神城グループ北条派の生産したオーヴァードの一人。賢者の石(レネゲイドクリスタル)の適合体となるベビーの選別に適性を示し、物心がつく前に外科的移植が行われている。FHへの情報漏洩からローンチ直後に奪取されており、そのエージェントである月見里家に養子として引き取られた。

月見里家では父にこそ見向きもされなかったが母の美千代には普通の養子として接され、同時にオーヴァードという存在に関しても伝えられている。
幸運にも美千代はFHに参加する動機が「時代の進歩への肯定」といった他己的かつ前向き、ある種善性な感情であったため、オーヴァードに対しては肯定的に育っている。

2年前にFHの研究施設襲撃計画「南風作戦」に参加。その際にチルドレン選抜隊に抜擢され、急襲部隊に同行。研究施設へのウイルス散布を始めとする作戦を目の当たりにし、戦いの意義に疑問を覚えた。
同時並行で陽動班として招集された、所謂"捨て駒"の中に美千代が含まれており、本作戦中にMIAとなる。FHにとっては美千代の存在よりも、希明が使えるようになるかどうかが問題であったのだ。

「南風作戦」から2ヶ月、UGNとの接触を開始し離脱を画策し始める。その根源は、母が何を目指し、何の為にFHに加担していたのか。どう考えても、「南風作戦」のやり方は人々から反発を招く方法だったと言える。
彼は一度冷静に自分達…オーヴァードに向き合う必要があると考えた。少なくとも、躍起になってオーヴァードを担ぐセルが冷静に思えなかったのだ。
ならば、使えるものは利用しよう。UGNは幸いオーヴァードには好意的だ。盾にもなってくれるし、ゆっくりと情報を集めるのにも向く。

彼が神城のデザイナーズチャイルドであることを知ったのはこの時期である。幸か不幸か、察しが良くなってきた彼にはFHの考えも多少わかってしまったようだが。

現役高校生。この2年の間に父のKIAが確認されている。あえてイリーガルの立場に立っているのは極力1つの組織に肩入れするのを避けるため。ただし、UGNとの協力関係に加え、神城グループ会長派閥との連携、加えて状況次第ではゼノスなどともを関係を持っているため、実態は高校生とはおおよそ言えないものとなっているが。
この不安定な日常の中、母の求めた「時代の進歩」へとゆっくり模索を続けている。