容姿と性格

「ちょっとぼさっとしたツインテールにやる気のないジト目がかわいいひまりちゃんだよ。よろしくね。」
メイド服は仕事着兼私服。というかこれしか服を持っていない。着替える時は≪天使の外套≫を使う。
体のラインが細く非力。重いものは短機関銃しか持てない。メガネは伊達。
好物は金色の飴。嫌いなものはとくになし。

諸事情により学校に行けていないので教養は低いが、決して頭が悪いわけではない。
その代わりに反社の鉄砲玉や暗殺をしていたのでそういった事情にも詳しい。

悪食。出されれば砂でも虫でも紙でも食べる。
ティッシュをおやつ感覚で食べる癖を周りに言われてもやめようとしている。
昔UGNの大事な書類を食べてしまったことがあり、職員からしばしば食べ物の差し入れをもらっている。
機能不全の家庭で育ったため、あまり感情の発露は得意でなく、関心する事柄も少ない。
ヘラヘラわらう楽天家に見えるが、その実そういった反応しかできないだけである。

人の二つ名を覚える気がない。かたくなに本名で呼ぶ。

経歴

父親不在の婚外子であり、出生届が出されていない。故に戸籍も住民票もない。
乳児期には既にオーヴァードとして覚醒しており、記憶力のいい方であるひまりがあまりその頃を覚えていない。
扱いに困った母親は家に閉じ込めてひまりを育ててきた。
幽閉された部屋にも特に困ることなく、家の中で大人しくのんびり独りで過ごしていた日々に変化が起こる。

ドンドンとやかましく音をたてて玄関の扉をたたく音。エスカレートする音に気になって扉を開けると、
片目と指が少し欠けている、怖そうな男の人が居た。母が闇金で借りた借金取りである。
母を待つ間、そのおじさんとお話をした。カタナシさん？というらしい。
初めての外の人で、はしゃいでしまい、色んなことを話した。
－－話してしまった。自分の特殊な能力まで。

『お母さんを楽にさせるために』と、お金を稼ぐ方法として
『とる(窃盗)、はなす(詐欺)、はこぶ(密輸)』そして『おそうじ(殺人)』を教えてもらい、お仕事を手伝った。
使の外套や猟犬の鼻があれば簡単な仕事は困らなかった。
借金は確かに減ったのに、母にはなぜか泣かれ、どんどんとお友達のカタナシさんと居る時間が増える日々。
そんな生活が上手く続くわけもなく、とある『姿を変える掃除屋』がUGNの調査の対象になり、ひまりとその反社グループを捕縛。
ひまりのみがオーヴァードであること、社会復帰(平凡な女の子)よりもUGNエージェントとしての適性しかないことが発覚したため、エージェントとしての教育を受けた。

表の顔のメイドは、ひまりを拾ってきた霧谷にひまり(掃除屋の適性しかない女)を押し付けるべくが画策されたもの。
メイド服は自前の仕事着で、大きな屋敷の管理＝メイドさんだ！！！と早合点して飼ってきたもの。安物なのでペラい。

人間関係

楠　弥生(くすのき　やよい)
ひまりの母。生みの親。貧困にあえぐシングルマザー。
元々それなりのお嬢様だったのでプライドが高く、父親不在の出生届を見栄や世間様の目が怖くて出せない、
ひまりが常人ではない（乳児期のオーヴァードの能力の発露）ので閉じ込めるなど、
プライドの高さ故に母子共々首をしめられている。
実家を出て母子二人暮らしをすることになったが、見栄の為に安アパートも安価でダサい服も無理で、
普通のマンションの家賃や水道電気代に苦しみ、朝昼版とパートを掛け持ちしても楽にならず、
貧困にあえぎ、赤字の日もすくなくなかった。
それでも昔の人並みの暮らしを忘れられず闇金に借金をし、闇金の取立人の小鳥遊にひまりを会わせてしまったことが、
弥生の人生の最悪の選択である。

一応、ひまりのことは自分の腹を傷めた子供として愛してはいる。
が、日々の生活がそれどころではなく、手のかからない子だったので放置しがちであった。

カタナシさん【小鳥遊　一千春(タカナシ　イチハル)】
『えっと、タカ、カタ……カタナシさんでいいですか？ほら、だって片方のおめめありませんし！』
楠弥生が借りた闇金の取立役。隻眼。強面だが面倒見はいい兄貴肌。こんな業界に居るので物知りかつ暴力得意。
本人は認めないだろうが実質の育ての親。

いつも居留守を使う家の扉があいたと思ったら情報にない子供が出てきた。
強面の自分に対して無邪気に話してくること、脅しても全く気にしないこと、身の上話を聞いて起き上がりかける同情心と流そうとしたとき、
「あのね！ひまりお姫様になれるのよ！」と一瞬で大人のドレス姿になるひまり≪天使の外套≫を見せられ、こいつは使えると踏む。
そのまま借金のカタ（ひまりには「お友達になろう、友達なら一緒に遊ぼう」）という口実で連れ出す機会が増え、自分のグループの仕事『とる、はなす、はこぶ』を教えれば誰よりも上手く捌いて見せた。
そのままひまりを手元に置いておくつもりだったが上層部に目を付けられ『掃除』を覚えさせられ、『掃除屋』デビューを果たす。
上層部に『貸し出す』という形でなんとか繋ぎ止めていたが、
その頃には借金も返済しておりある程度は自活できる手元の金もでき、もう親元に返しても良かったのだが、
果たして親元に返すのが幸せか、本人が自分の性格に合っているという『掃除屋』をとりあげていいのか、と悩んでいるうちに
UGNにひまりが見つかり、連れ去られてしまう。
これでよかったのだろう、と自分に言い聞かせ、また、次会う時は殺されるのは自分なのだろう、と思っている。
未だに、彼のポケットの中には自分の食べない飴やキャラメルが入っている。

霧谷雄吾(きりたにゆうご)
少女期の恩人、兼、現在の雇用主。
小さい頃はそれなりに構ってくれた気がするけれど、最近は不在過ぎてちょっと顔を忘れかけている。
一応彼の屋敷の管理の手伝いとしても本当に雇ってもらっている。

その他メモ

le mênage　/　ルメナージュ
「家事、掃除、きれいにする」

橘の花言葉は『追憶』
ひまりの名前は、『陽だまりの中ですくすくと育ちますように』と名付られた。

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