◯来歴
二年前、下校途中に姉ともどもFHに拉致されてオーヴァードに改造されてしまう。
ヒーローである兄が救出するも、姉は怪人「ジャガーノート」として心をなくした化け物となってしまった。
そして丹心は、自分もまた「悲しみ」という感情をなくしたこと気づく。自分も、いずれ姉のようになるんじゃないか。不安は恐怖の渦となり、丹心の自我をそのまま飲み込んでしまう。暴走した丹心は兄に止められた後、記憶処理と「右腕」の休眠処置を受けて、姉の存在、事件のことを忘れ平凡な生活に戻った。

だが数ヶ月前、記憶をなくした丹心はジャガーノートの破壊活動に遭遇してしまう。
駆けつけたヒーローたちを弄ぶように屠るヴィランの所業に、丹心はかつての凄惨な記憶を思い起こし暴走しかける。
だがそのとき、絶望に泣き叫ぶ子どもの声が、丹心の耳に届いた。
自分もかつて、震えて泣くことしかできなかった。
不安な心をかき消そうと泣きながら、誰かが、ヒーローが助けに来ることを願っていた。
力を持つことは怖い。
いつか自分も、力に飲まれて消えるかもしれない。
だけど。
傷ついてる人が目の前にいて、泣き叫ぶその声が聞こえてきて、
自分には戦う力があって、この絶望を覆せるのなら！
どれだけ苦しくても、どれだけ怖くても、
「｜誰かが助けを呼ぶかぎり《負けるわけにはいかないんだ！》」
丹心の叫びに呼応するかのように、その右腕が紅く輝いた。