ぼくは普通の子とは何か違ったらしい。
でも何が違うのかわからなくて、どうしたら普通か知りたくて。
だからたくさん聞いたけど、何が違うかやっぱりわからなくて。
今度はぼくの中にある違うものを探そうとした。
あぶないものは持っちゃダメって言われてるから、目を閉じて、感じてみる。
胸に手を当てる。とくんとくんって、ママより小さくて早い音。
ほっぺに手を当てる。むにむにって、パパより柔らかくてすべすべしてる。
目に手を当てる。暗いのに光ってるのがあって、ふわふわきゅーって動いてて。
それを追いかけてたら、ぱちって小さな花火が見えて目を開けちゃった。
もう一度目を閉じて、また花火を探す。
きっとあれがぼくの違うものだから、あれが何かわかったらきっとぼくも普通になれるんだって。
普通がわかんないのに、そう思った。
真っ暗のふわふわをぐるぐる見て花火を探す。
真っ暗なのにチカッとして、ぎゅっと目を閉じてそれを追いかける。
花火と思っていたそれはちゃんと見たらピカピカはしてなくて、ふわふわしたのがぎゅって固まったみたいで。
これも見ているうちに形が変わるのかなって思ってたら、白っぽいのが大きくなって、でも黒くて、
だんだん大きくなって、こっちに来てて、
ぼくを　みて　て

それからの記憶は、とてもぼんやりしてる。
体が痛くて、目がすごく痛かったのはおぼえてる。
白いところにいて、だれかが話してて、