かつては他人と距離を置き、
何かに追われるように知識を求める少年だった。

幼少の頃怪物に家族を殺され、天涯孤独。
そのため自分たちの常識では計れない存在がいることを
確信しており、その正体の究明と撃退手段を模索していた。
つまり、記憶処理が不十分で
レネゲイドの存在を確信していた。
そして周囲にその存在を訴えたが、
子供の言うことだと誰も信じなかった。
生来から卓越した知能を持っていた彼は
周囲の理解のなさに失望する。
その結果、他人を「平和ボケしたカカシども」と
切り捨てるようになってしまった。

高校生になったある時、未知の存在の
手がかりを垣間見ることになる。
化け物について知る組織の構成員だという
男性からのスカウト、そしてよく似た境遇の少年、
春楡　世茂木（はるにれ　よもぎ）との出会い。
その出会いはまやかしではないと示すように、
化け物…ジャームが彼らを襲う。
この化け物に再び遭遇した時のために蓄えたはずの知識は
何の役にも立たず、蹂躙される。
またしても全てを奪われてしまうのかと歯噛みしたその時。
吸い寄せられるように視界に入ったのは組織で保管されていた、
代償と引きかえに無限の知識を与えるという魔性の書物。
彼は何を捨ててでも真実を追い求める覚悟で
怪異の力に手を伸ばす。

(Before)
春楡とUGNの健康診断を受けた際、
レネゲイドコントロールの研究者である
野木健太から、”ザ・リレントレス”という者から
サイバー攻撃を受けているので
止めて欲しいという相談を受けた。
茅倉もよくUGNのデータベースを
閲覧させてもらっていて、
その際に野木と接点もあった。
それならばと、相棒と共に
彼の依頼を受けるのだった。

(After)
ハッキングをしかけていたのは
レスバと炎上のレネゲイドビーイング？
である「”ファイ・フロイト”フロウ」だった。

真相は、傷ついても別の人格に入れ替わり
再生する彼の特性を利用し
野木が非道な実験を行っていたというものだった。
他に実験体となった者は、耐えられなかった。
”ザ・リレントレス”をコードネームとする者は
架空の存在だったが、いるとするならば、彼か。

レネゲイドの探求という共通の関心から、
茅倉は野木に多少の親近感を持っていた。
しかし、それはレネゲイドで
不幸になる人間…自分たちのような者を、
二度と生まないための探求だ。
相反する想いに拳を握りしめ、春楡と並び立つ。

…茅倉も、知識の前には貪欲だ。
いつか自分も道を過つ時があるのだろうか。
しかしきっと、春楡と2人なら
そうなることはない。
誰よりも優しく強い彼の隣でこそ、
この慧智は輝ける。

補足メモ

春楡は注射が苦手
救護班に優秀(本当に優秀には
違いないがやたらアピールしてくる)な
球体型ロボのレネゲイドビーイングがいる
フロウはどっかに逃げた。
でもまたどこかでふらっと現れそう。
野木は取り調べを受けている

(Before)
UGNより調査の依頼を受けた。
T村の海辺で不自然な発光現象が発生しており、
わずかなレネゲイドが観測されているという。
自然発生的な現象なら大変興味深い。
人為的なもので害意のあるものなら、それはそれで見逃せない。
どちらにせよ自分向けの調査だ。

調査中は住み込みで1週間、
海の家のアルバイトとして潜入することになった。
オーナーの家に寝泊まりさせてもらえるらしく、
海の奥さん・ノゾミさんが出迎えてくれる。
…野宿や施設内への潜入は任務で経験していたが、
住み込みというやつは、やったことがなかった。
当たり障りのない振る舞いをする程度なら問題はないが、
一般的な高校生はどうするものなんだ？
さて、これは一体どうしたものか…？


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