容姿・経歴・その他メモ

グレーの毛髪とそれより少し明るいくらいの瞳をもつ青年。幼げな顔つきに社会経験の少なさが滲んでいる。
キュマイラとしてヒグマに変身する能力をもち、変身時は腕に近いほうから黒に近い青みがかった茶色へと変色する。


勇緋は生まれながらのオーヴァードだった。キュマイラとしての変身元がヒグマなこともあり、傍から見れば正に化け物だっただろう。
両親はそんな勇緋を受け入れこそしてくれたものの、普通の子どもと同じように育つことは許されなかった。何かの拍子にオーヴァードであることが露見してしまうことを、そして他の人間に危害を加えてしまうことを恐れた両親は、勇緋を幼稚園や学校に通わせることなく、家だけで教育を完結できる環境を整えたのだ。
また両親としても、勇緋が普通でないことから目を背けようとする節があったようで、父は家庭から逃げるように仕事に打ち込むようになったし、母は普段の生活のなかで、特に自分の目の前で能力を使わないよう、勇緋に厳しく言いつけていた。

幼少期、他の人間との関わりが極端に薄い生活のなかで、勇緋にとって唯一友達といえる相手が従妹の「大柳 さや」だった。勇緋の方が半年だけ早生まれなため“従妹”だが、実質おなえどしの彼女とは物心つく前から交流があった。
母親の監視下で、週にいちど程度しか会って遊ぶ機会はなかったが、幼い2人が友達であるにはそれで十分だったのだろう。さやが幼稚園に入ってからも、そして小学校に入ってからもしばらくその関係は続いていた。
しかしそんなある日、ちょっとした事故によって勇緋はさやを守るためにオーヴァード能力を目の前で使ってしまう。それを機に母親はさやと勇緋を引き離し、2人が遊ぶことはなくなってしまった。親の話では、さやはその事故によって精神的にショックを受け心に傷を負ってしまったのだと聞いた。
以来、両親も勇緋自身も他者との直接の関わりを恐れ、そのままほとんど他者と関わらず（特に同年代）に箱入りで育てられていた。

18歳の誕生日、母親に折り入って話があると言われた。霧谷雄冴という人物が、是非勇緋を引き取りたいと申し出ていると。勇緋がUGNエージェントとなるきっかけだった。

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