千鳥がオーヴァードへ覚醒したのは今から10年前。

元々は格闘技を嗜んでいるだけの普通の学生だった。
ある時、FHのいざこざに巻き込まれ、"目撃者"として双子の兄、｜霹靂神 道雪《はたがみ どうせつ》共々殺されそうになる。
兄を庇うために一人オーヴァードに立ち向かうが、格闘技を嗜んでいるとはいえ何の力も持たない人間がオーヴァードに敵うはずもなく、千鳥はあっさりと薙ぎ払われ、兄は命を落とす。

自分がもっと強ければ。もっと早く動けていれば。

そんな後悔や怒りと、強くなりたいという叫びに呼応して、｜霹靂神 千鳥《はたがみ ちどり》はオーヴァードとして覚醒する。
一方で兄・道雪のほうもその死を契機にオーヴァードへと覚醒しており、幸いにも命を繋ぎとめることとなる。

その後、駆けつけた霧谷雄吾によって千鳥たちを襲ったオーヴァードは退けられ、2人はUGNに保護されることになる。
突如能力に目覚めて右も左も分からない2人に対し、霧谷はオーヴァードとしての道を示す。
それはUGNの構成員として活動することへの誘いであり、組しないのであれば処分も厭わないという脅しでもあった。

千鳥は霧谷の手を取り、UGNのエージェントとして生きて恩を返す道を選んだ。
一方で道雪は霧谷の手を取りつつも、組織には所属せずイリーガルとして生き、自分たちを襲ったオーヴァードを追う道を選んだ。

UGNに所属することを決めてから約6年後、千鳥は｜四阿《あずまや》支部長へ昇格させるという話が持ち上がる。
ひたすらに強さを求め、時に突っ走りすぎるその性質を不安視する声もあったが、
何よりも人々の平穏を願い、そして部下や仲間たちを守るために先陣を切る勇敢さは支部長の座に相応しいとされ、千鳥もその打診を受け入れたことから、正式に支部長の座に就くことになる。

支部長になったからといって特にやることが変わるわけではない。
デスクワークその他もろもろは部下に押し付け、自身はFHとの戦闘に明け暮れる日々だった。
あの支部長は戦闘狂だ。誰かがそう囁くこともあった。

しかしある日、｜四阿《あずまや》支部から脱走者を出すことになる。
UGNの情報を握ったままFHに逃げ込まれてはまずい。千鳥はすぐに駆け出した。
が、追いつくことができたのは囮として使われた｜五百雀 新《いおじゃく あらた》だけだった。

最も信頼を置いている部下。
脱走未遂があるため、なぜ彼にそこまでの信頼を置いているのか、と疑問を持つエージェントも中にはいるだろう。

それにはいくつか理由がある。
まず一つ目に、脱走未遂があるのなら支部長自らが一番近いところで監視をするのが最も効果的だと思ったから。
だが、これはほとんどおまけに過ぎない。霹靂神自身、「監視」を意識したことはほとんどない。
二つ目は、自分を止められる人間だから。
唆されたからとはいえ、一度は支部からの脱走を決行した人間。その行動力は称賛に値する。
そして戦闘スタイルの相性としても、万一自分が暴走しジャームと化したときに自分を制止し得ると考えている。

それに、いつ牙を剥くかも分からない者を傍に置いておく方が、スリルがあって面白い。

「裏切り？上等だ。真正面から心ごと叩き折ってやる。」
「そもそも、俺に一番近いところで仕事しておいて、そう簡単に逃げ出せると思うなよ？」

…という話もあるが、最近では自身が苦手なデスクワークや事務作業その他諸々を巻き取ってくれるのがものすごく助かるから、という理由が一番大きいかもしれない。
加速装置でデスクワークから逃げても猫の道で追いついてくる。
あらゆる意味で、｜五百雀 新《いおじゃく あらた》は｜霹靂神 千鳥《はたがみ ちどり》のストッパーなのである。

①五百雀くんの覚醒秘話　五百雀くん視点
https://fusetter.com/tw/HenML3K2#all

②五百雀くんの覚醒秘話　霹靂神視点
https://fusetter.com/tw/7La1vwo5#all

①通過中の話(AGIA現行未通過×)
https://fusetter.com/tw/yvMktMEf

②SS(怪文書)「夜の語らい」
深夜に飯食ってるだけの四阿支部
https://fusetter.com/tw/mn4Oebpk

③SS(怪文書)「朝の語らい」
早朝に飯食ってるだけの四阿支部
https://fusetter.com/tw/H6TLGydG

④SS(怪文書)「化け物の定義」
闘ってるときの話
https://fusetter.com/tw/vsrTlXXj

⑤SS(怪文書)「目覚めた時 前編」
覚醒時の話
https://fusetter.com/tw/cJosQcsF

⑥SS(怪文書)「目覚めた時 後編」
覚醒時の話
https://fusetter.com/tw/LZW426fq

HO-A 最前線
キミは接近戦の達人だ。近距離での駆け引きに置いて、キミは誰にも劣らないという自負がある。

HO-1 上司
ワークス/カヴァー：UGN支部長/自由
シナリオロイス：譜代稔
キミ達はUGNにとって重要な地、過酷な任務を任されるほどの実力者である。 キミの部下もまた優秀な人材ばかりだと自負している。 ある日そんなキミ達のもとに、本部エージェント「譜代稔」から招集が掛かる。 それは「3支部合同任務」という、異例の招集であった。信頼できる部下を一人連れ、キミ達は招集に応じる。

ワークス・カヴァー：UGNからの依頼を受けられる立場であれば自由
シナリオロイス：お互いのPC　(推奨感情：任意)
君たち二人は、所属(協力)しているUGN支部にいた。
用事も済んだし、さてこの後は…そう考えていた君たちに、緊急任務が伝えられる。2日前、任務中にジャーム化して逃走した銀浪支部所属のUGNチルドレンが、この地区に侵入したというのだ。
そのジャーム化したチルドレンは暴走しており、非常に危険な状態だという。被害が出る前に見つけ出し、止めなくては。
君たちは、この町の平和な日常を守るため、慌ただしく支部を飛び出した。

PC①：ジャーム疑惑の支部長
シナリオロイス：奥園 千夏(おくぞの ちか) (推奨感情：P:連帯感 / N:脅威)
ワークス / カヴァー：UGN支部長 / 指定なし

キミはA市支部の支部長だ。
仕事か、はたまたプライベートか。X市を訪れていたキミに、PC②からX市支部長である「奥園千夏」の救援を求める要請が入る。
現場へ駆けつけたキミの目に飛び込んできたのは、既に討伐が完了したジャームの群れ。
そこでキミは正体不明のオーヴァードの襲撃を受け、その場で意識を失ってしまう。
目を覚ますと、キミはジャームとしてUGNから追われる身となっていた。
キミは自身の嫌疑を晴らすべく、一連の事件の調査へと乗り出すのであった。