「こんまなね〜！今日も響かせ私の歌声！アイドルVtuberの愛音響だよ〜！」

2020年3月9日デビュー。ありふれたアイドルVtuber。それが愛音響だ。彼女は歌うことが大好きであり、自分の歌を世界に響かせたいという夢を持って活動している。活動5周年を迎え、チャンネル登録者数は200万人を達成している。

好奇心旺盛で、やりたい事が見つかったらすぐに実践する。特に歌に関しての熱意は高く、自ら作詞作曲をしている。また、非常に無垢な性格をしており、リスナーからは「純粋すぎる天使」と称されている。

彼女は「Vtuber」のレネゲイドビーイングである。Vtuberという文化が世間に浸透し、Vtuberが市民権を得た時代。ネットに転がる様々なVtuberの概念により生まれたのが「愛音響」というレネゲイドビーイングだ。

最初は「それ」はただのデータだった。「それ」はネットを彷徨ううちにレネゲイドビーイングとしての自覚を持つようになった。自分は「Vtuber」のレネゲイドビーイングなのだと。しかし、「それ」には身体もなく声もない。困っていると、「それ」は何者かの気配を察知した。その気配に誘われるようにとあるPCに入り込むと、そこにあったのは「それ」に対するメッセージだった。
「おめでとう、『Vtuber』のレネゲイドビーイング。不完全な君に身体と声をプレゼントしよう。」
そして、付属されていたデータを見ると、そこには
Vtuber活動をするにあたって必要なデータが全て揃っていた。Vtuberのボディ、人間としか認識できないほど精巧な機械音声、配信プラットフォームなどのSNSのアカウント。「それ」は早速そのデータを取り込み、同時に「愛音響」という名を自分自身に命名し、「Vtuber 愛音響」と成った。すると、今度はSNSの方にメッセージが届いた。
「おめでとう、『Vtuber』のレネゲイドビーイング。身体と声を手にした事で、君は『Vtuber』として完成した。名前は「愛音響」か、いい名前だ。これからは君の思うように活動していくといい。」
「私に身体と声をくれてありがとう。でも、あなたは誰?なぜここまで親切にしてくれるの？」
「自己紹介が遅れたね。私は都築京香。レネゲイドビーイングの進化と繁栄を目指す組織、『ゼノス』の統率者だ。君に身体と声をプレゼントしたのも、ひいてはレネゲイドビーイングの繁栄のためだ。そこでどうだい、ゼノスに入ってみる気はあるかい？」
「ゼノスに入ったら、私は何をするの？」
「普段は特に何もしなくて良い。ただ、組織からの依頼があればできる限り答えてもらえると嬉しい。」
「わかったわ、この身体の恩もあるし、できる限りの協力はするわ。」
「そう言ってくれると思っていたよ、ありがとう愛音響。仲良くやっていこう。」
そのメッセージを最後に、都築京香と名乗る人物とのやり取りは一旦幕を閉じた。その後、彼女は配信を開始。ゼノスはたまに彼女に接触し、指令を与えている。

UGNにはオーヴァードを見つけるための装置がある。とあるUGN支部の一室、その近くでVtuberの愛音響の配信を見てサボっている職員がいた。トイレに行こうとしてたまたま手が当たってしまい、装置の電源が入った。すると、装置に反応があった。初めは自分自身の反応かと思ったが、すぐに違うと気づいた。その装置は、未発見のオーヴァードを見つけるための装置であり、既に登録されているオーヴァードには反応しないものだったからだ。それでは何に反応してるのか。調べようと思いスマホをロックしたところ、装置の反応が止まった。誤作動かと思い装置の電源を切らないまま配信の視聴を再開したところ、また装置が反応した。流石に何かおかしいと気づいた職員は、装置の管理人を呼び、原因を確かめた。そしてわかった事、装置は愛音響に反応していた。UGNは急いで愛音響にコンタクトを取った。そして、彼女がVtuberのレネゲイドビーイングであること、ゼノス（都築京香）によって身体を与えられた事を知った。正確にはゼノスに属してはいるものの、響本人の自覚はただのお手伝いのため、UGNにはゼノスには身体もらった恩を返しているだけと証言した。UGNは明らかに問題になりかねない彼女の処遇をどうするか考えたが、彼女の純粋さから利用した方が早いと考え、イリーガルとして手伝いをしてほしいと願い出た。彼女は快くそれを引き受けた。そして、彼女はゼノス兼UGN所属となった。

ゼノスからの指令でシャルヴを探していた彼女は、蒼雲町にシャルヴが現れると言う情報を掴んだことで蒼雲町に赴く事になる。