「あーはい、簡単なほうの烏にエンディングの焉です」
「……たまにはこっちの俺でもいいだろう」

黒髪に緑目。長身と目つきの悪さゆえに威圧感がある。多忙から隈が消えないため、血色のなさにおまけして不健康に見える。

風を操る。本人曰く、「研究の役にはあまり立たないようで、少し有り難い能力」。シンプル故に、能力そのものを向上させる薬品などはすぐ結果が出るらしい。

人前では"医者として"振舞おうと意識している。技術と知識は確かなものだが、不器用な性格から子供の患者に揶揄われることもままある。
人がいるところに、見るのも入っていくのも好き。昔のことを訊かれるとはぐらかす……というより、必死にひねり出しているかのよう。
裏では研究漬けで、自身に纏わることをしっかり日記に記録するという条件をつけて生活習慣を保っている。

街に流れ着いたのは十数年前。それまでは、非合法組織に所属する親の道具でしかなかった。断片的にしか思い出せないことだが、今の生活とは程遠い、暗澹たるものを夢に見る。親の常識では人の命は大事にするものなどではなく、医者として免許をとったのも、よろしくない仕事を手伝うため……だったような。
その日はほんとうに、いつにも増して耐えかねていたのだと思う。
全てが嫌になり、電車でどこまでも遠くに行った。どう乗り換えたかも曖昧で、どことない水の匂いから、遠くにきたのだなとぼんやり理解した。
そこで行き倒れていたところを、想思に助けられて……。

オーヴァードとなったのは町に移住してから。親友かつ恩人である、想思の役に立ちたいがため。まぁ意図しての感染などとんでもない賭けでしかないので、そりゃもう怒られた。
人の命を想って怒る人間がいることをようやく知ったし、医者としての努めであると認識した。
そうして、大事な親友がいなくなったあとも、かくあれかしと振る舞い続けている──だってそれが憧れの大人だから。



追記：元々の一人称は「私」。記憶を失うまでは、大人びてスレた子供といった性格。

自分でも他PCでもサポート飛ばしつつスイープするアタッカーがほしいの記。2回先手とれれば十分でしょう（驕り）。

U.N.OwenとかWho killed cockrobin?とか、そういうニュアンス。

医者ならなおさら自分の命を一番大事にしなさい！！！その姿、患者が見たらどう思うでしょうか？
映画のほうのThe Ravenではないので安心してほしい。そうならないでほしい。

烏天狗

想像上の怪物。つばさがあり、烏のくちばしのような口をしている天狗。
（出典：『日本国語大辞典』/項目「烏天狗」）

烏要素は序文から察するのみ！
謡曲において天狗とは負けるもの（『是界』、『車僧』）のイメージがあるので、主役ではないよなぁ～でラージナンバー。『大会』で恩を返そうとして制裁を食らう天狗、『鞍馬天狗』で若者を導く天狗の要素を引っ張ってきた。

雅→「からす」と読む。
西→移り住む/西施（美女の代表格）
烏/焉→なんぞ。ロシア民謡『黒いカラス』（夢野久作『ドグラ・マグラ』の巻頭歌の元ネタ）。