容姿・経歴・その他メモ

九重市で時計専門店を個人経営している技術者。
値段そこそこの時計でも時間を合わせる手間が少ないと評判だ。
妥協を許さず作った結果、とんでもなく値の張る宝石を仕入れてしまって請求書で頭を抱えるとかなんとか。
とはいえ結局は黒字になっているのだから、腕前は推して知るべし。

そんな知る人ぞ知る名店は、亡き祖父の跡を継いだものだ。
大企業の技術者として働き始め誰からも祝福されるような人生を歩むはずだったが、覚醒を期に辞職してしまう。
本人曰く、「説明を聞いてると人間関係面倒くさくなりそうだから、いいやと思って」……とのこと。
そして、祖父以外に誰も使ったことのない工房で一緒に時計を作り始めた。
個人経営の店は少なくとも大企業で働くよりずっと口数少なく済みそうだったし、何より祖父には子供のころいたく可愛がってもらったからだ。
たった数年間の思い出だった。
時計作りを学び始めた頃には祖父は既に90歳を越えていたにも関わらず、肩を壊そうが車椅子になろうが一日たりとも工房に立たない日がなかった。
「もう学び始めた時から耄碌してて何に怒鳴ってるんだか分かんねえ頑固ジジイだったよ。でも、時計に対する熱意だけは確かでさぁ……”店を継いでくれ”って呼吸器外してまで言いやがったんだから」
今でも彼の工房は、亡き祖父と彼以外が踏み入ったことはない。
自分以外誰も入らせないと日頃から言い張っていた祖父のこだわりを今でも守っているそうな。
──最後の最後まで甘やかされちゃったなあ、と彼は頭を掻く。

……さて、そんな彼だが。
全身をボロボロにしながらも時計に向き合い続ける祖父を間近で見てきたため、良くも悪くも自分を顧みないところがある。
時計の製作のためなら徹夜も辞さない、戦闘でも皆生きてるならそれで良し。
エージェントですらびっくりするレベルで「無事」のハードルが低く、邪毒塗れになって血を吐きながら支部に戻ってきても「体動いてるから平気平気～！」と笑顔で手を振っていた。（なお、そのあと絶対安静を言い渡されて時計作りたい時計作りたいと大層うるさかった模様。）
更に職人らしい一本気と頑固さで、戦略そのものに口出しすることは門外漢であるためほとんど無いものの、事件後に当事者への処遇で大揉めすることが多い。特に考え方が真逆の人間と組んでしまうとどちらかが根負けするまで口論する羽目になる。
できるだけ普通の生活を送ってほしいという普通の感性で動いているので、なかなか否定もしきれないという厄介なオマケつき。

時計作りが魂そのものであるにも関わらずイリーガルとして登録しているのは、覚醒した時にまだ幼い女の子がジャームに頭から食べられてしまうのを見たからだ。
将来自分が作った時計を身につけるかもしれなかったあの子。
壁に穴を開けるほど悔やんだ夜を、忘れることはない。

履歴

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能力測定
【物理強度】標準
【戦場機動】標準
【生理的耐性】優秀
【戦術立案】普通
【戦闘技術】普通
【レネゲイド適正】標準

セッション履歴