N市出身の新米教員。教育学部時代に受けた教員採用試験に一発合格し、新卒で教員となった才子。担当は世界史。

親族がだいたい教員をやっている教師一家にて生まれるが、親の厳しい躾の反動で教師になることに反発、
漠然とした「人を助ける職業に就きたい」という考えだけを持っているような状態だった。
「あの人達は俺のことじゃなくて、"教員になる息子"という肩書しか見てくれていない」
「俺のことが大切なのはわかる、でも、俺は自分の道くらい自分で決めたい」
……なので両親が入れさせたい大学に対して興味がわかず、入りたい大学もないまま学業成績が落ちる、という状態だった。

高校３年生の頃、クラス担任になった教員がそういう状況にすぐ首を突っ込むお節介焼きタイプの教師(女性)で、
湊人の気持ちに対しても真摯に向き合ってくれた。
この先生の根気強い説得と湊人の尽力により、湊人は実家の束縛から解放される。
ただ、彼女の生徒に対する向き合い方に大変な感銘を受けた湊人は
「生徒を見てくれて、何より自分のことを信じてくれた、あの先生のようになりたい」
と思い、自分の意思で再度、教員になることを志願し、道を歩み始めた。

そうして教員となった１年目、修学旅行の引率をしていたちょうどその時。
「誓約の瞳」が【ナーブジャック】を利用してＦＨエージェントや一般人を自身の手足として操り、
ＦＨセルの施設から逃げ出した。
……生徒たちと共に横断歩道を渡ろうとした際、
「誓約の瞳」に操られ赤信号で突っ込んできた車から守るため、逃げ遅れた１人の生徒を突き飛ばし、事故に巻き込まれる。

ああここで俺死ぬんだ、と思った所で、誰かに話しかけられる。
それは、事故の影響で車から投げ出された「誓約の瞳」。
『湊人の命をオーヴァードとして覚醒させて蘇生させる代償に、自身と契約しＦＨから私を解放してほしい』
『頼む、人間よ』
物言わぬ、命持たぬ存在でありながら、自身と同じように「自由」を求めたその"遺産"に共鳴するものがあったのか、
単に死にゆく命を救い出す術を手繰ったのかは定かではないが、とにかく湊人はその手を取った(【リザレクト】)。

その後、遺産を再度手中に収めようとするＦＨエージェントに身柄を狙われるが、
駆けつけたＵＧＮエージェント（焔月 業）に助けられた。
（覚醒してすぐ、まして精度の悪いテンプテーションしか出来ない湊人にとって、この出来事は僥倖であったと言える）

騒動の後、ＵＧＮ内では湊人の持つ遺産の取り扱いや彼本人をどうするか、などの事後処理問題で紛糾するも
最終的に霧谷日本支部長の采配で、ＵＧＮイリーガルとして置いておく（ただし監視はつける）という形にまとまった。
（「一般人が遺産を所持するのは……」と懸念を示していた焔月も、霧谷支部長の口添えによりとりあえず一旦承認）

そういった形で日常の裏側を垣間見た湊人本人は、
命を救われた焔月業に限らないＵＧＮ全体に対する恩返しの気持ち、物言わぬ存在に戻った「誓約の瞳」に対する複雑な感情、
人々――特に生徒達がＦＨに巻き込まれることがないようにしたいという決意
……などの思いから、ＵＧＮに協力するイリーガルとして日々を送っている。

例のごとく戦闘は苦手だが、レネゲイドコントロールの精度そのものはそこそこで、
能力を生かした情報収集・後方支援役として主にＵＧＮに協力していた。
（<情報:UGN>とか振った時に情報教えてくれる名無しNPCみたいなポジション）
（その流れで同じく裏方が多い、春風高校の橋本悠人とは「たまに会う別部署の人」くらいの距離感で付き合いがある）

……故に、今回の任務が彼が矢面に立つ最初の任務である。