「左を見ろ！」

「馬鹿め! こっちは右だ!!」

神輿島にて情報屋と調達屋を営む、自称[募蒐屋]の成人男性。
昼は喫茶、夜はバー［Barエルドラド］のオーナーも兼業している。
仕事は多岐に渡るようで、朝は遅刻しそうな学生の届け屋、昼は猫の捜索屋や観光客の案内屋、夜はBarでの情報屋等々。
ただし固定の仕事があるわけではないので、何も無ければ暇そうに釣りをしている姿が目撃されている。

「誰だ、余のことを「要するに便利屋」だと言ったヤツは！！ブッ[不適切な発言により検閲されました]」

本名は[ناراسين بن راشد الفيدا]

「エ、読めなイ？仕方ねェなァ」

カタカナ表記だと[ナラシン・ビン・ラシド・アール・ヴェーダ]
文字列が長くなるので、記入する際は[鳴神・BAR・上田]と記入している。
幼少期にアラブ首長国連邦はドバイからやってきた、母親が日本人の日系アラブ人。
神輿島の海外研修制度を両親が気に入り、父親の「息子の成長のために島に送ってみるか」という思いつきの元で送還された。
当の父母は共に仕事で多忙であり、島には自身とお付きの使用人二人と来ているため島民は父母の顔を知らない。
何なら使用人も当時高校生のため、姉弟の高校入学の際に何故か弟がついてきた程度の認識であった。
余談にも記載するが、別に家族間で仲が悪い等は一切ない、本当に忙しいだけである。

割と黒歴史だったな、と思っている。

島の高校には通っていたが、来島及び能力に覚醒したのは8歳の頃であり割と早い段階での覚醒。
幼少期から金に困る生活はしていないというクソガキであった。ある日、金ではどうにも出来ない事態が発生。
普通であればそこで覚醒させるのは、暴力方面になると思うのだが…クソガキは手持ちの金を更に増やすという方面に覚醒。
今の資金でどうにも出来ないのであれば、更なる資金で殴るという方面に覚醒した。
暴力方面に目覚めなかったのは幸いといえるのかもしれないが、結果としてクソガキは満たされないままに成長した。
その成長過程で支部長には多大なる迷惑をかけた、ということも自覚はしているため、これ以上は迷惑をかけないようにしよう。と

島に引きこもりがいたら家に押しかけドアを破壊し修理費を払い、学校の催しで物が足りないと島外から速達で取り寄せ、釣りがしたいと思ったらフルカスタムされた電動リールを買ってくる。
成長したクソガキは、成長してもクソガキである

ちなみに満たされない生活が嫌だったのか、高校時代に彼女を作っては別れる。悪い遊びを覚えるという生活に傾倒していた時期がある。
その中でもPC1との交友が続いていたために、何かしろ感じるものがあるようで、PC1のことは何かと目にかけていた。ガキ大将としての面があったのだと、個人で納得していた。

ちなみに実家との関係が悪いわけではなく、普通に連絡も取っているし長期休暇には実家に帰っている。
ただあまり帰らない理由として「実家が太すぎる」というのがある。
端的に言って、面倒なのだ。

「帰るとな、余に家の仕事をイくつか継がせよウとしてくるンだ。もう嫌になっちゃってェ…」

そんな彼は父母と[25歳までは好きにしていい]という約定を取り付けている。
それは基本誰にも教えることはないし、その日が来たらフラリと消えるだろう。
だが、それまでの間ではあるが、ナラシンはこの生活を限界まで楽しもうと決めているのだ。

ここには何もないんだなぁ！