覚めたあの日、僕は逃げ出した。邪魔者の喉仏を噛み千切り、腹を引き裂き、四肢を引き千切り、頭を叩き潰して。間抜けの殻となった研究所の外から、ただひたすらに遠くへ、遠くへ!…まあ結局、別のセルとは言え、戻って来てしまったんだけどね。 | |
| 逃走 | ||
| 欲望 | どんなご飯でも、お腹が空っぽのままだった。空腹感が、拭えなかった。…わかっていた。自身が食べていた物の正体も、社会が本当の意味で僕を受け入れる事が無い事も。…それでも、やっと見つけたんだ。この場所を。ここにいれば、僕は美味しいご飯が食べられる! | |
| 居場所 | ||
| 覚醒 | 侵蝕値 | 両親が捕まって、3人兄弟はバラバラになった。僕はというと、引取先の孤児院で売り払われ、怪しげな研究所で実験体にされ…そして… |
| 素体 | 16 | |
| 衝動 | 侵蝕値 | お腹が空いた。お腹がすいた。お腹がすいた。何を食っても満たされない。何を飲んでも、満たされない。四六時中食べて、食べて、食べて、食べたとしても…怪物である事を受け入れたこの身体は、コレ以外じゃ満たされない。…これ以外を、受け付けない。…ほら、懐かしい味に、心が満たされていく。 |
| 飢餓 | 14 | |
| 侵蝕率基本値 | 30 | |
能力値
| 肉体 | 8 | 感覚 | 1 | 精神 | 1 | 社会 | 2 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シンドローム | 3+2 | シンドローム | 0+1 | シンドローム | 0+0 | シンドローム | 1+1 |
| ワークス | 1 | ワークス | ワークス | ワークス | |||
| 成長 | 成長 | 成長 | 成長 | ||||
| その他修正 | 2 | その他修正 | その他修正 | 1 | その他修正 | ||
| 白兵 | 1 | 射撃 | RC | 交渉 | |||
| 回避 | 知覚 | 1 | 意志 | 1 | 調達 | ||
| 運転:二輪 | 2 | 情報:FH | 1 |
ロイス
| 関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Dロイス | 実験体 | ― | |||||
| 家族 | 懐旧 | / | 無関心 | 逮捕された両親と、バラバラの所へ行ったらしい兄達。今はどうしているんだろう。…なんて、他人行儀に想っている。 | |||
| FH | 執着 | / | 不安 | 日常を取り上げた組織であると同時に、自身の嗜好から一般社会で生きて行けない彼の唯一の居場所。それ故に昔1つの研究セルを壊滅状態にしてしまった事を気にしている。 | |||
| 坂月那岐 | 感服 | / | 敵愾心 | 何度も何度も戦って、勝負のついていない女。もしも殺せたら美味しく料理してやろうと思っている。そんな彼女ですら倒せないというゼノスメンバー、どんな味がするんだろうか。 | |||
| ― | |||||||
| ― | |||||||
| ― | |||||||
エフェクト
| 種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
| (Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
| ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
| 非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
| コンセントレイト:エグザイル | 2 | メジャーアクション | シンドローム | ― | 自身 | ― | 2 | ||
| C値-Lv(下限7) | |||||||||
| 伸縮腕 | 2 | メジャーアクション | 〈白兵〉 | 対決 | ― | 視界 | 2 | ― | |
| 攻撃の射程を視界に変更。判定ダイスを-[3-Lv]する。 | |||||||||
| 完全獣化 | 1 | マイナーアクション | 〈白兵〉 | 自動成功 | 自身 | ― | 6 | ― | |
| 判定のダイス+[Lv+2]。素手以外装備不可。 | |||||||||
| 破壊の爪 | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ― | |
| 素手のデータを書き換える。 種別:白兵 技能:〈白兵〉 命中:0 攻撃力:+[Lv+8] ガード値:1 射程:至近 | |||||||||
| 獣の力 | 5 | メジャーアクション | 〈白兵〉 | 対決 | 単体 | 武器 | 2 | ― | |
| 白兵の攻撃力+[Lv*2] | |||||||||
| 獣王の力 | 1 | メジャーアクション | 〈白兵〉 | 対決 | ― | 武器 | 3 | リミット | |
| 獣の力の効果を このエフィクトを組み合わせた白兵攻撃の攻撃力を+[Lv*4]する にする。 | |||||||||
| フルパワーアタック | 2 | セットアッププロセス | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 4 | 80% | |
| ラウンド中の攻撃力を+[Lv*5]する。ただし、【行動値】は0になる。 | |||||||||
| ジャイアントグロウス | 2 | メジャーアクション | 〈白兵〉 | 対決 | ― | 武器 | 5 | 100% | |
| 白兵攻撃の対象を範囲(変更)に変更。攻撃力+2D。シナリオLv回。 | |||||||||
| 超人的代謝 | 1 | 常時 | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ー | ― | |
| 代謝機能が優れている。データとして処理されない程度の怪我や病気がすぐに治る。酒に酔わない。ただし、大量のカロリーを必要とするようになる。 | |||||||||
| 眠れる遺伝子 | 1 | 常時 | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ー | ― | |
| 常に動物の姿で日常を過ごすエフィクト(見た目のみ)。誰かが見破ろうとした場合は〈知覚〉同士による対決を行う。 | |||||||||
コンボ
屍食鬼の遠吠え
- 組み合わせ
- 完全獣化+破壊の爪
- タイミング
- マイナーアクション
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 9
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 100%以上
屍食鬼の牙
- 組み合わせ
- コンセントレイト:エグザイル+獣の力+獣王の力+伸縮腕
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 対決
- 対象
- 射程
- 視界
- 侵蝕値
- 9
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 8+2+DB
- 8
- 1
- 29
- 100%以上
- 8
- 1
- 8+2+DB
屍食鬼の顎
- 組み合わせ
- コンセントレイト:エグザイル+獣の力+獣王の力+伸縮腕+フルパワーアタック
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 対決
- 対象
- 単体
- 射程
- 視界
- 侵蝕値
- 13
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 80%以上
- 8+2+DB
- 8
- 1
- 39
- 100%以上
- 8
- 1
- 8+2+DB
屍食鬼の晩餐
- 組み合わせ
- コンセントレイト:エグザイル+獣の力+獣王の力+伸縮腕 +フルパワーアタック+ジャイアントグロウス
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 対決
- 対象
- 範囲(選択)
- 射程
- 視界
- 侵蝕値
- 18
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%以上
- 8+4+DB
- 7
- 1
- +2D+49
- 8+4+DB
| 一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
|---|---|---|---|---|---|
| カジュアル | 0 | その他 | 特売のTシャツとズボン。あと下着類。 | ||
| 携帯電話 | 0 | その他 | やっすい携帯電話。主にFHからの依頼用。 | ||
| コネ:噂好きの友人 | 1 | コネ | 〈情報:噂話〉 | 〈情報:噂話〉のダイスに+2/噂好きの友人。バ先の主婦のおばちゃん方とも言う。 | |
| コネ:手配師 | 1 | コネ | 〈調達〉 | 〈調達〉のダイスに+3する。シナリオ1回/横流し品などを扱うフィクサー…なのだが、彼が買うのは主に食料品 |
経験点計算
| 能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用| 0
| 0
| 164
| 0
| 0
| 164
| 0/164
| |
|---|
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿・経歴・その他メモ
地域密着型スーパーのパートを夕方勤務でやっている。
それ以外の時間帯は主に野良犬として過ごしており、通行人に餌をせびったりゴロゴロしたりしながらのんべんだらりと暮らしている。
レネゲイドウイルスに発症してから非常に燃費が悪くなってしまい、常に何かしら食べている。
しかし、人肉を好んでいる…というより、人肉が入っていない料理を大量に食べると吐いてしまう為、その調達の為にFHに協力している。
人肉を食べる事に対して特に罪悪感を抱いたりはしていないが、人肉を食べる限りは完全に社会に溶け込む事が出来ないので困るなぁと思っている。
飯降村についての記述①
飯降山という昔話がある。
それは、とある山で厳粛な修行をする、"真面目な尼僧達"の話だ。
尼僧達は、若い娘と中年の女性、そして年寄りの3人が居て、特に年寄りの尼僧は一介の木こりに「修行を積めばこんなにも穏やかな顔になるのか」と思わせる程の尊顔であった。
修行は過酷な物で、獣食を禁じられていた彼女達はキノコや山菜などを食べて生き延びていたが、冬に差し掛かり、それらは無くなってしまった。
食べる物が無くなり途方に暮れた3人の尼僧の元に3つのおにぎりが降ってくる。
最初は一つずつ分け合っていたおにぎり。恵みの食物も、慣れて来れば、もの足りなくなった。
そんなある日に、若い尼僧が死んだ。鳥の焼き後を見つけ、崖でその鳥のために祈っていたところを突き落とされたのだった。降ってくるおにぎりは、2つに減った。
次は中年の尼僧だった。若い尼僧のために祈っていたところを年寄りの尼僧に突き落とされたのだった。もうおにぎりは、降って来なかった。
慈悲は、食い尽くしてしまった。
冬が来て、それを傍観していた木こりも、山を降りる。小さく失望を滲ませて。
年寄りの尼僧に、食べられる物は無かった。
そのはずであった。
冬が明け、木こりが戻ってくる。
全身ぼろぼろの、まるで山姥のように変貌した、尊顔の老婆がそこにいた。驚く木こりに老婆は…かつて、尼僧であった彼女は、その変わり果てた風貌で言うのだ、「私ですよ」と。この山は後に、飯降山と呼ばれた。
…これが、飯降山という昔話だ。
飯降村についての記述②
飯降山の話では、3人は三つのおにぎりを、神の恵みと考えた。しかし、神の恵みと尊んだ筈のおにぎりを、少しでも多く得るために、彼女達は争い、殺し合い、そして強者だけが残った。
そんな恐ろしい話が実際に起こった話であるとは、組織的な大量殺人の容疑で福井県の飯降山の中に隠れるようにあった、飯降村(地図未登録)の満14歳以上が逮捕、またそれ以外が少年院入りとなった事件で、その通報者である、飯降村で"村長"と呼ばれていた男の長男と次男、その二人が語ったものの一つであった。
曰く、昔話である飯降山に登場した木こり、というのが村里の地主の直系一族の一人であったらしかった。彼女らを食べる為に近付いた彼は、しかし植物のみで飢えを凌ぎ、しかしその植物すら無くなって痩せ細った彼女達を不憫に思った。だから、彼女達を食べるのは、暫くの間米の味を楽しんで貰い、太らせた後だ、と考えたらしかった。しかし、その暫くの間が経つ前に一番若く美味しそうだった尼僧は死に、直ぐに2番目に美味しそうだった中年の尼僧も死んだ。同情心が無駄だった事を悟った木こりは、皮と骨ばかりで食べるところの無い、年老いた尼僧しか残らなかった事に心底がっかりしながら、冬の訪れと共に帰った。その後彼は獲物を狩る時は同情心から先延ばしにする事は無く、沢山の獲物を狩って村の食料を取るのに貢献した、と語り継がれていた、という話であった。
飯降村についての記述③
飯降村では簡単な数学や国語、理科や英語といった一般教養の他、8歳からは食育について、9歳からは人の狩り方や皮の剥ぎ方、血抜きの仕方や解体方法、調理方法に加工方法と言った、人を食べる為の事を勉強させられていたらしい。
道徳や社会科と言った、所謂一般教養を教わる機会は無く、代わりに村の宗教についてと、村での歪んだ常識…村民以外の人間は狩る、もしくは若い人間ならば生捕りにしろ、と教わる。そうして血が濃くなりすぎるのを防いでいたそうだ。
彼等はそれらの事を"勉強"し、そして13歳となる年に一人前と認められ、狩りに行くのを許される。
人肉を食べるのは飯降村独自の宗教による物であり、「人の肉は神聖な物であり、取り込むべきものである」、「獣の肉は穢れた物で、食べてはいけない物である」と教え込まれるらしい。獣肉を食べるのは罪人と、幼い子供だけのみであり、罪人には獣肉を強い毒で漬け込んだ物を食させる。死ねばその罪は死と同時に消え、死ななければ穢れと同時に罪を消化し、罪が祓われると考えられているらしい。また、もしも前世の罪が残っているといけないので、子供が7歳になるまでは、獣肉に毒を少量盛った物を食べさせて、罪を祓う。それで死んだ場合は、前世の罪が重かったのだとして、食べて供養する。逆に7歳まで生き延びた場合には、清らかな肉である人肉を食べさせ、祝福するという風習がある。…それにより、人肉が1番安全な食用肉であるという印象を刷り込まれるのだと彼らは語った。
飯降村についての記述④
彼等は、当時14歳と16歳だった。当然"狩り"の許可も出ており、またそれを当然として行っていたらしい。
しかし、何かがおかしいとは感じていたようで、他の住人に隠れて、何度か"獲物"の余所者と話をしていたらしい。その事により、村への疑心はより深まっていったという。
しかし、彼等はまだ未成年で、現代社会においては庇護されるべき年齢だ。親や他の大人に逆らうという決意は並大抵の事では無かったであろう。
それでも尚、彼等が通報をした理由として、歳の離れた弟…村長家の三男の存在があった。
彼等の弟は、当時はまだ8歳で、"食育"は始まったばかり。自身の食べている肉が人間の物である事すら良くわかっていなかった。
そんな弟を、村の人々がおかしいと知って尚、"人殺し"に堕とす事がどうしても嫌だった、と彼等は語った。…彼等が願った通り、彼等の弟は児童養護施設で保護されている。
最後に彼等は言った。村人全員に、然るべき刑を課して欲しい、と。
後に次男は少年院へ、長男は20年の懲役と決まった。また、その他の村の18歳未満の子供達の扱いは、狩りやその手伝いなどをしていない13歳以下は児童養護施設へ。それ以外は少年院行きか、殺した数に応じた長さの懲役となり、18歳以上は終身刑か無期懲役と判決された。
何も知らない少年の話
むかーしむかし…ほどむかしじゃあないけれど、飯降村っていう村で生まれ育った少年がいた。…まあ、僕のことなんだけど。
少年には、歳の離れた2人の優しいお兄ちゃんと、料理上手なお母さん、狩りの上手なお父さんが居て、楽しく一緒に暮らしていた。
上のお兄ちゃんは頭が良くて、学校でも習わないような問題の解き方とか、お話とかをしてくれた。どこで聞いたのか教えてくれないから、大きくなったら教えて欲しいなって思ってた。
下のお兄ちゃんはとても優しくしてくれて、木のみとか、お菓子とか、そういうものをこっそり分けてくれた。たまにご飯が入らなくって、お母さんに怒られたけど、それでも貰ったら嬉しくって、美味しくって、ついつい沢山食べちゃうんだぁ。
お父さんは、村長と呼ばれていて、とっても偉い人らしかった。とっても強くてかっこよくって、いつかお父さんと狩りに行きたいって思ってた。
お母さんは、とっても料理上手で、特に肉料理が上手だった。でも、悪い事をしたときの料理は、色んな味だけど、ピリピリして、気持ち悪くって、痛くなるからあんまり美味しくなくって、大嫌いだった。…けもの肉?ってやつらしい。
村の人達も優しくて、歳が近い子はあまり多くは無いけど、狩りが上手な人がいっぱいいたんだよ。
僕は、は家族みんなが大好きで、村のみんなも大好きだった。みんなずっと一緒だって思ってた。なのに…
みんな、捕まっちゃったらしい。なんだか、悪いことをしていたんだって。
しけいっていうものになっちゃったんだって。きっと、美味しくない肉を食べさせられちゃうんだろうな。ずっと眠っちゃうくらい沢山食べさせられちゃうんだろうなぁ。昔悪い事をしたおじさんといっしょ。
お兄ちゃん達と僕は、違う所でくらすことになるみたいだった。
もうずっと会えなくなっちゃうみたいで、寂しいなぁって、そんなことを思いながら、僕は児童養護施設へ行ったんだ。
…あの頃はね、自分が変だって事にも気が付いていなかったんだ。
もし、気付かないままでいられたなら、今こんなに寂しくなかったのかな…
実験体No.929について
実験体No.929
・実験内容
レネゲイドウィルスの過剰投与によるオーヴァード覚醒実験及び、超血統型オーヴァードの人為的生成
・素体について
髪色:灰色
年齢:15歳
身長:178cm
体重:44kg
備考:児童養護施設から買取。体重が低いのは元々の育ちから、肉を食べようとしないことから筋肉量が少ない為。人肉食を行う村の出身であり、その事がレネゲイドウイルスにどのような作用を及ぼすか不明。非常に大人しく、実験が成功した場合でも暴れる可能性は低いと思われる。
・実験の経過
1.体力が無く、体も出来ていなかった為、実験体の生存率上昇の為栄養剤を投与した。
2.10日間経過を観察。問題無い様子であったので、動物因子を持ったレネゲイドウィルスの投与を始める。
3.投与から3日経過。未だレネゲイドウィルスは作用していない様子。引き続き経過を観察する。
4.投与から1週間経過。無事感染発症した様子。引き続き経過を待つ。
5.投与から2週間経過。姿が犬に変わる。サモエドのように見えるが、色が灰色であった。動物因子の発現を確認した為、更に経過を観察。
6.投与から4週間が経過。侵蝕度が理論上のジャーム化濃度の直前まで上がった為、投与を終了。
7.能力の使用実験で問題発生。手が変形し、伸縮することを確認。【シンドローム:エグザイル】の発症を確認。
8.検査の結果、人肉食の影響である事が判明。どうやらエグザイル因子を持った人間を吸収していた様子だった。
実験は失敗。実験体No.929は破棄とする。
FHオーヴァード研究所福井第八セル壊滅事件及びその後の実験体No.929について。
実験が失敗に終わり、彼の破棄が決まった頃…
彼は、かつてない程の空腹に苛まれていた。
更に悪い事に、研究所の彼等は彼の処分方法を、拘束して独房で放置、と決めてしまった。
ただでさえ研究所の栄養剤では足りなかったのに、それすらも無くなったのなら尚の事。空腹だ。空腹だ。空腹だ。…それだけが、彼の頭を支配していた。
見張りに来た職員の白い肌を見て彼は思う。
…なんだか、おにぎりみたいで美味しそうだなぁ…
そう思ったら早かった。首を伸ばして、その白い肌にかぶりつく。
顎の力だけで頰肉を引きちぎり、咀嚼する。
つんざくような悲鳴が上がる。
なんだか、懐かしい味だった。昔村で食べていた味。…そうか、あの肉は。
彼は、独房から抜け出て、四つ足で駆ける。
彼を止めようと近付く大人達の…喉仏を喰い千切る。頭を叩き割り、溢れ出る血を啜る。腕をもぎ取り、肉を齧る。
美味しい!美味しい!美味しい!美味しい!
やがて見える範囲に人が居なくなって、彼は歓喜のままに駆ける。
久しぶりの外で、遠吠えのような雄叫びを上げて。
遠くへ、遠くへと駆ける。
彼が理性を取り戻した時は、既に数十人の犠牲が出た後だった。
罪悪感は無く、ただ代わりに、彼は困り果ててしまった。
人殺しは悪い事らしいから、怒られちゃうなぁ、と。
他人事のように考えて、彼は遠くへ歩き続けた。
その後の彼は、各地を転々とした。
時に履歴書の要らないバイトをして食い扶持を稼ぎ、時に野良犬としておこぼれを貰い、それでもやはり足りなくなって、人を殺して喰らいながら。
そしてそれは、ある商店街で返り討ちに合って捕まり、痛め付けられ…紆余曲折あって、協力するようになるまで続いた。
セッション履歴
| No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
|---|---|---|---|---|---|
| フルスクラッチ作成 | 34 | ||||
| 1 | 2021/04/17 | deadmans-cruise | 松神 | チャタラピ丸耳たぶ犬ナイもくず |