一人称は俺。二人称はお前、あんた。三人称はあいつ。
　荒々しい性格ではあるが、敬語は使える。
　母親が、誰かが傷付こうが自分の望みを叶える事を優先する人間だったため、それを反面教師に自分を犠牲にして誰かを助ける性格となった。
　誰かを助けられる能力を与えてくれた母親には感謝しているし、自分を愛してくれる事を嬉しくも思うが、それはそうとして絶縁はする。
　母親からしつこくセルの勧誘が（メイドを通じて）来るが、全て断っている。

　真っ赤な満月が部屋を照らす。
　大量の血溜まりの中に倒れ込んだ少年が、その身体を獣の姿へと変貌させながら起き上がり、内臓を貫いていた赫い剣を力任せに引き抜いた。
　血に濡れた妖艶な女が、うっとりとした表情で、その様子を眺める。
「あぁ、やっぱり。やっぱり貴方は私の子、そしてあの人の子なのね」
「ド、ドウしテ。かアサン」
「これも、愛なのよ。宇」
　そう言うと、目の前の化け物を抱きしめる。

　…愛？こんな恐ろしいものが愛だと言うのなら、俺にはいらない

　基本的に母からもらったベルトにガジェットをさして変身し、スーツ内に搭載された兵装をぶん投げたりして戦う。
　勿論近接ができない訳ではなく、近づいてきた相手には鉄拳を浴びせる。
　レネゲイドが強くなれば、変身スーツはより獣に近くなり、その戦闘スタイルも荒々しく変貌する。

　名を山必　颯華と言う。
　もともと一般人であった夫が彼女に一目惚れをして、壮絶なやり取りをへた後、結婚し、子供を産んだ。
　夫を含め家族を愛しており、FHセルのリーダーとなってはいるが、基本的に家族を第一優先する。
　宇から絶縁された事は悲しいが、宇のためを思い、涙を呑んで我慢した（それはそれとして監視は送る）。
　ブラム＝ストーカー、キュマイラのクロスブリードで、UGNや他のFHセルからは赫い満月(ツクヨミ)と呼ばれ、恐れられている。